目次
はじめに
「労災で仕事を休むことになったら、休業補償給付はいくらもらえるの?」
「給料はどのくらい補われるの?」と気になっていませんか。
仕事中のケガや通勤中の事故、業務が原因の病気で働けなくなると、収入や生活費が心配になりますよね。
労災の休業補償給付は、仕事や通勤が原因で働けず、会社から賃金を受け取れない場合に支給される制度です。
ただし、支給額は普段の給料そのままではなく、一定の計算方法で決まります。
また、支給が始まる時期や受け取れる期間にもルールがあります。
この記事では、労災の休業補償給付でいくらもらえるのか、計算方法や支給時期、支給期間についてわかりやすく解説します。
労災の休業補償給付はいくらもらえる?

労災で仕事を休むことになった場合、休業補償給付は「休んでいる間の給料がそのまま全額もらえる制度」ではありません。
支給額は、事故や病気の前にもらっていた賃金をもとに計算される「給付基礎日額」を基準にして決まります。
そのため、実際にいくら受け取れるのかを知るには、まず80%相当という基本ルールを押さえたうえで、自分の給料に当てはめて計算することが大切です。
休業補償給付は給付基礎日額の80%相当
休業補償給付で受け取れる金額は、給付基礎日額の80%相当です。
内訳は、休業補償給付として給付基礎日額の60%、休業特別支給金として20%が支給され、合計で80%になります。
そのため、労災で仕事を休み、給与を受け取れない期間は、給付基礎日額をもとに支給額が計算されます。
休業補償給付の計算例
休業補償給付は、給付基礎日額の80%相当をもとに計算します。
たとえば、給付基礎日額が10,000円の場合、1日あたりの支給額は8,000円です。そのため、30日間休業した場合は、8,000円×30日で240,000円となります。
このように、休業補償給付は給付基礎日額と休業日数をもとに計算されます。
労災の休業補償給付の計算方法

休業補償給付の金額は、休んだ日数だけで決まるわけではありません。
まず、労災にあう前の賃金から「1日あたりの賃金額」にあたる給付基礎日額を出し、その金額をもとに支給額を計算します。
正社員だけでなく、アルバイトやパートでも、勤務日数や時給で受け取れる金額が変わるため、自分の働き方に合わせて計算方法を確認しておくことが大切です。
給付基礎日額の計算方法
給付基礎日額は、労災発生前3か月間に支払われた賃金総額を、その期間の暦日数で割って計算します。
この給付基礎日額は、休業補償給付を計算する際の基準となる金額です。
そのため、休業補償給付の金額を確認する時は、まず労災前3か月分の賃金総額と暦日数をもとに給付基礎日額を算出します。
アルバイト・パートの場合の計算方法
アルバイト・パートの場合も、休業補償給付は労災前の賃金をもとに計算されます。
給付基礎日額は、原則として労災発生前3か月間の賃金総額を、その期間の暦日数で割って算出します。
そのため、正社員かアルバイト・パートかに関係なく、実際に支払われた賃金額を基準に支給額が決まります。
労災の休業補償給付はいつからいつまでもらえる?

労災の休業補償給付は、仕事を休んだ初日からすぐに支給されるわけではありません。
支給が始まるタイミングには待機期間があり、その後も「いつまで働けない状態なのか」によって支給期間が変わります。
また、休業中に退職した場合でも、労災によるけがや病気で働けない状態が続いていれば、退職だけを理由に給付が止まるわけではないため、支給開始日と終了の目安を正しく確認しておくことが大切です。
待機期間3日後から支給される
休業補償給付は、休業した最初の3日間は支給されず、4日目から支給されます。
この最初の3日間は「待機期間」と呼ばれ、休業補償給付の対象にはなりません。
そのため、休業補償給付の日数を計算する際は、休業した日数すべてではなく、待機期間を除いた4日目以降の日数が対象になります。
症状固定または就労可能になるまで支給される
休業補償給付は、症状固定または就労可能と判断されるまで支給されます。
医師が働けない状態と判断している間は、休業補償給付の対象です。
一方で、症状固定と判断された場合や、仕事に復帰できる状態になった場合は、その時点で休業補償給付の支給は終了します。
退職後も休業補償給付は継続される
休業補償給付は、退職後も労災によって働けない状態が続いていれば受け取れます。
休業補償給付は在職中か退職後かではなく、労災によって就労できない状態かどうかで判断されます。
そのため、退職しただけで支給が終了することはありません。医師が就労可能と判断した場合や、症状固定となった場合に支給は終了します。
労災の休業補償給付を受ける条件

