転職活動や再就職で提出する「職務経歴書」。内容の充実はもちろん大切ですが、「何枚にまとめるのが適切か?」という枚数の判断も、採用担当者に好印象を与えるうえで非常に重要です。枚数が少なすぎるとアピール不足、多すぎると冗長な印象を与えてしまうことも。
本記事では、職務経歴書の最適な枚数や、1枚・3枚以上になる場合の調整方法、読みやすくまとめるための書き方・レイアウトの工夫、そして提出時のマナーまでを詳しく解説します。
目次
職務経歴書の最適な枚数とその理由
結論から言うと、職務経歴書はA4サイズで2枚が最適です。履歴書が1枚に収まるのに対し、職務経歴書は自由形式で詳細な情報を伝えるため、2ページにわたって記載するのが一般的です。
なぜ2枚が最適なのか?
- 十分な情報量:職務要約、各社での業務内容、実績、スキル、自己PRまでを無理なく記載できる
- 読みやすい分量:採用担当者が一度に確認できるボリューム感
- ビジネスマナー:2枚でまとめるのが社会人としての配慮・資料整理力の表れになる
1枚だとどうなる?
- 情報不足によりアピールが弱くなる
- 経験値が薄い印象を与える可能性がある
- 内容が簡略すぎて、印象に残りにくい
3枚以上だとどうなる?
- 採用担当者にとって負担が大きくなる
- 話が散漫で要点が絞れていないと見なされる
- 読み飛ばされるリスクが上がる
例外として許容されるケース
- 30代後半~40代以上で多職歴・複数業務を経験している場合
- 専門職やプロジェクト単位での経歴記載が必要な場合
- 1社ごとの成果を明確に残したい場合
とはいえ、3枚までが上限と考え、それ以上になる場合は要点整理が必要です。
1枚や3枚以上になる場合の調整方法
【1枚にしかならない場合】
新卒・第二新卒・社会人経験が浅い場合は、1枚でも問題ありません。ただし以下の点を意識して、情報量を補う工夫をしましょう。
内容の充実方法:
- 研修・インターン・アルバイト経験の記載
- 学業やサークル活動での役割や成果
- 取得資格の学習プロセス
- 自己PRでの強みや将来像の補足
例:
大学で保育を専攻し、保育実習や地域イベントでの運営経験を通じて実践力を磨きました。アルバイトでは飲食店で接客を担当し、丁寧な対応を心がけてきました。今後はこの経験を活かし、保育士として子どもや保護者と信頼関係を築いていきたいと考えています。
【3枚以上になってしまう場合】
職歴が多い・部署異動が多い・アピール内容が豊富な場合は、内容が3枚以上になることもあります。その際は「見せ方」に工夫を加えましょう。
内容圧縮のテクニック:
- 応募先に関連の薄い職歴やスキルは1行程度に要約
- 「業務内容+実績+スキル」は箇条書きで簡潔に
- 不要な修飾語や同義反復をカット
- 古い職歴は詳細より職務概要のみにとどめる
- 成果の羅列は**「成果」→「数字」で強調**
どうしても3枚になるときの対応:
- ページ番号(例:「1/3」「2/3」)を振る
- 全体のレイアウトを整え、読みやすさを最優先
- 不安であれば面接時に説明できるように補足資料を別途用意
枚数をまとめるための書き方・レイアウトの工夫
● 行間・余白・フォントサイズ
- フォントサイズは10~12pt
- 行間は1.2~1.5倍を目安に
- 余白は上下20mm・左右25mm程度を確保
詰めすぎて見づらくなると逆効果になるため、読みやすさを優先しましょう。
● 見出し・箇条書き・番号で整理
- 職務経歴の社名ごとに見出しを設定
- 各業務は「●」「■」などで箇条書き
- 成果やエピソードは数字で強調(例:「売上10%UP」)
● 応募先ごとの内容調整
全ての職歴を丁寧に書くのではなく、応募先企業で求められている職務やスキルに関連する内容を詳しく記載し、他は簡潔に。
提出時のマナーと注意点
● クリップ留めが基本(ホッチキスNG)
複数枚の職務経歴書は、原則クリップでまとめて提出します。ホッチキスは読みづらさ・コピー時の不便を招くため避けましょう。
● ページ番号を振る
3枚までになった場合は、ページ下部にページ番号(例:「2/3」)を記載しておくとバラバラになるのを防げます。
● A4サイズで統一
履歴書・職務経歴書・添付書類すべてA4で統一すると、採用側の保管・閲覧がスムーズになります。
● クリアファイルで提出
印刷した書類は折れないようにクリアファイルに入れて提出するのがマナー。郵送の場合も封筒内にクリアファイルを使用します。
まとめ
職務経歴書の枚数は、内容と読みやすさのバランスが重要です。A4で2枚が基本かつ最適とされており、自己PRや実績をしっかり伝えるにはちょうど良い分量です。
- 1枚でもOKだが、内容を充実させる工夫を
- 3枚までなら許容範囲だが、読みやすく要点を絞ること
- ページ番号・クリップ留め・A4統一などマナーも大切
応募先に合わせた内容整理とレイアウトで、**「読まれる職務経歴書」**を目指しましょう。読み手の負担を考えた構成こそが、選考突破への第一歩です。