履歴書・職務経歴書

薬剤師の職務経歴書の書き方・記入例|評価されるアピールポイントと実践フォーマット

薬剤師としての転職や就職活動において、職務経歴書は非常に重要な書類です。どのように自分の経験を職務経歴書に反映させ、採用担当者に伝えるかが、選考通過に大きな影響を与えます。しかし、薬剤師の業務は非常に多岐に渡り、勤務先(病院、調剤薬局、ドラッグストアなど)によって求められるスキルや経験も異なるため、職務経歴書の書き方にも工夫が必要です。本記事では、薬剤師の職務経歴書を効果的に書くためのポイントと具体的な記入例をご紹介します。

1. 薬剤師の職務経歴書で重視されるポイント

薬剤師としての職務経歴書では、以下の要素を意識して記載することが重要です。

1.1. 勤務先の詳細記載

薬剤師が勤務する場所によって業務内容が大きく異なるため、「どこで」「どのような規模・体制で」働いていたかを明確に記載することが求められます。たとえば、病院の場合は病床数や診療科、薬局の場合は店舗数や応需科目、1日あたりの処方箋枚数などを具体的に盛り込むことで、採用担当者に信頼感を与えます。

  • 「〇〇病院(病床数500床、内科・外科・循環器科の3診療科)で勤務」
  • 「〇〇調剤薬局(店舗数10、応需科目:内科、外科、整形外科)で勤務」

1.2. 担当業務・役割の具体化

薬剤師として実際に担当した業務をリストアップし、できるだけ具体的に記載することが求められます。例えば、調剤、監査、服薬指導、薬歴管理、OTC販売、在庫管理、DI業務、マネジメント、教育などが考えられます。それぞれの業務で、1日の処方箋枚数や担当患者数などを加えると、業務量やスピード感が伝わりやすくなります。

  • 「1日100枚の処方箋を調剤し、服薬指導を実施」
  • 「薬歴管理を担当し、患者一人ひとりに合わせた服薬指導を行う」

1.3. スキル・知識・工夫のアピール

薬剤師としてのスキルや知識、業務改善に向けた工夫や取り組みをアピールすることが重要です。例えば、「患者満足度向上のために待ち時間短縮策を提案」や「多職種連携でチーム医療に貢献」など、具体的なエピソードを交えてアピールします。

  • 「患者待機時間を15分短縮するため、薬剤師が事前に服薬指導を行う仕組みを提案し、患者満足度を向上させた」
  • 「他職種との連携を強化し、チーム医療において積極的に意見を出すことで、治療の質を向上させた」

1.4. 自己PRは主体性・ホスピタリティ・課題解決力

薬剤師の仕事は受け身に見られることもありますが、自己PRでは「自ら課題を見つけて改善した経験」「患者やチームに寄り添う姿勢」「新しい取り組みへの挑戦」など、主体性やホスピタリティを強調することが大切です。

  • 「患者の意見を大切にし、薬の使い方に関する不安を解消するため、積極的にコミュニケーションを取るよう心掛けた」
  • 「薬剤師としての専門知識を活かし、医師と連携して患者の服薬管理をサポートした」

2. 職務経歴書の基本構成と記載項目

職務経歴書は、以下の項目を中心に構成されます。これらをしっかりとまとめることが、分かりやすく、かつ説得力のある書類を作成するポイントです。

2.1. タイトル・日付・氏名

「職務経歴書」と中央に記載し、右上には日付と氏名を記入します。日付は履歴書と統一すると良いでしょう。

2.2. 職務要約

職務要約は、これまでのキャリアや強み、実績を簡潔にまとめる部分です。3~5行程度でまとめると良いでしょう。勤務先や役職、経験した業務内容を盛り込むと、印象が強くなります。

  • 「〇〇病院において調剤業務を担当し、服薬指導や薬歴管理を行ってきました。患者一人ひとりに合わせた服薬指導により、患者満足度向上に貢献」

2.3. 職務経歴

職務経歴は、勤務期間・勤務先名・規模・担当業務・実績を時系列またはプロジェクトごとに記載します。病院勤務の場合は診療科や病床数、薬局勤務の場合は処方箋枚数や応需科目、ドラッグストア勤務の場合は店舗規模やスタッフ数を記載すると、業務内容がより明確になります。

