履歴書・職務経歴書

職務経歴書のキャリア式とは?特徴・メリット・書き方・向いている人を徹底解説


1. 職務経歴書の主な3つの形式とキャリア式の特徴

職務経歴書には、基本的に3つの主なフォーマットが存在します。それぞれに特徴があり、どの形式を選ぶかによって、自分の経歴をどのように伝えるかが大きく変わります。以下では、キャリア式の特徴を理解するために、それぞれの形式を簡単に紹介します。

1.1 編年体式

編年体式は、履歴書の学歴・職歴欄と同じように、入社日が古い順に時系列で職歴を記載する形式です。この形式では、キャリアの流れが非常にわかりやすくなりますが、職歴が多いとどの経歴が最もアピールポイントとなるのかが分かりにくくなることもあります。

1.2 逆編年体式

逆編年体式は、最新の職歴から遡って記載する形式で、直近の経験や実績を強調したい場合に非常に有効です。この形式では、直近の職歴が最も重要視されるため、今までの成果や強みをダイレクトに伝えることができます。

1.3 キャリア式

キャリア式は、時系列にとらわれず、職務内容や職種ごとに経験を整理して記載する形式です。この形式では、職歴全体を通してアピールしたいスキルや実績を前面に出すことができるため、特に専門性が強い職業や異業種・異職種経験が豊富な場合に最適です。キャリア式の特徴は以下の通りです:

  • 経験した業務やプロジェクト、職種ごとに経歴を整理
  • 転職回数や在籍期間に左右されず、アピールしたい経験を強調
  • 応募先企業が求めるスキルや実績をダイレクトに伝えることができる

2. キャリア式のメリット・デメリット

2.1 メリット

キャリア式には多くのメリットがあります。以下に主なメリットを紹介します。

2.1.1 アピールしたい経験を際立たせやすい

キャリア式の最大のメリットは、応募先企業に関連する実績やスキルを最初に配置でき、採用担当者に強みをダイレクトに伝えることができる点です。例えば、異業種から転職する場合や、特定のスキルやプロジェクト経験を強調したい場合に最適です。

2.1.2 転職回数やブランクが目立ちにくい

時系列で書くと職歴が多くなりがちな人や、ブランクがある場合でも、キャリア式では職務内容やプロジェクトごとにまとめるため、転職回数や空白期間が目立ちにくくなります。この形式は、転職歴が多い場合や不都合な経歴を隠したい場合に特に有効です。

2.1.3 複雑な経歴や異業種経験も整理しやすい

異業種・異職種の経験が多い場合、キャリア式で整理することで、それぞれの分野における実績や強みを一貫性を持ってアピールすることができます。例えば、営業職から事業企画職に転職した場合でも、それぞれの職種ごとに実績を整理することで、専門性や適応力を強調できます。

2.1.4 専門職やプロジェクト型の職種に最適

技術職やエンジニア、プロジェクトベースで働いてきた人にもキャリア式は最適です。プロジェクトごとに成果をまとめたり、スキルごとに経歴を整理したりすることで、採用担当者に実績をしっかりと伝えることができます。

2.2 デメリット

一方で、キャリア式にはいくつかのデメリットも存在します。

2.2.1 時系列が分かりにくくなる

キャリア式では、職歴が時系列で記載されないため、経歴の流れや在籍期間が把握しづらくなることがあります。このため、履歴書と併せて提出することが推奨されます。また、補足説明を加えることも必要になる場合があります。

2.2.2 企業によっては不都合なキャリアやブランクを隠していると捉えられることも

キャリア式は時系列に沿わないため、過去の転職歴やブランクを隠しているように見える場合があります。この点を避けるためには、ブランク期間や不都合な経歴についても正直に記載し、説明を加えることが重要です。


3. キャリア式が向いている人

キャリア式は以下のような人に最適なフォーマットです。

3.1 転職回数が多い人

転職歴が多いと、時系列で書くと職歴が目立ってしまうため、キャリア式で整理することで、アピールしたい経験を際立たせることができます。

3.2 異業種・異職種経験が多い人

異業種や異職種の経験が豊富な場合、職種ごとに経歴を整理することで、強みや専門性を分かりやすく伝えることができます。これにより、複数の業界での経験を一貫性を持ってアピールすることが可能です。

3.3 専門職やプロジェクト型の職種経験者

技術職やプロジェクト型の職種に従事してきた人は、キャリア式でプロジェクトごとに実績をまとめたり、特定のスキルを強調したりすることで、より強力に自分の能力を伝えることができます。

3.4 応募先企業が求めるスキルや実績を強調したい人

応募職種に直結する経験や成果を最初に配置し、採用担当者にダイレクトに伝えたい場合にキャリア式は非常に有効です。


4. キャリア式の書き方と記載例

キャリア式では、職務内容や職種ごとに経歴を整理して記載します。以下は、キャリア式を使った職務経歴書の記載例です。

【職務要約】

営業・営業企画として●年間経験を積んだ後、事業企画として事業課題にかかわるデータ分析・課題設定から事業計画の立案、推進まで事業企画全般に●年間携わってまいりました。特に現職の5ヵ年計画の立案では、プランの策定から遂行までを仮説検証型で進め、業務改革目標の達成に成功しております。

【営業経験】

●●株式会社(2022年4月~現在)

  • 法人営業として新規開拓・既存顧客フォローを担当
  • 年間売上目標120%達成
  • チームリーダーとして5名マネジメント

【事業企画経験】

●●株式会社(2019年1月~2022年3月)

  • 事業計画の策定・推進
  • 売上・利益目標の設定と進捗管理
  • プロジェクト統括、メンバー15名のマネジメント

5. キャリア式を使う際の注意点

5.1 履歴書と併せて提出し、時系列も分かるようにする

キャリア式では時系列が分かりにくくなるため、履歴書や補足欄で在籍期間や経歴の流れを明確にしておくと良いでしょう。

5.2 応募先企業の求めるスキルや経験を最優先で記載

キャリア式では、すべての経験を盛り込むわけではなく、応募先企業が求めるスキルや実績を最優先で記載します。

5.3 ブランクや不都合な経歴を隠すために使わない

キャリア式を利用する場合でも、必要な情報は正直に記載し、補足説明も加えるようにしましょう。

5.4 見出しやレイアウトを工夫し、分かりやすく整理する

採用担当者が知りたい情報にすぐアクセスできるように、見出しやレイアウトを工夫して整理しましょう。


6. まとめ

キャリア式の職務経歴書は、転職回数が多い人や異業種・異職種経験が多い人、専門職やプロジェクト型の職種経験者に最適なフォーマットです。職種やプロジェクトごとに経歴を整理することで、アピールしたい経験やスキルを強調しやすく、採用担当者に自分の強みをダイレクトに伝えられます。

一方で、時系列が分かりにくいというデメリットもあるため、履歴書や補足説明でカバーしつつ、応募先企業が求める情報を最優先で記載しましょう。自分のキャリアや応募先の特徴に合わせて最適な形式を選び、書類選考突破を目指してください。

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