履歴書・職務経歴書 職種別転職ガイド

公務員の職務経歴書の正解はこれ|書き方・見本・評価されるポイントを完全整理

目次

はじめに

公務員の職務経歴書は、これまで担当してきた業務名を時系列で並べるための書類ではありません。

実際に見られているのは、どんな状況の中で仕事に向き合い、何を考えて判断し、その結果として何が変わったのかが、読み手に具体的に伝わるかどうかです。

業務内容を細かく説明することよりも、工夫した点や改善の過程、その先に生まれた成果が自然とイメージできる形に整理できているかを意識して作成することが大切です。

公務員の仕事は、民間企業と比べて成果が見えにくく、数字で示しづらいと思われがちです。

ただ、実際の現場を振り返ってみると、窓口での対応ひとつでも、限られた時間の中で判断を求められたり、事務処理でもミスを防ぐための工夫や優先順位付けがあったり、関係部署との調整業務や制度の運用では、状況に応じた対応力が問われる場面が多くあります。

そうした中で積み重ねてきた判断や対応を、曖昧な言葉のまま書いてしまうと、「真面目に働いてきた人」という印象は残っても、具体的な評価にはつながりにくくなってしまいます。

ここでは、公務員の職務経歴書について、どんな考え方で書式を選べばよいのか、日々の業務をどうまとめ直せばよいのか、評価されやすい書き方とつまずきやすいポイントを、順を追って整理していきます。

履歴書との違いがよく分からない方や、何を書けばいいのか分からず手が止まっている方でも、読み進めるうちに、自分の経験をそのまま形にできるような内容になっています。

公務員の職務経歴書と履歴書の違い

履歴書は事実確認の書類であり、職務経歴書は評価のための書類です。公務員の場合もこの役割は変わらず、勤務先や在籍年数、異動歴といった情報は履歴書で足ります。一方で、職務経歴書では「その立場で何を任され、どう動き、どんな結果につながったのか」が問われます。

履歴書だけでは足りないと感じやすい理由

履歴書は、勤務先や在籍期間などの事実関係を確認するための書類で、職務経歴書は、その人がどのように仕事に取り組んできたかを評価するための書類です。この役割の違いは、公務員であっても変わりません。どこに勤めていたか、何年在籍していたか、どんな異動があったかといった情報は、履歴書を見れば十分に分かります。

それに対して職務経歴書で見られるのは、配属された立場や役割の中で、どんな業務を任され、どのように考えて行動し、その結果として何が生まれたのかという点です。ただ所属や担当名を書くのではなく、そのポジションでどんな判断や対応をしてきたのかが、具体的に伝わるかどうかが問われます。

人事が職務経歴書で見ているポイント

職務経歴書では、日々の業務にどんな考え方で向き合ってきたのか、その姿勢に一貫性があるかどうかや、同じような状況に直面したときに、再び同じレベルの対応ができる行動を取れているかが見られています。場当たり的に対応していたのか、それとも自分なりの判断基準を持って動いていたのかが、文章から伝わるかどうかがポイントになります。

たとえば窓口業務の場合でも、単に「〇件対応した」という事実より、問い合わせが集中しやすい時間帯や内容を整理し、説明方法を見直したり、関係部署と事前に情報を共有したりして、結果として問い合わせを減らした経験などが評価につながります。

公務員として何年働いてきたか、どんな業務を経験したか以上に、その経験を通じて何を考え、どのように活かしてきたのかが、判断の軸になります。

公務員の職務経歴書に書式の決まりはある?

公務員の職務経歴書には、「必ずこの形でなければいけない」という決まった公式書式はありません。国家公務員でも地方公務員でも、この点は同じで、評価されるかどうかは書式そのものよりも、内容が読みやすく、頭にすっと入ってくるように整理されているかどうかで決まります。

どのフォーマットを使うべきかと悩み続けるよりも、これまでの経歴や業務の流れが自然に伝わり、読み手が状況を想像しやすい形を選ぶことのほうが大切です。自分の経験を一番分かりやすく届けられる形は何か、という視点で書式を選ぶことが、結果的に評価につながります。