労災で仕事を休んでいても、すべてのケースで休業補償給付を受け取れるわけではありません。
支給を受けるには、けがや病気が仕事中や通勤中に起きたものとして認められ、さらに医師から「今は働けない状態」と判断されている必要があります。
また、休んでいる期間に会社から通常どおり給与が支払われている場合は、休業による収入減が発生していないため、給付の対象になるかを確認しておくことが大切です。
労災認定を受けていること
休業補償給付を受けるには、けがや病気が労災として認定されていることが必要です。
労災保険の請求を行い、労働基準監督署から労災と認められなければ、休業補償給付は支給されません。
労災認定を受けることで、そのけがや病気によって働けない期間の休業補償給付を請求できるようになります。
医師が就労不能と判断していること
休業補償給付を受けるには、医師から就労不能と判断されていることが必要です。
本人が仕事を休んでいても、医師が働ける状態と判断した場合は、休業補償給付の対象になりません。
休業補償給付は、医師が療養のため働けないと認めた期間を対象として支給されます。
会社から給与が支払われていないこと
休業補償給付を受けるには、休業した日に会社から給与が支払われていないことが必要です。
休業補償給付は、労災によって働けず、賃金を受け取れない期間を補うための制度です。
そのため、会社から給与が支払われている日は対象にならず、給与が支払われていない日について休業補償給付を請求できます。
労災の休業補償給付の申請方法

労災の休業補償給付を受け取るには、必要書類を用意して、労働基準監督署へ請求手続きを行う必要があります。
申請では、本人が記入する欄だけでなく、会社や医療機関に証明してもらう欄もあるため、どこに何を依頼するのかを先に確認しておくことが大切です。
また、会社が書類作成に協力してくれない場合でも、申請を進められるケースがあるため、提出先や振り込みまでの流れを順番に押さえておきましょう。
必要書類と提出先
休業補償給付を申請する際は、所定の支給請求書を作成し、必要事項を記入して提出します。
請求書には本人情報や休業期間を記入し、医師には就労不能期間、会社には賃金や休業日数の証明を記入してもらいます。
書類がそろったら、勤務先を管轄する労働基準監督署へ提出します。
会社が協力しない場合の対応
会社が申請に協力しない場合でも、休業補償給付は本人が請求できます。
会社が記入欄の記載を拒否した場合は、未記入のまま労働基準監督署へ相談しながら手続きを進めます。
会社の協力がないことだけを理由に申請できなくなるわけではなく、労働基準監督署が必要に応じて会社へ確認を行います。
振り込みまでの期間の目安
休業補償給付は、請求書を提出してから振り込みまで1か月前後かかるのが一般的です。
書類に不備がなく、必要な証明がそろっている場合はスムーズに審査が進みます。
一方で、内容の確認が必要な場合は、振り込みまでさらに時間がかかることがあります。振込先は、請求書に記入した本人名義の口座です。
労災の休業補償給付でよくある疑問

労災の休業補償給付は、申請して終わりではなく、ほかの制度との関係や振り込み時期で迷いやすい給付です。
特に、退職後に失業保険を考えている場合や、生活費の支払いに間に合うか不安な場合は、「同時に受け取れるのか」「いつ口座に入るのか」を早めに確認しておく必要があります。
ここでは、休業補償給付を受ける前後で疑問になりやすいポイントを、失業保険との関係と振り込み時期に分けて確認していきます。
失業保険と同時にもらえる?
休業補償給付と失業保険は、同じ期間にあわせて受け取ることはできません。
休業補償給付は働けない人を対象とした制度で、失業保険は働ける状態で求職活動をしている人を対象とした制度です。
そのため、医師から就労不能と判断されて休業補償給付を受けている期間は、失業保険の支給対象にはなりません。
休業補償給付はいつ振り込まれる?
休業補償給付は、請求書の提出後に審査が行われ、本人名義の口座へ振り込まれます。
振り込みまでの目安は1か月前後ですが、審査内容によってはさらに時間がかかることがあります。
そのため、提出後すぐに入金されるわけではなく、審査完了後に支給されます。
まとめ
労災の休業補償給付は、仕事中のけがや業務が原因の病気で働けなくなった時に、生活を支えるための制度です。
休業中は一定の給付を受けられますが、支給には条件があり、申請手続きも必要になります。
また、支給開始日や受け取れる期間にはルールがあるため、あらかじめ内容を確認しておくことが大切です。
万が一会社が協力してくれない場合でも、労働基準監督署へ相談しながら手続きを進められます。
労災で休業することになった時は、一人で悩まず、制度を活用しながら早めに申請を進めていきましょう。