  • 「2018年4月~2023年3月 〇〇病院(病床数300、内科・外科・小児科) 担当業務:調剤、服薬指導、薬歴管理」

2.4. 活かせる経験・知識・技術

薬剤師として活かせる専門知識や業務改善、コミュニケーション力、マネジメント経験、PCスキル(Word/Excel/レセプトなど)、英語力などを箇条書きで記載します。

  • 「薬剤師免許」
  • 「レセプト業務の経験あり」
  • 「TOEIC 800点(医薬英語に精通)」

2.5. 資格・免許

薬剤師免許や普通自動車免許、TOEICなどの資格を取得年月とともに記載します。特に薬剤師免許は必須の資格です。

  • 「薬剤師免許(取得年月:2018年5月)」
  • 「普通自動車免許(取得年月:2016年3月)」

2.6. 自己PR

患者やスタッフへの配慮、業務改善の実績、主体的な取り組み、ホスピタリティ精神などを具体的なエピソードとともにアピールします。

  • 「患者一人ひとりの薬の使用方法に気を配り、服薬指導を通じて患者の健康管理に貢献した」
  • 「新しい業務プロセスを提案し、業務効率を20%改善した」

3. 実績・エピソードの具体的な書き方

薬剤師の職務経歴書では、実績を数値で示すことが非常に重要です。具体的な数字やエピソードを交えて、成果をアピールしましょう。

3.1. 数値で示す

数値を使うことで、実績がより具体的で説得力のあるものになります。1日あたりの処方箋枚数や患者数、満足度など、数字を使って業務の規模や成果を伝えましょう。

  • 「1日あたり80枚の処方箋を調剤し、患者満足度は92%」
  • 「店舗スタッフ10名をマネジメントし、年商を10%向上」

3.2. 工夫や改善の事例

自分がどのように業務を改善したか、工夫をしたかを示すことも重要です。具体的な改善策や成功事例を盛り込むことで、採用担当者に自分の能力をアピールできます。

  • 「新しい薬剤管理システムを導入し、薬品のロスを15%削減」
  • 「患者への服薬指導マニュアルを作成し、新人薬剤師の教育を効率化」

4. 職場別・役割別の記載ポイント

薬剤師の職務経歴書では、勤務先によって求められるスキルや経験が異なります。以下に職場別の記載ポイントを示します。

4.1. 病院勤務

病院勤務では、診療科や病床数、担当患者層、チーム医療、多職種連携などを強調します。また、学会発表や勉強会運営の経験があれば、それも記載すると良いでしょう。

  • 「内科・外科の診療科での勤務経験」
  • 「学会発表を行い、医療チームと密接に連携」

4.2. 調剤薬局

調剤薬局勤務では、応需科目や店舗数、1日の処方箋枚数、地域連携などを強調します。

  • 「内科、外科、整形外科の処方箋を1日80枚担当」
  • 「地域の医師と連携し、かかりつけ薬剤師として患者支援」

4.3. ドラッグストア

ドラッグストア勤務では、OTC販売や健康相談、スタッフ教育、店舗運営などを記載します。

  • 「OTC販売に従事し、月間売上目標を達成」
  • 「店舗運営に携わり、売上20%増加に貢献」

5. サンプル・テンプレートと便利ツール

dodaやリクルートエージェントなどの転職サイトでは、薬剤師向けの職務経歴書テンプレート(Word形式)やサンプルが無料でダウンロードできます。オンライン作成ツール(dodaの「レジュメビルダー」など)を利用すると、さらに便利です。

6. 書類作成時の注意点・最終チェック

誤字脱字や日付ミス、内容の重複や矛盾がないかを必ずチェックしましょう。履歴書や他の応募書類と内容・日付を統一し、見出しやレイアウトも整えることが大切です。

まとめ

薬剤師の職務経歴書は、勤務先の詳細や担当業務、実績を具体的に記載することが重要です。職場ごとの特性を理解し、それに合わせたアピールを行うことが成功の鍵です。テンプレートやサンプルを活用し、具体的なエピソードを交えて成果をアピールする職務経歴書を作成しましょう。

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