転職や就職活動をする際に職務経歴書を作成するのは非常に重要です。特に、休職期間がある場合、どのように記載するべきか、またその休職理由や詳細をどこまで伝えるべきかに関しては悩むことが多いでしょう。休職期間は、病気療養や育児、留学など、さまざまな理由で発生しますが、これらをどのように職務経歴書に書けば、選考で不利にならずに済むかが問題です。本記事では、休職期間の正しい書き方や、記載時の注意点を徹底的に解説します。
目次
職務経歴書に休職期間は書くべきか?
まず、休職期間を職務経歴書に必ずしも書く義務はありません。しかし、休職期間が長期にわたる場合や、その休職から日が浅い場合、また休職理由が現在も影響している場合には、休職期間を記載することが推奨されます。なぜなら、休職期間を隠しておくと、後々リファレンスチェックや源泉徴収票などで発覚する可能性があり、その時点で信頼を損なってしまうリスクがあります。事前に伝えておくことで、採用担当者に誠実さを示すことができ、後々のトラブルを防げるのです。
また、休職期間を記載することは、自分のキャリアにおける空白期間を正直に示すことで、選考における信頼感を得るための一歩です。しかし、休職理由やその詳細が応募先にとって不安材料にならないか心配になることもあります。
休職期間を記載するメリット・デメリットと企業側の印象
メリット
休職歴を事前に伝えることで、選考プロセスや入社後のトラブル回避に役立つ点が多いです。特に、面接や選考時に突如として休職期間に関する質問をされて、慌てることを避けることができます。早めに説明しておくことで、企業側もその期間が必要だった理由を理解しやすく、心証を悪くする事態を防げます。
デメリット
一方、休職理由によっては、特に精神疾患や病気などの場合、選考で不利に働くことがあるかもしれません。企業によっては、休職歴を重視しない場合もありますが、精神的負荷が高い職種(営業職やIT業界など)では特に気にされることがあります。このため、休職理由をどう表現するかが選考通過のカギとなります。
職務経歴書での休職期間の書き方と記載例
休職期間は、簡潔に記載することが大切です。記載例を見てみましょう。
記載方法
「20XX年X月~20XX年X月 休職(療養のため)」など、期間と理由を簡潔に記載します。休職理由に関しては、病名や過度に詳細な説明は避け、簡単な表現にとどめましょう。例えば、「病気療養」「育児」「留学」などの表現で十分です。
例文
- 病気療養の場合:「2022年6月~2022年8月 病気療養のため休職(現在は良好で業務に支障はありません)」
- 療養の場合:「2021年8月~2022年1月 療養のため休職/医療知識の学習」
- 育児休職の場合:「2022年5月~2023年3月 育児休職/資格取得(TOEIC 800点取得)」
このように、休職期間を簡潔に記載することが求められます。なお、病気や怪我の場合には、必ず現状についても明記しておきましょう。「現在は完治しており業務に支障はありません」といった表現を加えることで、採用担当者に安心感を与えることができます。
休職期間中の活動や成長をアピールする方法
休職期間中に資格取得や自己啓発、ボランティアなどに取り組んだ場合、その活動を職務経歴書に記載することは非常にポジティブな印象を与えます。休職期間を単なる「空白期間」とせず、自分の成長や努力をアピールすることが大切です。
例えば、育児休職中に資格を取得したり、英会話のスキルを向上させたり、自己啓発に励んだ場合、その成果を具体的に記載すると良いでしょう。
記載例
- 「2022年5月~2023年3月 育児休職/資格取得(TOEIC 800点取得)」
- 「2022年6月~2022年8月 療養のため休職/専門書を読み解くことで医療知識を深めました」
これにより、休職期間が自己成長やスキルアップのために活用されたことを伝えることができ、選考において有利に働く可能性があります。
休職期間を記載しない場合のリスク・注意点
休職期間を隠すことは絶対に避けるべきです。職務経歴書において休職期間を記載しない場合でも、面接時や入社手続き時に説明を求められる可能性があります。記載しないことによって、後々経歴詐称として疑われるリスクもあるため、正直に伝える準備をしておくことが大切です。
また、休職期間を隠してしまうと、企業から「誠実さに欠ける」との印象を持たれる可能性があります。この点を避けるためにも、休職期間についてはできるだけ正直に、簡潔に記載することをお勧めします。
休職中に転職活動をする際の注意点
休職中に転職活動を行うこと自体は問題ありませんが、特に体調不良や病気療養中の場合、まずは回復を最優先にし、体調が整ってから転職活動を始めることが理想です。どうしても転職活動を進めたい場合は、応募書類に休職中であることを明記し、現在の状況(復職予定や通院頻度など)も伝えることが望ましいです。
休職中でも、自分のスキルや経験を活かすことができる職場を見つけることは可能ですが、その際には無理をせず、自分に合ったペースで活動を進めましょう。
まとめ ~休職期間は正直かつ簡潔に、現状と成長も伝えよう~
職務経歴書に休職期間を記載するかどうかは、状況によって異なりますが、長期や直近の休職、現状に影響がある場合は「簡潔に・正直に・現状も添えて」記載することが信頼を築く鍵となります。休職期間中の成長や努力も積極的にアピールし、選考で不利にならない工夫をしましょう。
休職期間は「空白」ではなく、自己成長や回復の時間として前向きに伝えることが大切です。職務経歴書では簡潔に、現状や今後の勤務に支障がないことを明記し、信頼される応募者を目指しましょう。