転職活動を行う際に重要な書類となる職務経歴書。その中でも、職務要約・職務概要は非常に大切な役割を担っています。この部分がしっかりとアピールされているかどうかで、採用担当者に「この応募者をもっと知りたい」と思わせることができるかが決まります。本記事では、職務経歴書の要約部分について、その書き方、内容、注意すべきポイントを詳しく解説します。
目次
職務要約・職務概要とは何か
職務経歴書における「職務要約」や「職務概要」は、応募者がこれまでにどのような業務を行ってきたのか、どんな成果を上げてきたのかを簡潔にまとめた部分です。職務経歴書の冒頭に位置し、採用担当者が最初に目を通す部分なので、その内容次第で、今後の選考が大きく左右されると言っても過言ではありません。
職務要約は、単に過去の業務内容を列挙するだけでなく、応募先企業の求めるスキルや経験に合致している点を強調し、応募者の強みを端的に示すことが求められます。この部分がうまく表現されていると、担当者は応募者に興味を持ち、詳細な職務経歴やスキルに目を向けるようになります。
職務要約・職務概要の目的
職務要約・職務概要の主な目的は、以下の3つです。
- 採用担当者に「この人の詳細を知りたい」と思わせること
職務要約は、職務経歴書の“顔”とも言える部分で、最初に目を通す担当者に興味を引かせる必要があります。 - 応募企業の求める経験・スキルとの合致点を伝えること
求人情報に書かれた必要なスキルや経験に自分がどれだけマッチしているかをアピールすることが重要です。 - 応募者のコアとなる職歴・強みを端的に示すこと
自分の強みや実績を短時間で理解してもらうためには、簡潔でありながら印象的な内容にする必要があります。
職務要約・職務概要の書き方の基本ポイント
職務要約・職務概要を書く際には、いくつかの基本的なポイントがあります。これらを守ることで、採用担当者に強い印象を与えることができます。
1. 文字数は200~300字(3~5行程度)が目安
職務要約はあくまで職務経歴書の冒頭に記載する内容なので、長すぎず、簡潔にまとめることが重要です。200~300字程度、3~5行で要点を絞り、読みやすさを保ちます。
2. 内容は客観的かつ具体的に
「どの業界で」「どんな職種・業務を」「どれくらいの期間経験し」「どんな成果を上げたか」を具体的に示すことが大切です。曖昧な表現を避け、具体的な実績や業務内容を盛り込んでいきましょう。
3. 応募先企業や職種に合わせてアピールポイントを調整
汎用的な内容ではなく、応募先企業が求めている人材に合わせたアピールをすることが重要です。例えば、営業職を応募する場合、営業成績や営業方法に焦点を当て、事務職の場合は業務改善や効率化を強調します。
4. 実績や成果は数値で示す
成果を具体的に数値で示すことで、説得力が増します。例えば、「売上○%UP」「新規契約○件獲得」など、実績が明確に伝わる表現を心がけましょう。
5. 自己PRや感情表現は控えめに
職務要約は事実に基づくものであるべきです。自己PRや感情的な表現は避け、事実に従い、業務内容や成果を冷静に記載することを心がけましょう。
職務要約・職務概要の構成例
職務要約には以下のような内容を含めると良いでしょう。
- 最終学歴や新卒で入社した会社名
- 経験した職種や担当業務
- 仕事で得た成果や身についたスキル
- 主要な実績や役割
- 応募職種で活かせる経験
これらを短く要約することで、採用担当者に自分のキャリアを素早く伝えることができます。
職種別の職務要約例
職務要約の書き方は職種によって異なります。ここでは、いくつかの職種に分けて職務要約の書き方のポイントを紹介します。
職種 | 職務要約例のポイント |
営業職 | 実績(売上・契約数などの数値)、営業手法、取り組み姿勢、リーダー経験 |
事務・アシスタント | サポート業務内容、業務改善(ツール導入など)、正確性・効率性の向上 |
販売・サービス | 店舗運営、売上管理、人材マネジメント、キャンペーン実績 |
企画・管理職 | 商品・サービス企画、マーケティング、販売戦略、プロジェクトの成果 |
職種ごとに求められるスキルや実績が異なるため、それぞれに合わせた内容にすることが重要です。
職務要約作成の準備
職務要約を作成する前には、次の準備を行いましょう。
- キャリアの棚卸し
自分の経験やスキル、実績をしっかりと整理し、職務要約に盛り込むべき内容を洗い出します。 - 応募先企業や業界の研究
応募先企業が求める人物像やスキルを把握し、それに合わせて職務要約の内容を調整します。 - 自分の強みやアピールポイントの明確化
自分がどのような点で強みを持っているのか、アピールポイントを明確にしておきます。
よくある失敗と注意点
職務要約作成時には、以下の失敗を避けるようにしましょう。
- 短すぎて情報が伝わらない
職務要約は短くても内容をしっかり伝える必要があります。情報が不足していると、採用担当者に興味を持ってもらえません。 - 長すぎて要点がぼやける
長すぎると、何を伝えたいのかがわかりにくくなります。読みやすさを意識して適度な長さにまとめることが大切です。 - 感情や自己PRを入れすぎる
職務要約は事実に基づいた内容にし、感情的な表現や自己PRは控えめにしましょう。 - 事実関係が曖昧、具体性がない
成果や業務内容は具体的に書き、曖昧な表現を避けるようにします。
職務経歴書全体の構成
職務要約は職務経歴書の冒頭に記載されますが、全体の構成は以下のようになります。
- 職務要約(職務概要)
- 職務経歴(編年体・逆編年体・キャリア形式など)
- 資格・語学・活かせる経験
- 自己PR
職務経歴書の全体の流れを意識して、職務要約を適切に位置づけましょう。
まとめ・チェックポイント
職務要約は職務経歴書の最初に置かれる重要な部分です。自分の強みや実績を簡潔に、かつ具体的に伝えることが求められます。文字数は200~300字を目安に、応募企業に合わせてアピールポイントを調整しましょう。また、誤字脱字やレイアウトにも注意を払い、2ページ以内に収めることを心がけてください。
職務要約がしっかりと書けていれば、採用担当者はあなたの職務経歴書をもっと詳しく読み進めたくなります。そのためには、実績や業務内容を数値で示し、企業のニーズにマッチした内容を盛り込むことが成功への鍵です。
「職務要約・職務概要は、採用担当者が最初に目を通す重要なパート。簡潔かつ具体的に、自分の強みと応募先企業との接点を伝えることが、選考突破のカギとなります」
職務要約を上手に書くことで、あなたの魅力を最大限に伝え、採用担当者の心を掴みましょう。