転職や中途採用の応募時、職務経歴書に必ず求められる重要な項目のひとつが「志望動機」です。履歴書にも志望動機を記載する欄がありますが、職務経歴書ではさらに深堀りして、なぜこの会社を選んだのか、どのように自分の経験を活かして貢献できるかを具体的に伝える必要があります。今回は、職務経歴書の志望動機に関して、書き方のコツや差別化できるアピールポイント、具体的な例文まで徹底解説します。
目次
目次
- 職務経歴書に志望動機は必要か?履歴書との違い
- 職務経歴書の志望動機に書くべき内容と構成
- 採用担当者に響く志望動機のポイント
- 志望動機のNG例と注意点
- 志望動機の例文(状況別・職種別)
- まとめ
1. 職務経歴書に志望動機は必要か?履歴書との違い
志望動機は、応募先企業への熱意を伝える重要な要素です。履歴書にも記載欄がありますが、職務経歴書で記載する際は、より具体的に「なぜこの会社なのか」「自分の経験をどう活かせるか」を論理的に伝えることが求められます。
職務経歴書の志望動機は必須ではないが、積極的に記載する価値あり
職務経歴書に志望動機を記載することは必須ではありませんが、志望動機を記載することで他の応募者との差別化がしやすく、書類選考通過率を高める可能性があります。採用担当者にとっては、志望動機はその人物が本当に自社に興味を持っているか、長期的に活躍できるかを判断するための大切な情報源となるため、積極的に記載することをおすすめします。
履歴書との違い
- 履歴書の志望動機は、主に「なぜその職種・会社に応募したいのか」という全般的な理由を簡潔に述べる場です。
- 職務経歴書の志望動機は、もっと具体的で論理的に「なぜその企業で働きたいのか」「過去の経験がどのように活かせるか」を強調し、詳細に記載する場です。採用担当者に「この人が自社で活躍できる理由」を具体的に伝えるための重要な部分となります。
2. 職務経歴書の志望動機に書くべき内容と構成
職務経歴書における志望動機は、いくつかの重要な要素で構成されます。それぞれの要素を効果的に盛り込むことで、採用担当者に伝わる志望動機を作成できます。
【志望動機の基本構成】
- 結論(志望理由)
「なぜこの会社を選んだのか」を端的に伝えます。企業選択の理由や、その企業ならではの魅力を述べる部分です。 - 背景・理由と根拠となるエピソード
企業に魅力を感じた背景や理由、具体的な実体験やエピソードを交え、オリジナリティを出すことがポイントです。 - 入社後の活躍・貢献イメージ
自分の強みや経験をどう活かし、入社後にどのように貢献できるかを具体的に述べます。この部分で、企業にとってのメリットをアピールしましょう。
【書き方のポイント】
- 応募先企業の魅力や特徴をリサーチし、「なぜその企業でなければならないのか」を明確に伝える
企業の事業内容や業界での立ち位置、取り組んでいる課題などをリサーチし、なぜ自分がその企業で働きたいのかを具体的に述べます。 - 自分のキャリアや強みが、どのように応募先で活かせるかを具体的に説明する
自分の過去の経験や強みがどのように役立つかを具体的に説明しましょう。具体的なスキルや実績を絡めると効果的です。 - 現職や前職で実現できなかったこと、応募先で実現したいことを結びつけると説得力が増す
現在の職場や前職で達成できなかった目標や夢を、応募先の企業でどう実現したいかを示すと、志望動機がさらに強いものになります。 - 文字数は300字程度が目安
志望動機は、簡潔に要点をまとめることが重要です。300字程度で、明確に自分の意欲と企業とのマッチングを伝えることを目指しましょう。
3. 採用担当者に響く志望動機のポイント
採用担当者が「響く」と感じる志望動機には、いくつかの特徴があります。以下のポイントを押さえることで、他の応募者と差をつけられる志望動機を作成することができます。
1. 企業理解の深さ
企業理念、事業内容、業界での立ち位置、商品・サービスなどを調べ、具体的に言及することで、企業に対する理解の深さを示すことができます。
例:「貴社が推進する○○事業の成長に貢献したいと考え、志望いたしました。貴社が○○の分野でリーダーシップを発揮している点に魅力を感じ、これまでの○○の経験を活かし、貢献できると確信しています。」
