目次
はじめに
「自己PRって、自分の長所を書けばいいんですよね?」と迷っていませんか。
実は、職務経歴書の自己PRは、性格の良さを書く欄ではありません。これまでどんな仕事をして、どんな結果を出してきたのかを伝えるための項目です。
採用担当者は、最初の数行で「どんな業務経験があるのか」「どんな成果を出してきたのか」を見ています。たとえば、売上・担当件数・改善率など、具体的な数字が入るだけでも伝わり方は大きく変わります。
そのため、「頑張りました」と書く前に、「何をして、どんな結果につながったのか」を整理することが大切です。
このあと、自己PRを書くときに押さえておきたいポイントを、順番に分かりやすく見ていきます。
採用担当は「自己PR」のどこをみているの?

自己PRは「自分の強みを自由に書く欄」ではありません。
採用担当は感想や意気込みではなく、応募職種で同じ成果を出せるかどうかを確認しています。そのために見ているのは、担当してきた業務内容が応募職種と一致しているか、売上や担当件数などの数字が入っているか、そして成果につながった具体的な行動が書かれているかという点です。
ここでは、その確認ポイントを順に整理します。
応募職種と同じ業務経験が書かれているか
採用担当は、自己PRに書かれている内容が、応募職種の仕事と合っているかを見ています。
たとえば営業職なのに、「事務処理を担当」「来客対応を行った」だけでは、実際に営業活動をしていたのかが伝わりにくくなります。
一方で、「法人営業として月50件の新規訪問を担当し、月間売上300万円を管理していた」と書かれていれば、どんな業務をどの規模で担当していたのかが具体的に伝わります。
自己PRでは、「どんな仕事を」「どのくらい担当していたか」を数字とあわせて整理すると、採用担当にもイメージしてもらいやすくなります。
売上・件数など具体的な数字が入っているか
採用担当は、自己PRに「どのくらい成果を出していたのか」が分かる数字が入っているかを見ています。
「売上に貢献しました」だけでは規模感が伝わりにくいため、できるだけ金額や件数まで書くことが大切です。
たとえば、「月間売上300万円を担当し、前年比110%を達成」「月400件の問い合わせ対応を行い、クレーム率を5%から2%に改善」のように数字を入れると、担当していた業務量や成果がイメージしやすくなります。
自己PRでは、頑張ったことよりも、「どのくらい担当して、どんな結果につながったか」を具体的に伝えることがポイントです。
成果を出した具体的な行動が書かれているか
採用担当は、「どんな成果を出したか」だけでなく、そのために実際に何をしたのかも見ています。
たとえば、「売上を伸ばしました」だけでは、どんな行動で結果につながったのかが分かりません。
一方で、「発注が止まっていた既存顧客に再度連絡し、新商品の提案を行った結果、月間売上が250万円から320万円に増加した」のように書くと、行動の流れまで具体的に伝わります。
自己PRでは、結果だけを書くのではなく、「どんな行動をした結果、どう変わったか」まで整理すると、仕事の進め方もイメージしてもらいやすくなります。
落ちる『自己PR』の共通点は?

書類選考で止まる自己PRには、似た書き方のパターンがあります。
内容そのものよりも、「評価できる材料が書かれていない」ことが原因です。強みだけで終わっていないか、成果が抜けていないか、数字が一つも入っていない状態になっていないか。
この3つに当てはまると、採用担当は判断できずに見送ります。ここからは、落ちやすい自己PRの共通点を具体的に確認します。
強みしか書いていない自己PR
「責任感があります」「コミュニケーション力があります」といった強みだけの自己PRは、評価につながりにくい傾向があります。
採用担当が知りたいのは、「その強みを実際の仕事でどう活かしていたか」です。
たとえば、「1日30件の問い合わせ対応を担当し、対応満足度を改善した」「納期管理を徹底し、期限内完了率95%を維持した」のように、行動や数字まで書かれていると仕事のイメージが伝わりやすくなります。
自己PRでは、強みを並べるだけではなく、「どんな場面で使い、どんな結果につながったか」まで具体的に整理することが大切です。
成果を書いていない自己PR
業務内容だけを書いて、成果が書かれていない自己PRは、評価につながりにくくなります。
たとえば、「営業を担当」「在庫管理を担当」とだけ書かれていても、どのくらいの規模を任され、どんな結果につながったのかが分かりません。
一方で、「月間売上300万円を担当」「在庫管理を見直し、欠品率を10%改善」のように数字が入ると、業務の規模や成果が具体的に伝わります。
自己PRでは、担当していた仕事だけで終わらせず、「その結果どうなったか」まで整理して書くことが大切です。
数字がまったく書かれていない自己PR
数字が入っていない自己PRは、評価につながりにくくなります。
たとえば、「売上に貢献しました」「多くのお客様を対応しました」だけでは、どのくらいの成果だったのかが伝わりません。
一方で、「月間売上300万円を担当」「1日20件の問い合わせ対応を担当」「前年比110%を達成」のように数字が入ると、業務量や実績の規模がイメージしやすくなります。
自己PRでは、できるだけ金額・件数・割合などを入れながら、「どのくらい担当していたのか」を具体的に伝えることが大切です。
書類審査や面接を通過する『自己PR』の基本の構成

