デザイナー職の職務経歴書は、他の職種と比べても特に工夫が必要な部分が多いです。職務経歴書は単に「どんな仕事をしてきたか」を伝えるだけでなく、自分のスキルや実績を「どれほど効果的にアピールできるか」が成功のカギとなります。特に、デザイナー職の場合、プロジェクト単位での経験や役割、成果をどのように記載するかが重要です。
本記事では、デザイナー職の職務経歴書の基本的な構成や書き方、アピールポイント、職種別記載例、そしてポートフォリオとの併用方法について、具体的なアドバイスを提供します。
目次
デザイナー職の職務経歴書で重視されるポイント
デザイナー職の職務経歴書で最も重視されるのは、プロジェクトごとの経験、役割、成果を明確に伝えることです。採用担当者は、どのようなプロジェクトに携わり、どんな役割を果たしたのかを知りたいと考えています。以下に、具体的なアピールポイントを挙げてみましょう。
プロジェクトごとの経験・役割・成果を明確に
デザイナーとしての実績を評価する際、プロジェクトの規模や内容が重要なポイントとなります。どんなプロジェクトに関わり、あなたがどのような役割を果たしたのかを詳細に記載しましょう。例えば、**プロジェクトの概要や規模(メンバー数や受注金額など)**を明記することで、担当した案件の重要性を示すことができます。これにより、あなたがどれだけ幅広い案件に対応できるかを証明することができます。
使用ツール・技術・スキルを詳細に
デザイナー職では、使用したソフトウェアや技術について具体的に記載することも大切です。Photoshop、Illustrator、Figma、XD、HTML/CSSなど、実務で使用したツールや言語を列挙し、それぞれどの業務でどれくらいの頻度で使用したかを示しましょう。これにより、技術的なスキルがどれほど実務に活かされているのかを具体的に伝えることができます。
成果・実績は数値やエピソードで
デザインの成果は数値やエピソードで具体的に示すと、説得力が増します。例えば、Webデザインの場合は、コンバージョン率(CVR)向上や売上増などの成果を数字で示すと、実績がより明確に伝わります。また、クライアントからの追加受注や顧客からの好評をエピソードとして盛り込むことも、実績を強調する有効な方法です。
ポートフォリオとの併用が必須
デザイナー職の場合、職務経歴書だけでなく、実際の成果物をまとめたポートフォリオも必須です。職務経歴書では、「どんな案件で何を担当したか」を記載し、ポートフォリオでは実際のデザインを見せることが基本です。職務経歴書で自分のスキルや役割を伝え、ポートフォリオでそれを実際に証明することで、あなたの実力がより明確に伝わります。
職務経歴書の基本構成と書き方
職務経歴書の構成はシンプルでありながら、どの情報をどの順番で記載するかが重要です。デザイン業界では、業務内容やプロジェクト単位での成果が重視されるため、以下の構成を基本に書き進めることをおすすめします。
タイトル・日付・氏名
職務経歴書の最上部には、タイトルとして「職務経歴書」と記載し、右上に日付と氏名を記載します。これにより、最新の情報を提供することができます。
職務要約
職務要約は、これまでのキャリアを簡潔にまとめた部分です。3~5行で、主なスキルや経験を簡潔に紹介します。例えば:
例:
「○○株式会社でWebデザイナーとして5年勤務。ECサイトやコーポレートサイトのUI/UXデザイン、バナー制作、コーディングまで幅広く担当。Photoshop、Illustrator、HTML/CSSを実務レベルで使用」
職務経歴(プロジェクト単位で記載)
職務経歴では、各プロジェクトの詳細をプロジェクトごとに記載します。各プロジェクトについて、以下の情報を整理します。
- 期間:プロジェクトが行われた期間
- 会社名:勤務した会社名
- 事業内容:会社の業務内容
- 担当業務:具体的に担当した業務
- 使用ツール:使用したツールやプログラミング言語
- 成果・実績:プロジェクトで達成した成果や数値
例:
- 2022年4月~現在 ○○株式会社