2. オリジナリティと具体性
自分だけの経験や実体験、エピソードを盛り込むことで、他の応募者との差別化を図ります。一般的な表現ではなく、自分にしかない経験や価値観を伝えることが重要です。
3. 貢献意欲・ビジョン
「入社後にどんな仕事をしたいか」「どんな課題解決に挑みたいか」など、未来志向のメッセージを加えると、採用担当者に強い印象を与えることができます。
例:「貴社でのキャリアを通じて、新たな市場開拓に挑戦し、さらに成長することを目指しています。」
4. 企業が求める人物像との一致
求人票や募集要項をよく読み、企業が求めるスキルや人物像と自分の強みが合致していることをアピールしましょう。応募先企業がどのような人物を求めているのかを理解し、それにマッチする自分のスキルや経験を具体的に述べることが大切です。
4. 志望動機のNG例と注意点
志望動機の書き方には、よくあるNG例があります。これらの表現を避け、より具体的で効果的な志望動機を作成するための改善策も合わせて紹介します。
NG例1:抽象的・汎用的すぎる表現
「成長性に惹かれた」「スキルを活かしたい」など、どの企業にも当てはまる内容では、採用担当者にインパクトを与えることはできません。
改善策:「御社が○○業界でいち早く□□に取り組み、△△の分野で高い評価を得ている点に魅力を感じました。」
NG例2:待遇や条件だけを理由にする
給与や福利厚生など待遇面だけを挙げても、採用担当者には響きません。自分がどのように企業に貢献したいか、仕事に対する熱意を伝えましょう。
改善策:「安定した経営基盤のもと、○○事業の拡大を目指す御社で、自分も新たな価値創造にチャレンジしたいと考えました。」
NG例3:「入社後に学びたい」だけではNG
中途採用では即戦力が求められます。自分がどのように企業に貢献できるのかを必ず盛り込みましょう。
改善策:「入社後は、前職で培った○○スキルを活かして、○○分野の発展に貢献したいと考えています。」
NG例4:履歴書と全く同じ内容にしない
履歴書の志望動機をそのまま職務経歴書に記載するのはNGです。職務経歴書ではより具体的に、キャリアやスキルとの関連性を強調しましょう。
5. 志望動機の例文(状況別・職種別)
【経験者・同職種への転職】
「貴社の『お客様第一主義』の理念に共感し、志望いたしました。前職では法人営業として新規顧客開拓や既存顧客の深耕に取り組み、年間売上目標を120%達成しました。この経験を活かし、貴社でも顧客ニーズを的確に捉えた提案営業で、売上拡大と顧客満足度向上に貢献したいと考えております。」
【未経験職種への転職】
「前職では営業職として法人向けの新規営業を担当してきました。営業チームのリーダーとして働くなかで、人材の重要性を実感し、人事職を志望しました。貴社は中途採用に力を入れており、人事職の役割が大きいと感じています。営業で培ったコミュニケーション力やリーダーシップを活かし、貴社の成長に寄与できると確信しています。」
【応募企業に特別な思い入れがある場合】
「貴社の商品には強い思い入れがあります。社会人になり初めての給与で貴社の化粧品一式を購入し、以来ずっと愛用してきました。今後はこの商品をより多くの方に伝える役割を担いたいと考え、志望いたしました。」
6. まとめ
職務経歴書の志望動機は、採用担当者に「なぜこの会社なのか」「自分の経験や強みをどう活かせるか」「どんな貢献ができるか」を具体的かつ論理的に伝える重要なパートです。企業研究を徹底し、オリジナリティや具体的なエピソード、貢献意欲を盛り込むことで、他の応募者と差がつく志望動機を作成しましょう。
ポイントまとめ
- 志望動機は職務経歴書に記載することで差別化できる
- 企業の魅力+自分の経験・強み+貢献イメージの3点セットで構成
- 抽象的な表現や待遇面だけの理由は避け、具体的なエピソードやビジョンを盛り込む
- 例文を参考に、自分だけの志望動機を作成しよう
職務経歴書の志望動機をうまく書くことで、採用担当者に強い印象を与えることができ、書類選考を突破する確率が高まります。ぜひ、この記事を参考にして、自分らしい志望動機を作り上げましょう。