自己PRは長さよりも構成で評価が決まります。採用担当は最初の数行で「応募職種で成果を出せる人か」を判断します。
そのため、最初の1文で職種と強みを明確にし、次に数字で裏づけを示し、最後に応募先でも同じ行動を取れる理由まで書けているかが基準になります。
ここでは、通過する自己PRの基本構成を順番に確認します。
① 強みと応募職種を最初の1文で書く
自己PRは、最初の1文で「強み」と「応募職種」を一緒に伝えることが大切です。
たとえば営業職なら、「法人営業として新規開拓を担当し、月間売上300万円を継続して達成してきた点が強みです」のように、職種と成果をまとめて書きます。
事務職の場合も、「営業事務として受発注処理を担当し、入力ミス削減に取り組んできた点が強みです」と書くことで、経験内容が伝わりやすくなります。
最初の1文で「どんな仕事をして、どんな強みがあるのか」を具体的に伝えると、その後の内容も読んでもらいやすくなります。
② 1日何件・月いくらなど具体的な数字で根拠を書く
強みを書いたあとは、「どのくらい行動していたか」を数字で具体的に伝えることが大切です。
たとえば、「1日10件の電話営業を行い、月平均5件の商談を獲得」「月200件の請求書処理を締日から2営業日以内に完了」のように書くと、実際の業務量がイメージしやすくなります。
自己PRでは、強みだけで終わらせず、「どのくらい行動していたか」まで数字で補足すると、説得力が伝わりやすくなります。
③ 応募先でも同じ行動を取れる理由や根拠を書く
強みを書いたあとは、件数や売上などの数字を入れて、実績の根拠を具体的に伝えることが大切です。
たとえば、「問い合わせ対応を担当」だけではなく、「1日25件、月500件の問い合わせ対応を担当」と書くことで、業務量がイメージしやすくなります。
また、「売上に貢献しました」ではなく、「月間売上280万円を担当し、前年比105%を達成」のように数字を入れると、成果の規模も伝わりやすくなります。
自己PRでは、件数・金額・割合などを具体的に書くことで、「どのくらいの実績があるのか」を採用担当にイメージしてもらいやすくなります。
通過率を上げる|数字を使った自己PRの例文