編年体・逆編年体・スキル式の違いと選び方

職務経歴書には、主に「編年体」「逆編年体」「スキル式」という3つの書き方があります。まずこの違いを知っておかないと、どれを選べばいいのか判断しにくくなります。

編年体は、過去から現在に向かって、配属や担当業務を順番に並べていく書き方です。最初にどんな部署に配属され、どのように異動しながら経験を積んできたのかが分かりやすい反面、直近の業務内容が後ろに来るため、今のスキルや判断力がやや伝わりにくくなることがあります。

逆編年体はその逆で、現在の配属先や直近の業務内容から書き始め、過去へとさかのぼっていく形式です。今どんな立場で、どんな仕事を任されているのかを最初に伝えられるため、読み手が状況を把握しやすく、公務員の職務経歴書では最も使われることが多い書き方です。異動や担当変更が多い場合でも、現在のスキルや考え方を中心に見てもらいやすくなります。

スキル式は、時系列ではなく、担当してきた業務内容や分野ごとに経験をまとめて書く方法です。特定の制度運用や専門分野に長く関わってきた場合には、その強みを分かりやすく示せる一方で、どの部署でどの順番で経験を積んできたのかという流れは見えにくくなります。そのため、異動歴が多い公務員の場合は、かえって経歴が分かりづらく感じられることもあります。

このように、それぞれの書き方には特徴があり、自分の経歴や伝えたいポイントに合った形式を選ぶことが大切になります。

国家公務員と地方公務員で書き方は変わるのか

基本的な考え方は共通しているため、国家公務員か地方公務員かによって、書き方そのものを大きく変える必要はありません。違いが表れやすいのは、実際の業務内容をどう言葉にするかという点です。

国家公務員の場合は、制度の運用や関係機関との調整業務が中心になりやすく、地方公務員の場合は、住民対応や現場に近い業務が多くなる傾向があります。ただ、どちらも仕事の中身を丁寧に振り返ると、その場の状況を見極めて判断したこと、関係者との間で調整を行ったこと、より良くするために改善したことが必ず含まれています。そうした要素を「判断・調整・改善」という視点に置き換えて整理すれば、立場が違っても共通の書き方でまとめることができます。

WordとPDF、どちらで提出するのが無難か

提出形式の指定が特にない場合は、まずWordで作成し、提出する際にPDFに変換する方法がいちばん安心です。Wordのまま送ると、相手のパソコン環境によって文字の位置がずれたり、改行や余白の見え方が変わってしまうことがあります。その点、PDFにしておけば、こちらで整えたレイアウトのまま相手に見てもらえるため、余計な心配をせずに済みます。

読みやすさを保てることに加えて、「開いたら崩れていた」といったトラブルを防げるという意味でも、Wordで作ってPDFで提出する方法は、最も安定した選択と言えます。

職務経歴書の基本構成と考え方

公務員の職務経歴書は、たくさんの情報を書き込めば書き込むほど評価が上がるものではありません。それよりも、採用担当者が途中で立ち止まることなく、「どんな経験を積んできた人なのか」を自然に理解できる順番で並んでいることが何より大切です。

あらかじめ基本となる構成を意識しておけば、経験や異動が多い人でも、逆に職歴が少ない人でも、話があちこちに散らばることなく、落ち着いた形にまとめることができます。採用担当者の頭の中に、すっと全体像が浮かぶかどうかがポイントになります。

必ず入れる項目と、無理に書かなくていい項目

必ず入れておきたいのは、職務要約、勤務先や所属部署、担当してきた業務の内容、そしてその中で出した実績や工夫した点です。この4つがそろっていれば、採用担当者が判断するために必要な情報は十分に伝わります。

反対に、部署の細かな組織構成を詳しく説明したり、日々の業務と直接関係のない背景まで書き込んだりする必要はありません。職務経歴書は業務の手順を説明する資料ではなく、これまでの経験の中で押さえるべきポイントを分かりやすく伝えるための書類だからです。

職務要約は何行くらいが読みやすいか

職務要約は、3〜5行ほどに収めるのがちょうどよい分量です。ここで情報を詰め込みすぎて長くなってしまうと、この先の本文に目を通してもらいにくくなってしまいます。

どの分野の業務に携わり、どんな立場で、どのような役割を担ってきたのかが、ひと目で分かるようにまとめておくと、採用担当者は最初の段階で全体像をつかみやすくなります。

異動が多い公務員の職務経歴のまとめ方

異動が多い場合は、すべての配属先を同じ細かさで並べて書く必要はありません。共通して担当してきた業務内容や役割ごとに整理することで、全体が分かりやすくまとまります。

