職務経歴書の資格欄は、応募先企業に自分の専門性やスキルをアピールする重要な部分です。資格や免許は、あなたの能力や経験を客観的に証明する手段として、採用担当者に強い印象を与えることができます。しかし、資格欄をどう書くかによって、その印象が大きく変わるため、正しい書き方と記入例を理解しておくことが大切です。本記事では、職務経歴書における資格欄の書き方を徹底的に解説します。
目次
資格欄の基本ルールとマナー
業務に関連する資格・免許を優先して記載
職務経歴書で最も重要なのは、応募先企業や職種に関連する資格を記載することです。資格欄に記載する資格は、過去の業務経験に役立ったものや、応募職種で必要とされるものを優先しましょう。関連性の薄い資格は省略し、アピール度の高いものを優先することで、職務経歴書全体を簡潔に、かつ効果的に仕上げることができます。
資格・免許は正式名称で書く
資格や免許は、省略せずに正式名称で記載します。略称や略語を使ってしまうと、採用担当者に正確に伝わらない場合がありますので注意が必要です。例えば、「日商簿記検定2級」や「TOEIC公開テスト800点」など、正式名称で記載することを心がけましょう。
取得年月も記載し、表記は統一する
資格や免許の取得年月を記載する際は、西暦または和暦のどちらかを選び、職務経歴書全体で統一します。取得(合格)した順に書くのが基本的なルールです。また、資格取得日がわからない場合は「年ごとに取得」という形式で記載し、精確性を保つようにしましょう。
履歴書と同じ資格を記載する
職務経歴書と履歴書で資格欄が異なると不信感を与える場合があります。そのため、基本的には履歴書と職務経歴書で記載内容が一致するように注意しましょう。両方で異なる資格を記載していると、整合性に欠ける印象を与え、信頼性が損なわれます。
資格欄の記入例
資格欄に記載する内容を具体的に理解してもらうため、以下の記入例を挙げます。
【資格・免許】
- 2022年4月 普通自動車第一種免許 取得
- 2023年6月 日商簿記検定2級 合格
- 2024年3月 TOEIC公開テスト 800点取得
【勉強中・取得予定の場合】
- 2025年6月 秘書技能検定2級 受験予定(現在勉強中)
【失効した資格の場合】
- 2020年3月 危険物取扱者(失効)
職種別・業界別の資格記載例
資格欄の内容は職種や業界によって異なります。以下に、主要な業界や職種における代表的な資格記載例を示します。
経理・財務職
- 日商簿記検定2級
- ビジネス会計検定
- TOEIC
営業・事務職
- MOS(Microsoft Office Specialist)
- 秘書検定
- 普通自動車免許
IT・エンジニア職
- ITパスポート
- 基本情報技術者
- 応用情報技術者
- TOEIC
不動産・建築職
- 宅地建物取引士
- 建築士
語学系職
- TOEIC
- 英検
- 日商ビジネス英語検定
PCスキルや特定スキルの書き方
PCスキルや語学資格も職務経歴書で評価されやすいため、職種に関係なく記載することをお勧めします。特に、MOS(Microsoft Office Specialist)やTOEICなどは、企業側が注目する資格です。これらを積極的に記載し、資格欄を充実させましょう。
PCスキル例
- Word:文書作成、差し込み印刷
- Excel:関数、マクロ、ピボットテーブル
- PowerPoint:プレゼン資料作成
勉強中・取得予定の資格もアピール材料に
現在勉強中や受験予定の資格も、職務経歴書でアピールすることができます。資格取得に向けた努力やキャリアアップの意欲を示すために、以下のように記載しましょう。
例:
「現在、簿記3級の取得を目指して勉強中。2024年12月に受験予定。」
勉強中の資格を記載することで、積極的にスキルアップを目指している姿勢が伝わり、成長意欲をアピールできます。また、その資格が応募先企業にどのように役立つかを簡単に補足すると、より好印象です。
失効資格・多数の資格の扱い
失効資格は「失効」と明記すれば、アピール材料として記載することができます。例えば、資格が失効した理由や、その資格を取得した当時の業務にどのように役立ったかを補足すると、採用担当者に納得感を与えることができます。
資格を多数保有している場合は、応募先企業や職種に関連する資格を優先し、アピールしたい順に並べるのが効果的です。例えば、応募先の職種に直結する資格を上位に配置し、関連性の低い資格は下位に記載することで、職務経歴書が読みやすくなります。
資格・スキル欄と「生かせる経験・知識・技術」欄の違い
職務経歴書には、「資格・免許」欄の他に「生かせる経験・知識・技術」欄もあります。これらは別々の項目であるため、記載内容をしっかり区別することが大切です。
- 資格・免許欄には、外部から評価された客観的な証明(合格証明や取得証明書があるもの)を記載します。
- 生かせる経験・知識・技術欄には、資格以外の実務経験やスキル(例えば、プロジェクト経験やITスキル)を記載します。
このように、資格・免許欄と技術的な経験欄を分けて記載することで、より具体的に自分のスキルを伝えることができます。
書き方の注意点・チェックリスト
- 資格・免許は業務に関連するものを優先して記載し、正式名称・取得年月を明記する。
- 取得予定や勉強中の資格もアピール材料になる。
- 失効資格は「失効」と明記する。
- 保有資格が多い場合は、関連度・アピール度順に並べる。
- PCスキルや語学資格も積極的に記載。
- 履歴書と同じ資格を記載し、表記を統一する。
まとめ
職務経歴書の資格欄は、あなたの専門性や意欲を客観的にアピールできる重要なパートです。応募先や職種に合わせて、正式名称・取得年月を明確に記載し、勉強中や失効資格も工夫して活用することで、より強力なアピールができます。資格欄をうまく活用することは、あなたの強みを最大限に伝える手段となります。