2社の職歴がある場合の職務経歴書フォーマット
転職歴が2社ある場合、まずは自分の経験をどう整理して見せるかが重要です。一般的に用いられるフォーマットは「編年体式」「逆編年体式」「キャリア式」の三つです。編年体式は古い順に社歴を並べ、成長の流れを示すのに向きます。逆編年体式は直近の経験を先に配置し、現在のスキルや実績を強くアピールしたい場合に最適です。キャリア式は職種別・プロジェクト別にまとめる形式で、異なる業界や職務を経験し、それぞれの専門性や汎用スキルを際立たせたいときに有効です。どれを選ぶかは応募先が求める人物像と自分の強みを照らし合わせ、2枚以内に収まるように最適なレイアウトを検討しましょう。応募先が「即戦力」「リーダー候補」「技術スペシャリスト」のいずれを求めているかを意識し、それに合ったフォーマットを選ぶことがポイントです。
書き方のポイントと注意点
1.社名・在籍期間・役職・部署は正確に記載すること。略称ではなく正式名称で統一しましょう。
2.業務内容は「何を」「どのように」「どれだけ」の順で記載し、箇条書きで簡潔にまとめると可読性が高まります。例:「新規顧客開拓として年間20社を担当し、売上120%達成」など、数字や定量的成果を必ず入れましょう。
3.在籍期間が短い場合でも理由をネガティブにせず、「キャリアの幅を広げるため」「新たなチャレンジを求めて」と前向きに表現します。
4.異業種や異職種への転職で一貫性が感じられない場合は、「課題解決力」「コミュニケーション力」「プロジェクト管理力」など、どちらの経験にも共通する汎用スキルを強調します。
5.フォーマットの統一感を保ち、文字サイズや行間は読みやすさを最優先に。改行のタイミングを揃え、見出しや項目名の書式を統一しましょう。
6.応募先企業の業務内容や求める人物像を理解し、自分の経歴からマッチするエピソードや成果をピックアップして優先的に記載します。
職務要約のまとめ方と例文
職務要約は、職務経歴書冒頭に置く150~250文字程度の要約文で、あなたの強みとキャリア全体を短く印象づける役割があります。2社分の経歴を万遍なく紹介するより、直近の業務や応募先に近い経験を中心にまとめ、「応募企業でどう貢献できるか」を端的に示しましょう。例文(システムエンジニアの場合):「大学卒業後、ソフトウェア開発会社で金融システム設計・開発を担当。1社目では要件定義からテストまで幅広く経験し、チームリーダーを経験。2社目ではSIerにて顧客折衝・プロジェクト管理を行い、プロジェクトの納期短縮とコスト削減を達成。豊富な開発・PM経験を活かし、御社の開発体制強化に貢献いたします。」このように成果とスキル、今後の貢献意欲を盛り込みます。
2社分の職務経歴記載例
【編年体式(古い順)】
20XX年4月~20XX年3月 株式会社AAA(製造業/資本金1億円・従業員200名)
・営業部 法人営業担当として既存顧客50社を担当、年間売上10億円を管理
・新規顧客20社開拓により売上前年比125%を達成
・チームリーダーとしてメンバー5名を育成、月次研修を実施
20XX年4月~現在 株式会社BBB(ITソリューション/資本金5億円・従業員80名)
・プロジェクトマネージャーとしてSI案件5件を統括、納期遵守率100%を実現
・顧客折衝から要件定義・設計・テストまで一貫して担当
・社内業務プロセスを見直し、作業効率を20%向上
【逆編年体式(新しい順)】
20XX年4月~現在 株式会社BBB(ITソリューション)
・プロジェクトマネージャーとして顧客折衝・品質管理を担当、納期厳守の実績多数
・業務フロー改善により効率化を推進、コスト10%削減
20XX年4月~20XX年3月 株式会社AAA(製造業)
・法人営業担当として売上目標120%達成、新規開拓20社
・5名チームを統率し、部門MVPを3回受賞
【キャリア式(職種別)】
〈法人営業〉
株式会社AAA(20XX~20XX)/新規開拓・既存フォロー、売上120%達成
株式会社CCC(20XX~現在)/大型案件受注に成功、部門予算を達成
〈プロジェクト管理〉
株式会社BBB(20XX~現在)/PMとして5案件統括、納期100%遵守、コスト10%削減
転職理由やアピールポイントの伝え方
転職理由は「前向き」「具体的」「応募先との接点」を意識します。例:「より大規模なプロジェクトを手がけ、マネジメント経験を深めたい」「新技術の導入推進を通じて御社のDXを加速させたい」など、自身のキャリアビジョンと応募先企業のニーズを結びつけましょう。アピールポイントは、2社で得た経験を時系列で追うのではなく、応募先で必要となるスキルや成果にフォーカスし、それを裏付ける実績データを示すと説得力が高まります。例えば、チーム統率力なら「5名規模のプロジェクトをリードし、納期遵守率100%を維持」と具体的に記載します。また、変化対応力を示すエピソードとして「異業種間の調整を通じて新規サービス立ち上げに貢献」といった職務横断的な経験も有効です。
まとめ
転職歴が2社ある場合の職務経歴書は「編年体式」「逆編年体式」「キャリア式」のいずれか、自分の強みと応募先が求める要件に合わせて選択します。業務内容は具体的かつ定量的に、見やすい箇条書きで記載し、職務要約では150~250文字程度であなたの強みと貢献意欲を端的に示しましょう。転職理由は前向きに、応募先との相性を明確にし、アピールポイントは実績データをもとに裏付けることが重要です。2社で培った経験とスキルを最大限にアピールすることで、採用担当者に強い印象を残す職務経歴書を作成できます。