目次
1. 経理職の職務経歴書で重視されるポイント
経理職の職務経歴書では、いくつかの重要なポイントがあります。これらを押さえることで、採用担当者に自分の強みを効果的に伝えることができます。
1.1 経理処理の実務能力や経験年数
経理職では、仕訳入力、帳簿管理、月次・年次決算、財務諸表作成、税務申告、監査対応など、幅広い業務が求められます。自分がどの業務をどのレベルまで経験しているかをしっかりと示すことが必要です。具体的には、どの業務を担当したかやその規模、期限内にどれだけ正確に処理したかを記載します。
1.2 企業規模・業種・担当範囲の明示
企業規模や業種によって会計処理の難易度や業務範囲が異なります。例えば、大企業の経理部門で担当した業務と、中小企業で行った業務では求められるスキルや役割に違いがあります。自分がどのような企業規模でどの範囲の業務を担当していたのかを明示することで、経理処理の経験の広さや深さを示すことができます。
1.3 会計ソフトやERPシステムの使用経験
会計ソフトやERPシステムの使用経験は、経理職において非常に重要です。勘定奉行、freee、SAPなど、使用したソフトやツールは具体的に記載しましょう。これにより、採用担当者が即戦力として活用できるかどうかを判断しやすくなります。
1.4 業務改善やプロジェクト推進の経験
経理職は、単なるルーティンワークだけでなく、業務効率化やシステム導入などにも積極的に取り組む姿勢が求められます。業務改善の提案やプロジェクトのリーダー経験など、主体的に取り組んだ業務をアピールすることが重要です。
1.5 正確性・責任感・コミュニケーション力
経理職は、数字に基づいた正確な作業が求められます。誤字脱字や日付ミスなど、細部にわたる注意力も評価の対象となります。また、経理部門は他の部署と連携を取りながら業務を進めるため、コミュニケーション力も重要です。職務経歴書で自分の正確性や責任感、チームワークをアピールしましょう。
2. 職務経歴書の基本構成と記載例
経理職の職務経歴書は、以下の基本的な構成を守りながら、自分の経験をしっかりと伝えることが大切です。
2.1 職務要約
職務要約は、これまでの経理経験や強みを3~5行程度で簡潔にまとめる部分です。ここでは、自分がどのような経理業務を担当し、どのような成果を挙げたかを強調します。
記載例: 「2015年より上場メーカーにて経理部門を担当。仕訳入力、月次・年次決算、税務申告、監査対応まで一貫して経験。ERP導入や業務改善にも積極的に取り組み、マネジメント経験も有します。」
2.2 職務経歴
次に、各会社での職務経歴を時系列で記載します。企業名、事業内容、規模、在籍期間、担当業務、実績などを具体的に記載します。
記載例: 2020年4月~現在 株式会社○○○○(資本金10億円、売上高100億円、従業員300名、東証プライム上場) 経理部 経理課
担当業務:
- 仕訳入力、伝票起票、売掛・買掛金管理
- 月次・年次決算、連結決算、有価証券報告書作成
- 法人税・消費税申告、監査法人対応
- ERPシステム(SAP)導入プロジェクトリーダー
- 部下5名のマネジメント
実績:
- 決算早期化(従来7営業日→4営業日に短縮)
- ERP導入で月間残業時間30%削減
- 新会計基準への対応と制度設計
2.3 活かせる経験・知識・技術
経理職におけるスキルや知識、経験を記載します。これには決算、税務申告、監査対応、業務改善、マネジメントなど、応募先企業で活かせる経験を強調します。
記載例:
- 月次・年次決算、税務申告、監査対応の経験
- ERP(SAP)、勘定奉行、freee等の会計ソフト運用
- 業務改善・システム導入プロジェクト推進
- マネジメント(部下5名の育成・指導)
2.4 保有スキル・資格
資格やスキルは、会計ソフトやPCスキル、簿記資格などを具体的に記載します。これにより、採用担当者が即戦力として活用できるかどうかを判断しやすくなります。
記載例:
- 日商簿記1級(2018年取得)
- 税理士試験科目合格(簿記論・財務諸表論)
- TOEIC 730点
- Excel(VLOOKUP、ピボット、マクロ)、Word、PowerPoint
2.5 自己PR
最後に、自己PRを記載します。ここでは、自分の強みや成果、業務改善やプロジェクト経験を具体的に述べ、採用担当者に自分の価値を伝えます。