たとえば、複数の部署で窓口対応を担当していた場合でも、部署名ごとに細かく分けるのではなく、どのような問い合わせに対応してきたのか、どんな工夫を重ねてきたのかといった点を軸にまとめると、経験の流れや一貫性が自然と伝わります。

業務内容はどこまで具体的に書くべきか

業務内容は、どこまで詳しく書いているかよりも、「どう伝わるか」で印象が大きく変わります。公務員の職務経歴書では、担当してきた業務を漏れなく並べることよりも、その中でどんな判断をし、どう行動してきたのかが読み取れるところまで、具体的に書けているかどうかが評価に直結します。

「〇〇業務に従事」だけでは伝わりにくい理由

「窓口業務を担当」「事務処理に従事」といった表現だけでは、実際の仕事の中身までは採用担当者に伝わりません。来庁者からの制度に関する相談にその場で判断しながら対応していたのか、決まった内容を分かりやすく説明する役割だったのか、あるいは関係部署と調整しながら手続きを進めていたのかによって、求められる判断力や対応力は大きく変わります。

同じ「窓口業務」でも、1日何件程度の相談を受けていたのか、複雑な制度説明や苦情対応が含まれていたのか、書類不備を防ぐために説明方法を工夫していたのかなど、一段具体化するだけで、仕事の難易度や役割がはっきりします。内容を少し掘り下げて、どんな場面で、どんな立ち位置で動いていたのかが想像できる形にすることが大切です。

窓口・事務・調整業務をどう言い換えるか

窓口業務であれば、「対応していた」という一言で終わらせるのではなく、1日あたり何件ほどの来庁や問い合わせがあったのか、相談内容にどんな傾向があったのか、想定外の質問やクレームが出たときにどのように対応していたのかを添えるだけで、仕事の重みが伝わり方が大きく変わります。たとえば、制度が分かりにくく混乱しやすい時期に、説明方法を工夫して問い合わせを減らした経験などは、判断力や対応力が具体的にイメージできます。

事務業務や調整業務の場合も、単に「処理を行っていた」と書くだけでは足りません。関係部署とどのようにやり取りをしていたのか、認識のずれや手戻りを防ぐためにどんな工夫をしたのか、結果として業務がスムーズになった点などを含めることで、受け身ではなく、自分で考えて動いていたことが自然に伝わります。こうした一段踏み込んだ書き方をすることで、業務の質や役割がはっきりと浮かび上がります。

数字が出せない仕事はどう表現すればよいか

すべての業務で、はっきりとした数値を出せるとは限りません。そのような場合は、仕事を通じて生まれた変化や影響を、言葉で示せば問題ありません。

たとえば、問い合わせが減った、対応にかかる時間が短くなった、業務が滞りなく進むようになったといった結果でも、そこに至るまでにどんな行動や工夫をしてきたのかとセットで書けば、十分に評価の対象になります。数字がなくても、仕事の成果はきちんと伝えられます。

評価されやすい公務員の実績・成果の書き方

実績や成果は、表彰を受けた経験や目立った成果である必要はありません。公務員の職務経歴書で見られているのは、日々の業務の中でどんな課題に直面し、それに対してどのように考え、どう改善を重ねてきたのかが、具体的に伝わるかどうかです。

成果がないと思ってしまう人が見落としやすい点

「成果がない」と感じてしまう方の多くは、成果を「数字で示せるもの」や「目に見える大きな実績」だけに限定して考えてしまっています。実際の公務の現場では、制度改正に合わせて運用方法を整理し直したことや、異動時に業務が滞らないよう引き継ぎ資料を整えたこと、住民対応のばらつきを減らして窓口対応を安定させたことなども、日々の仕事の中で積み重ねてきた立派な成果です。

トラブルが起きにくくなった、同じ内容の問い合わせが明らかに減った、繁忙期でも業務が止まらずに回るようになったといった変化は、偶然ではなく、これまで取ってきた行動や工夫の結果として生まれたものです。大きな評価や表彰がなくても、現場が「前より楽になった」「混乱しなくなった」と感じられる状態をつくれているのであれば、その経験には十分な価値があります。

改善・工夫・効率化はどこまで書いてよいのか

自分が主体的に関わった範囲であれば、遠慮せずに書いて問題ありません。「自分一人の成果ではない」と感じていても、実際に考えて動いた部分があれば、それは十分に職務経歴として評価されます。