数字が入っていない自己PRは、内容が良くても評価が止まります。
採用担当は「何をどれくらい行い、その結果どうなったのか」を具体的な数値で確認しています。営業・事務・技術職では示すべき数字の種類が異なるため、職種ごとの書き方を押さえることが通過率を上げる近道です。
ここでは、数字を入れた自己PRの例文を職種別に確認します。
営業職の自己PRの例文
営業職の自己PRでは、訪問件数や売上金額などを数字で具体的に伝えることが大切です。
たとえば、月間の訪問件数や担当売上、前年比などを書くことで、「どのくらいの規模を任されていたのか」が伝わりやすくなります。
自己PRでは、強みだけでなく、実際の行動や成果を数字で整理すると、経験内容を具体的にイメージしてもらいやすくなります。
【例文】
法人向け新規営業を3年間担当し、1日5件、月間100件の訪問を継続して行いました。既存顧客への追加提案を月20件実施し、月間売上250万円を320万円まで増加させ、前年比128%を達成しました。現在は担当エリア50社を管理し、解約率を年5%以内に抑えています。
事務職の自己PRの例文
事務職の自己PRでは、処理件数や対応件数などを数字で具体的に伝えることが大切です。
たとえば、「1日50件の受発注処理を担当」「入力ミスを月10件から2件に削減」のように書くと、業務量や正確性が伝わりやすくなります。
自己PRでは、日々どのくらいの業務を担当し、どんな改善につながったのかまで整理すると、仕事のイメージを持ってもらいやすくなります。
【例文】
営業事務として受発注業務を担当し、1日40件、月間800件の入力処理を行ってきました。Excelで在庫管理表を作成し、入力手順を統一した結果、月15件発生していた入力ミスを3件まで削減しました。請求書発行業務では月120件を期日内100%で処理しています。
技術職・専門職の自己PRの例文
技術職・専門職の自己PRでは、案件数や改善した数値を具体的に書くことが大切です。
たとえば、「月5件のシステム改修を担当」「作業時間を20%短縮」「不具合件数を半減」のように数字を入れると、担当範囲や技術レベルが伝わりやすくなります。
自己PRでは、「どの工程を担当し、どんな改善につなげたのか」まで整理すると、実務経験を具体的にイメージしてもらいやすくなります。
【例文】
社内システムの改修業務を担当し、年間12件の機能追加と不具合修正を実施しました。既存処理の見直しとコード最適化を行い、月間処理時間を20時間から12時間へ短縮しました。また、テスト工程でチェック項目を80項目から120項目へ増やし、本番環境での不具合発生件数を四半期5件から1件に削減しました。
自己PRの最適な文字数と構造は?

自己PRは内容だけでなく、文字数と文章構造でも評価が変わります。
長すぎれば最後まで読まれず、短すぎれば根拠が足りません。また、1文が長いと要点が伝わりにくくなり、履歴書と同じ内容を書けば新しい判断材料になりません。
ここでは、読み切られやすく評価されやすい文字数と構造の基準を整理します。
自己PRは300〜400字に収める
自己PRは、300〜400字ほどにまとめると読みやすくなります。短すぎると経験や成果が伝わりにくく、長すぎると要点が埋もれてしまいます。
このくらいの文字数であれば、「どんな職種で」「何を担当し」「どんな成果を出したか」までを自然に整理できます。
最初に強みと職種を書き、そのあとに具体的な行動や数字、最後に成果をまとめる流れにすると、採用担当にも内容を把握してもらいやすくなります。
300字から400字に収めることで、短時間で内容を把握できます。
▶職務経歴書は何枚が正解?通過率が落ちるNGパターンも解説
1文60字前後で区切る
自己PRは、1文を60字前後で区切ると読みやすくなります。
長い文章が続くと、何をしたのか、どんな成果だったのかが伝わりにくくなってしまいます。
たとえば、「新規訪問を担当しました」と行動を書いたあとに、「月間売上300万円を達成しました」と成果を分けて書くと、内容を整理して伝えやすくなります。
文章を短めに区切ることで、行動と結果の流れを採用担当にもスムーズに読んでもらいやすくなります。
履歴書と重複しない内容にする
自己PRでは、履歴書に書いた内容をそのまま繰り返さないことが大切です。
たとえば、履歴書に入社年や配属先を書いている場合、自己PRでは経歴説明よりも、「どんな仕事をして、どんな成果を出したか」を中心にまとめます。
「月30件の新規訪問を担当し、月間売上300万円を担当した」のように、行動や数字を書くことで、経験内容が具体的に伝わりやすくなります。
履歴書は経歴を確認する書類、自己PRは実績や強みを伝える欄として分けて考えると、内容を整理しやすくなります。
数字と行動が明確に書かれていれば提出できます。自分だけで判断が難しい場合は、第三者に確認してもらう方法もあります。
▶ハローワークの職務経歴書の無料添削サービスは本当に効果ある?
まとめ
自己PRは、自分の性格を伝える欄ではなく、「この仕事でも同じように成果を出せそう」と感じてもらうための欄です。
そのため、「頑張りました」「責任感があります」だけで終わるのではなく、どんな業務を担当し、どんな行動をして、どのくらいの結果につながったのかを具体的に整理することが大切です。売上や件数、改善率などの数字が入るだけでも、内容はぐっと伝わりやすくなります。
また、長く書きすぎるよりも、1文を区切りながら「結論→行動→成果」が自然に流れる形にすると、採用担当にも読みやすく伝わります。
まずは完璧に見せようとするより、「自分が実際にやってきたこと」を具体的に書けているかを意識して見直してみてください。数字と行動が整理されていれば、自己PRとして十分伝わる内容になります。