転職活動において職務経歴書を作成する際、企業の売上高を記載することが求められる場面があります。しかし、特に中小企業や非上場企業、さらには企業秘密やデータが非公開である場合など、売上高の情報を手に入れられないケースも多いです。こうした場合、職務経歴書にどのように記載すべきか、またどのようにアピールすれば良いのか迷う方も多いでしょう。この記事では、売上高がわからない場合の正しい対応方法とアピール方法を詳しく解説します。
目次
1. 売上高が不明な場合でも無理に記載しなくてよい
職務経歴書で売上高を記載する目的は、応募先企業に対して自分が関わっていた会社や部門の規模を伝えることにあります。売上高が不明な場合、無理に記載する必要はありません。
特に中小企業や非上場企業の場合、売上高が公開されていないことが多いため、無理に記載するのではなく、**「非公開」「不明」**と記載しても問題はありません。企業側もその点について理解しており、必ずしも売上高を記載しなければならないわけではないことを知っているため、正直に記載することが最も重要です。
また、企業情報が社外秘である場合、売上高に関する記載を避けることはむしろビジネスマナーに則った行動と言えます。無理に記載した場合、逆に信頼性に欠ける印象を与える可能性があるため注意が必要です。
2. 売上高の代わりに使える具体的な指標・アピール方法
売上高がわからない場合でも、代わりに業務の規模や成果を具体的な数字で示すことは十分に可能です。具体的な指標を活用することで、企業側に自分がどれだけ貢献したか、どのような結果を出したかをアピールできます。以下のような代替指標を活用してアピールすると効果的です。
代替指標の例と活用シーン
- 担当顧客数
顧客数は、あなたがどれだけ広範囲に渡って業務を行ったか、またはどれほどのクライアントと関わったかを示す指標です。
例:「法人顧客約50社を担当し、リピート率向上に寄与」 - 案件数・契約件数
自分が担当した案件数や契約件数を数値で示すことで、あなたの業務量や実績を伝えることができます。
例:「年間約200件の問い合わせ対応、満足度90%を記録」 - 商品の販売台数
具体的な商品の販売台数を示すことで、自分の貢献を定量的に表現できます。
例:「自部署での年間販売台数:約5,000台」 - 店舗数・拠点数
担当エリアや統括している店舗数なども業務のスケールを伝えるための有力な指標です。
例:「全国20店舗のうち、関西エリア5店舗を統括」 - 担当エリアの広さ
担当した地域やエリアの広さを示すことも、自分の業務範囲をアピールするのに有効です。
例:「関西全域を担当し、新規開拓エリアを拡大」 - 市場シェア・業界順位
所属企業が業界内でどの位置にいるかを示すことで、企業の規模感を伝えることができます。
例:「業界内売上第3位の企業に在籍」 - チーム人数
担当しているチームの規模を示すことで、リーダーシップやマネジメント能力をアピールできます。
例:「営業部門20名のチームリーダーとして実績を牽引」 - KPI・目標達成率
目標に対してどれだけ成果を上げたかを示すことは、あなたの実力を具体的に示す重要な指標です。
例:「目標達成率120%を3年連続で達成」
こうした指標を盛り込むことで、売上高が不明でも採用担当者に自分の貢献度や業務の規模をしっかり伝えることができます。
3. 売上高が不明な場合の記載例とNG例
売上高が不明な場合、以下のように代替指標を使ってアピールするのが効果的です。
参考にしたい記載例
- 「売上高は非公開のため未記載ですが、地域シェア上位の専門商社にて勤務」
- 「従業員約300名の中堅メーカーで販路拡大に貢献」
- 「担当案件数:年間約100件、顧客満足度90%を達成」
これらの記載例では、売上高を記載していなくても、企業での業務範囲や具体的な成果をしっかりと伝えています。
NG例
- 「売上高不明」とだけ記載して他の情報が何もない
- 数字や具体的な成果が一切ない抽象的な表現のみ
「売上高不明」とだけ記載して情報が欠けていると、採用担当者はあなたが何を成し遂げてきたのかを理解できません。そのため、具体的な成果や業務内容をしっかり記載することが重要です。
4. 売上高以外の情報を充実させるポイント
売上高が不明な場合は、他の項目でアピールできる情報を充実させることが大切です。以下の情報を強化することで、あなたの職務経歴書の説得力を高めることができます。
- 担当業務の範囲や役割
どのような業務を担当し、どの部分に貢献したかを具体的に記載しましょう。 - プロジェクトの規模
自分が関わったプロジェクトの規模や成果を記載することで、業務の範囲や影響力を示すことができます。 - チーム人数
どのようなチームで働き、どのようなリーダーシップを発揮したかを記載することも効果的です。 - 顧客数や担当エリア
自分が担当した顧客数やエリアの規模を伝えることで、業務の規模感をアピールできます。 - KPIや目標達成率
定量的に成果を示すことで、あなたの実績を強調できます。
業界内での会社の立ち位置や、自分が行った業務が企業全体に与えた影響なども、ストーリーとして盛り込むと説得力が増します。
5. 売上高が分からない場合の確認方法
もし可能であれば、過去の社内資料や上司、同僚に確認するのが最も正確な方法です。社内の資料や報告書、過去の決算報告書に売上高の情報が記載されていることもあります。
また、企業の公式サイトやIR情報(投資家向け情報)、業界紙などで調べることも一つの方法です。特に上場企業であれば、売上高が公開されている可能性が高いです。
それでもどうしてもわからない場合は、無理に記載しないという選択肢もあります。その際は「非公開」や「不明」と記載し、他の具体的な成果や指標でアピールしましょう。
まとめ
職務経歴書で売上高が分からない場合、無理に記載する必要はありません。正直に「非公開」や「不明」と記載し、代替指標(顧客数、案件数、目標達成率、チーム規模など)で業務の規模や成果をアピールすることが大切です。数字や具体的な成果を盛り込むことで、採用担当者にしっかりと自分の貢献度を伝え、選考を有利に進めることができます。