たとえば、書類の探しにくさを感じて保管方法や並び順を見直した結果、確認作業にかかる時間が短くなった、案内資料の表現を整理したことで説明にかかる手間が減り、問い合わせが落ち着いた、業務手順を一覧にまとめたことで、異動後の引き継ぎがスムーズになった、といった小さな工夫でも問題ありません。大切なのは、何を変えたのか、その結果、現場がどう変わったのかが具体的に伝わることです。

指示された作業をそのままこなしていたのか、それとも「どうすればよくなるか」を考えて自分から動いていたのか。その違いが文章から読み取れるかどうかが、評価の分かれ目になります。

チーム業務の成果は自分の実績になるのか

チームで進めた業務であっても、その中で自分が担っていた役割がはっきりしていれば、実績として書いて問題ありません。大きな成果をチーム全体のものとしてまとめてしまうよりも、自分がどの立場で関わっていたのかを切り分けて伝えることが大切です。

たとえば、関係部署との日程調整や情報共有を担当していたのか、判断が必要な場面で意見を整理して上司に提案していたのか、進行が遅れている部分をフォローして全体が滞らないよう支えていたのかなど、自分が実際に動いていた部分に焦点を当てます。その結果、業務が円滑に進んだ、トラブルを未然に防げたといった流れが見えると、個人としての強みや役割が自然に伝わります。

自己PR欄で評価を下げやすい書き方

自己PR欄は、公務員の職務経歴書の中でも、書き方によって差が出やすい部分です。ここで評価を落としてしまうケースの多くは、アピール内容そのものが悪いのではなく、採用担当者が見ている評価の軸と、伝え方が噛み合っていないことに原因があります。

真面目さだけを強調してしまうケース

「責任感があります」「誠実に取り組んできました」といった表現だけでは、公務員として求められる基本的な姿勢として受け取られやすく、採用担当者の印象には残りにくくなります。多くの応募書類の中で同じような言葉が並ぶため、それだけではその人ならではの強みが見えてきません。

真面目さを伝えたい場合でも、たとえば締切が厳しい業務で進捗を細かく管理し、関係者にこまめに共有していたことや、判断に迷う案件で過去の事例や規定を確認したうえで対応案を整理していたこと、住民対応で感情的になりやすい場面でも冷静に話を聞き、トラブルを大きくせずに収めてきた経験など、具体的な行動として示すことが必要です。どんな場面で、どのように考えて動いたのかが伝わってこそ、その真面目さが強みとして評価されます。

抽象的すぎて伝わらない表現の例

「円滑に業務を進めた」「柔軟に対応した」といった言葉は使いやすい反面、それだけでは実際に何をしていたのかが採用担当者には伝わりません。どんな場面で、どんな問題や制約があり、その中で何を考えて動いたのかが見えなければ、評価のしようがないからです。

たとえば、関係部署ごとに認識が食い違って業務が止まりかけていた状況で、情報を整理して共通認識を作り直したのか、急な制度変更で住民からの問い合わせが増えた際に、説明資料を整えて対応を統一したのか、繁忙期に人手が足りない中でも優先順位を見直して期限内に処理を終えたのか、といった具体的な課題と行動があって初めて「円滑」「柔軟」という言葉に意味が生まれます。

どんな課題に直面し、どんな工夫や判断を行い、その結果、業務がどう変わったのかまでを書いてこそ、自己PRとして評価につながります。抽象的な言葉を、そのままにせず、実際の行動が思い浮かぶところまで落とし込むことが大切です。

公務員らしさを出しすぎた場合の影響

公務員らしい堅い表現に寄せすぎてしまうと、「規定どおりに処理していた人」という印象だけが残りやすく、主体性や判断力が見えにくくなってしまいます。「法令に基づき適切に対応した」「所定の手続きを実施した」といった表現だけでは、実際にどんな場面で、どのように考えて動いていたのかが想像しづらいからです。

制度やルールを守る姿勢は、公務員として当然の前提です。そのうえで、限られた人員や時間の中で、問い合わせが集中したときに優先順位をどう付けたのか、前例がはっきりしない案件にどう対応方針を立てたのか、関係者の意見が分かれた場面でどのように調整したのかといった行動を示したほうが、仕事の実態が伝わります。