- プロジェクト概要:大手化粧品会社ECサイトのキャンペーンLP・バナー制作
- 担当業務:デザイン全般・コーディング・進行管理
- メンバー数:5名
- 成果:CVR15%向上、追加受注獲得
- プロジェクト概要:大手化粧品会社ECサイトのキャンペーンLP・バナー制作
スキル・資格
使用可能なデザインソフトや言語、PCスキル、資格を箇条書きで記載します。
例:
- Photoshop(実務5年)
- Illustrator(実務5年)
- XD(2年)
- HTML/CSS(3年)
- 色彩検定2級
- DTPエキスパート
自己PR
自己PRでは、あなたがデザインで意識していることや、課題解決の工夫、チームでの連携力、納期遵守や顧客対応力などをエピソードで記載します。実際の数字や具体的な反応を盛り込むことで、説得力を増すことができます。
デザイナー職ならではのアピールポイント
デザイナー職では、単に技術的なスキルを示すだけでなく、デザインに対する考え方や取り組み姿勢も大きなアピールポイントとなります。
美的センスや色彩感覚、ユーザー視点
「ユーザーの行動分析をもとにデザインを改善」「アクセシビリティやユーザビリティを意識した設計」など、デザインの意図や工夫を明記することが大切です。ユーザーのニーズを理解し、それをデザインに反映させる能力が求められます。
コミュニケーション・調整力
デザイン業務はチームで進めることが多く、営業やディレクター、クライアントとのやりとりが重要です。進行管理やトラブル対応などのコミュニケーション能力や調整力も重要なアピールポイントです。
根気・柔軟性・向上心
デザインの仕事では、ダメ出しや修正対応、納期調整など、柔軟に対応する力が求められます。また、自己研鑽への姿勢も大切です。これらの姿勢をアピールすることで、信頼を得ることができます。
グラフィックデザイナー・Webデザイナーの違いと記載例
デザイナー職でも、Webデザイナーとグラフィックデザイナーでは求められるスキルや経験が異なります。
Webデザイナー
Webデザイナーは、WebサイトやLP、バナー、UI/UXデザイン、コーディング経験が重視されます。また、アクセス解析やマーケティング視点の有無も大きなポイントです。
グラフィックデザイナー
グラフィックデザイナーは、**印刷物(ポスター、パンフレット、パッケージなど)**の制作実績が重視されます。受賞歴やクライアントの業種、案件規模、DTPスキルも重要な要素となります。
職務経歴書作成の注意点・コツ
プロジェクト数が多い場合は抜粋し、全体の経験件数も記載
プロジェクトが多い場合は、すべてを記載するのではなく、代表的なものを抜粋して記載します。「5年間で30件の案件を担当」など、全体の経験件数も合わせて記載することで、あなたの豊富な経験をアピールできます。
成果物のURLやキャプチャを記載
Webデザインの場合、成果物のURLを記載したり、紙媒体の場合はポートフォリオで補足することが重要です。これにより、実際のデザインを確認してもらうことができます。
2~3枚以内にまとめ、見やすいレイアウトを心がける
職務経歴書は、2~3枚以内に収めることを目指しましょう。情報を整理し、見やすいレイアウトを心がけることで、採用担当者に好印象を与えることができます。
サンプル・テンプレート・便利ツール
多くの転職エージェントでは、Word形式やPDFの職務経歴書テンプレートを提供しています。また、dodaなどではレジュメビルダーといった便利なツールを利用することもできます。
まとめ・チェックリスト
- プロジェクトごとに「概要・役割・成果・使用ツール」を明記
- 実績は数字やエピソードで具体的に
- スキル・資格は応募先に合うものを厳選
- ポートフォリオと職務経歴書を必ずセットで提出
- 見やすいレイアウト・2~3枚以内にまとめる
デザイナー職の職務経歴書は、プロジェクト単位での経験・成果とスキルを“具体的かつ整理された形”で伝えることが最重要です。ポートフォリオとの併用で、実力と実績を最大限にアピールしましょう。