記載例: 「ERP導入プロジェクトのリーダーとして、社内調整からシステム選定・導入・運用まで一貫して担当。業務フロー見直しで決算早期化を実現し、残業時間も大幅に削減しました。今後はこれまでの経験を活かし、より高度な経理業務やマネジメントに挑戦したいと考えています。」
3. 採用担当者が注目するアピールポイント
経理職の職務経歴書で採用担当者が注目するアピールポイントは以下の通りです。
3.1 どの業務をどのレベルまで経験したか
月次・年次決算、税務申告、監査対応など、どの業務をどのレベルまで経験しているかを明確に記載することが重要です。実績や成果を数字で示すことで、具体的なスキルを証明できます。
3.2 業務改善やプロジェクト推進の実績
ERP導入や会計ソフトの切り替え、業務フローの改善など、主体的に取り組んだ業務改善の実績をアピールすることが高く評価されます。
3.3 会計ソフトやPCスキルの具体的なレベル
Excelの関数やマクロ、SAPなどの会計ソフトの具体的な運用スキルを記載し、実務でどのように活用したかを示しましょう。
3.4 企業規模や事業内容、上場区分などの明記
どの規模の企業で働いたのか、その企業がどのような事業を行っていたのかを記載することで、業務の難易度や範囲が伝わりやすくなります。
3.5 マネジメント経験や後輩指導の有無
経理部門でのマネジメント経験や後輩指導の有無も重要なアピールポイントです。部下を育成し、チームをまとめるスキルをアピールしましょう。
4. 実績・スキル・資格の具体的な書き方
4.1 実績はできるだけ数値化して記載
実績は数字で示すと、より説得力が増します。例えば、「決算早期化(7営業日→4営業日に短縮)」「月間残業時間30%削減」など、数値を使って成果を示すことが重要です。
4.2 会計ソフトやERPシステムは具体名とできることを明記
使用した会計ソフトやERPシステムを具体的に記載し、どのような業務でどのように活用したのかを明確にします。
4.3 資格は取得年月とともに記載
資格は、取得年月とともに記載することで、スキルアップの履歴がわかりやすくなります。
4.4 PCスキルは機能レベルまで具体的に
ExcelやWord、PowerPointの使用レベルも具体的に記載します。特にExcelの関数やマクロ、ピボットテーブルなどのスキルは強調すると良いでしょう。
5. 業務改善・プロジェクト経験の伝え方
5.1 プロジェクトの目的・役割・成果を明確に
業務改善やプロジェクト経験は、目的、役割、成果を明確に伝えることが重要です。プロジェクトの成果を数値で示すと、具体性が増します。
5.2 業務改善の工夫や結果を数値で示す
業務改善の過程や結果を数値で示すと、説得力が高まります。「請求書発行フローをシステム化し、月間工数15時間削減」など、どのように工夫したのかを説明しましょう。
5.3 エピソードで説得力を高める
プロジェクトや業務改善の具体的なエピソードを加えると、説得力が高まります。実際にどのような課題を解決し、どのように業務が改善されたのかを示しましょう。
6. 経理職の自己PRのコツと例文
6.1 正確性・責任感・迅速さ・改善意識を具体的なエピソードで
経理職では、正確性や責任感、迅速さが求められます。これらを具体的なエピソードを交えてアピールしましょう。
例:「日常業務のミス削減のため、承認フローをシステム化し、確認漏れをゼロにしました。」
6.2 部門間・他部署との連携やコミュニケーション力もアピール
経理部門は他の部署と連携して業務を進めることが多いため、コミュニケーション力も重要です。
例:「監査法人や他部署との調整を円滑に進め、決算スケジュールを守りました。」
6.3 未経験業務へのチャレンジや学習意欲もプラス評価
新しい知識やスキルの習得に意欲的な姿勢を示すことも重要です。
例:「新会計基準や税制改正にも積極的に対応し、最新知識の習得に努めています。」
7. まとめ
経理職の職務経歴書では、実績やスキルを具体的かつ数値で示し、採用担当者に自分の強みをしっかりと伝えることが重要です。会計ソフトやERPシステムの経験、業務改善やプロジェクト推進の実績、正確性や責任感などの強みを簡潔に記載し、採用担当者に即戦力としての魅力を伝えましょう。自己PRでは、成果や工夫、コミュニケーション力も盛り込むことで、他の応募者と差別化できます。