「決まりを守っていた」だけで終わらせるのではなく、その決まりの中で何を工夫し、どんな判断をし、結果として業務や現場がどう変わったのかまで書けていると、採用担当者はその人の考え方や対応力を具体的にイメージできます。結果的に、そのほうが評価につながりやすくなります。

民間企業向けに書き換える際のポイント

公務員の職務経歴書を、そのまま民間企業に提出してしまうと、実際には十分な経験があっても、その価値がうまく伝わらないことがあります。公務の現場では当たり前だった業務や判断が、民間側の評価軸では読み取れず、「何をしてきた人なのか」が見えにくくなってしまうためです。

ここで必要なのは、実績を大きく見せたり、無理に言い換えて盛ったりすることではありません。民間企業がどんな視点で人材を見ているのかを意識し、その観点に合うように表現を整えることです。たとえば、調整や改善、判断といった要素が伝わる形に言葉を置き換えるだけでも、同じ経験が違った価値として受け取られるようになります。

そのまま出すと伝わりにくい表現

公務員の中では当たり前に通じていた用語や言い回しでも、民間企業の採用担当者には、実際の業務内容がうまく想像できないことがあります。制度名や部署名をそのまま並べただけでは、「結局どんな仕事をしていたのか」が見えにくくなってしまうためです。

たとえば、制度や事業の正式名称を書いていても、その背景や役割が分からなければ、読み手にとっては判断材料になりません。どんな目的の業務で、どんな立場で関わり、何を支えていたのかが伝わる言葉に置き換えることで、初めて仕事内容が具体的に浮かび上がります。民間に向けた職務経歴書では、内部用語をそのまま使うのではなく、業務の役割や価値が伝わる表現に整えることが大切です。

民間向けに言い換えると評価されやすい表現例

調整業務であれば「関係者との合意形成」、窓口対応であれば「顧客対応や課題解決」というように、実際に担っていた役割を軸に言い換えるだけで、仕事内容はぐっと伝わりやすくなります。たとえば、複数部署の意見を整理して方向性をまとめていたのか、住民や利用者の要望を聞き取り、制度の範囲内で解決策を提示していたのかといった点が見えると、仕事の中身が具体的に想像できます。

公務員特有の制度名や枠組みを前面に出すのではなく、その中でどんな力を使って仕事をしてきたのかに目を向けることが大切です。調整力、説明力、判断力、課題を整理して前に進める力など、実際に発揮してきた力に焦点を当てて表現すれば、民間企業の採用担当者にも価値が伝わりやすくなり、評価につながる内容になります。

「公務員出身」が不利にならない書き方

前例を重んじる姿勢やルールを守ることだけが強く伝わってしまうと、「決まった通りにしか動けない人」という印象を持たれやすくなります。公務員として当然求められる姿勢であっても、それだけが前に出てしまうと、柔軟性や判断力が見えにくくなってしまいます。

一方で、制度や規定といった制約が多い環境の中でも、業務が滞らないよう手順を整理し直した経験や、立場や意見の異なる関係者の間に入って調整役として機能してきた点を具体的に示せば、公務員出身であることは十分に強みになります。限られた条件の中でどう工夫し、どう改善してきたのかが伝わることで、「安定的に物事を前に進められる人材」として評価されやすくなります。

提出前に確認しておきたいチェックポイント

どれだけ完成度の高い職務経歴書でも、基本的なところでつまずいてしまうと、全体の評価を下げてしまうことがあります。内容が良いかどうか以上に、読み進める中で引っかかりを感じさせないかが重要です。

提出前の最終確認で意識したいのは、「ここはどういう意味だろう」「どこを見ればいいのだろう」と採用担当者が迷わずに読めるかどうかです。細かな表現や構成を整え、読み手が自然な流れで理解できる状態になっているかを確認することが、評価を落とさないための大切なポイントになります。

A4枚数・文字量の目安はどれくらいか

職務経歴書は、A4用紙で2枚以内に収めるのが無難です。1枚だけだと必要な情報が十分に伝わりにくく、反対に3枚以上になると、どこが重要なのか分かりづらくなってしまいます。

文字をぎっしり詰め込むのではなく、適度に余白を残し、視線が自然に上から下へ流れる状態が理想です。もし分量を調整する必要がある場合は、業務内容を細かく説明している部分から見直し、成果や工夫が伝わらない記述を優先的に整理すると、全体の印象を損なわずにまとめることができます。

採用担当者の目線で分かりづらくなりやすい箇所

専門用語や内部でしか使われない言い回しが続くと、内容に入る前に読むこと自体が負担になってしまいます。意味を一つひとつ考えながら読み進めなければならない文章は、それだけで理解しづらく感じられやすくなります。

初めてその業務に触れる採用担当者が読んだときに、どんな役割を担い、どんな流れで仕事をしていたのかが自然に思い浮かぶかどうかを基準に、表現を見直すことが大切です。言葉を少し置き換えるだけでも、仕事内容の伝わりやすさは大きく変わります。

誤解されやすい表現が残っていないか

「補助的に関わった」「一部担当した」といった書き方をしてしまうと、実際以上に関与の度合いが小さく見え、主体性が弱い印象を与えてしまうことがあります。自分では謙遜のつもりでも、採用担当者には「指示待ちで動いていたのではないか」と受け取られてしまうことも少なくありません。

そうならないためにも、どの業務のどの範囲を任されていたのかが分かるように表現を整えておくと安心です。全体の一部であっても、担当していた工程や役割が具体的に伝われば、責任を持って関わっていたことが自然に伝わります。関与の深さや立ち位置が正しくイメージできる言い回しにすることが大切です。

公務員の職務経歴書に関するよくある質問

職務経歴書は必ず提出する必要があるのか

募集要項で職務経歴書の提出が求められていない場合でも、あわせて提出しておいたほうが評価は安定しやすくなります。履歴書だけでは、勤務先や年数といった事実関係しか分からず、どんな仕事をどのように進めてきたのかまでは判断できないため、他の応募者と比較されたときに不利になりやすいからです。

特に公務員経験者の場合、職務内容が外からは見えにくい分、日々の業務や判断を自分の言葉で整理して示せるかどうかが、評価を大きく左右します。職務経歴書があることで、「どんな立場で、どんな役割を担い、どう考えて動いてきた人なのか」が伝わりやすくなり、履歴書だけでは補えない部分をしっかりカバーできます。

経験年数が短くても書けるのか

在籍年数がどれだけ長いかよりも、どんな経験をどれだけ濃く積んできたかが重視されます。たとえ在籍期間が短くても、その中で何を任され、どんな場面で考えて判断し、どのような工夫をしてきたのかが具体的に書かれていれば、十分に評価の対象になります。

「短かったから評価されない」ということはありません。限られた期間の中でも、責任を持って取り組んだ業務や、自分なりに考えて動いた経験がきちんと伝われば、その密度が評価されます。年数そのものより、中身が見えるかどうかが大切です。

ブランクや異動が多い場合の考え方

ブランクや異動がある場合でも、その理由や背景を落ち着いて整理して書けば、特に問題になることはありません。なぜその期間が生まれたのか、どんな事情や役割の変化があったのかが分かれば、採用担当者は状況を理解できます。

異動が多い場合は、配属先ごとに細かく分けるよりも、共通して担ってきた役割や、どの部署でも求められていた強みを軸にまとめると、経験全体に一貫性が生まれます。空白や変化を無理に隠そうとするよりも、その状況にどう向き合い、どんな姿勢で仕事を続けてきたのかが伝わるほうが、結果的に評価されやすくなります。

まとめ

公務員の職務経歴書でいちばん大切なのは、業務の数や肩書きの立派さではありません。「どんな状況の中で、何を考え、どのように動き、その結果どうなったのか」が、最初から最後まで一貫して伝わっているかどうかです。履歴書の延長として事実だけを並べるのではなく、そのときどきの判断や行動が思い浮かぶ形に整理できていれば、公務員・民間を問わず評価されます。

公務員の仕事は、一見すると定型的に見えやすい一方で、実際には調整や改善、業務を安定して回し続ける力が強く求められています。そうした強みを曖昧な言葉で終わらせず、「何を工夫し、どう変わったのか」という具体的な行動と結果に落とし込むことで、職務経歴書の説得力は大きく変わります。

書式や言い回しに迷ったときは、「この仕事を初めて知る人が読んでも、自分の役割や価値が想像できるか」という視点で見直してみてください。その基準で整えていくと、表現は自然と分かりやすくなります。

ここまでの考え方を踏まえて作成すれば、公務員として積み重ねてきた経験を正しく評価してもらえる職務経歴書になります。

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