履歴書・職務経歴書

2社以上の職歴がある場合の職務要約の書き方と実例|職務経歴書で強みを伝えるコツ

転職活動において、職務経歴書は自分をアピールする大事なツールです。特に、2社以上の職歴がある場合は、複数の経験をどう要約し、採用担当者に強みを伝えるかが大きなポイントになります。職務経歴書における「職務要約」は、短い文章で自分のキャリアや実績を的確に伝えるため、非常に重要な部分です。今回は、2社以上の職歴を持つ人のために、職務要約を効果的に書く方法と実例を紹介します。

2社以上の職歴がある場合の職務要約の役割と重要性

職務経歴書における「職務要約」の役割は、複数の職歴をコンパクトにまとめ、自分のキャリアの全体像や強みを一目で理解してもらうことです。特に2社以上の職歴がある場合、採用担当者はそのキャリアの一貫性や成長をすぐに把握したいと考えています。そのため、職務要約でどれだけ自分の強みをわかりやすく伝えるかが非常に重要になります。

職務要約の目的は、ただの職歴の列挙ではなく、「あなたはどんなキャリアを歩んできたのか」「どんなスキルや実績を持っているのか」「応募先企業でどう貢献できるか」を簡潔にアピールすることです。この要約がうまくまとまっていると、採用担当者はあなたに対して好印象を抱き、次のステップに進みやすくなります。

2社以上の職歴を要約する主な方法とパターン

職務要約のまとめ方には主に2つのパターンがあります。それぞれのパターンにおいて、どのように情報を整理するかがポイントになります。

1. 会社ごとにまとめるパターン

このパターンは、1社目から2社目までの職歴を時系列で並べ、それぞれの担当業務や実績を簡潔に記載する方法です。転職回数が少ない場合や、各社での経験が異なる場合におすすめです。1社目、2社目それぞれの経験を重視し、業務内容をわかりやすく伝えます。

例えば、次のように記載できます:
「1社目では新規営業を担当し、売上目標を120%達成。その後、2社目では既存顧客の深耕営業を行い、リピーター率を25%向上させました。両社で培った提案力を活かし、さらに成果を上げることを目指しています。」

2. 共通点やキャリアの軸でまとめるパターン

このパターンでは、複数社で共通する職種やスキル、実績を軸に、全体的なキャリアのストーリーをまとめます。転職回数が多かったり、同じような職種での経験が多かったりする場合に有効です。キャリアの一貫性や、職種ごとに強みを伝えることができます。

例えば、次のようにまとめることができます:
「法人営業職として、2社で計6年間従事しました。新規開拓営業および既存顧客対応を行い、両社で年間売上目標を達成。特に課題解決型の提案営業に強みがあり、顧客のニーズに応じた最適な提案を通じて成果を出しました。」

職務要約の書き方のポイントと注意点

職務要約を書く際のポイントは以下の通りです。これを踏まえた書き方で、採用担当者に強い印象を与える職務経歴書を作成しましょう。

1. アピールしたい職歴や実績に焦点を絞る

応募する企業の求めるスキルや経験に焦点を合わせ、関連性の高い職歴や実績を優先して記載しましょう。応募先が求める人物像に合わせて、自分がどのように貢献できるかを簡潔に伝えることが大切です。

2. 数字や具体的な成果を盛り込む

「売上〇〇%向上」「担当件数〇〇件」「顧客満足度〇〇%」など、具体的な数字を盛り込むことで、説得力が増します。定量的な実績は、採用担当者にとって非常にわかりやすく、評価を高める要素になります。

3. キャリアの一貫性や成長を意識する

転職理由やスキルアップの過程を簡潔に盛り込み、キャリアがどう成長してきたのかをアピールしましょう。前向きなキャリア形成を印象付けることが重要です。自分の成長過程を見せることで、採用担当者に「成長意欲が高い人物」と思わせることができます。

4. 文字数は200~250字程度が目安

職務要約はあくまで簡潔にまとめる部分です。長すぎると読みにくくなり、重要なポイントが埋もれてしまう可能性があります。200~250字程度で要点を押さえて記載しましょう。

2社以上の職歴がある場合の職務要約例文

1. 会社ごとにまとめる例文

「これまで7年間、営業職として2社で経験を積んできました。1社目では新規顧客開拓を担当し、年間売上目標を120%達成。2社目では既存顧客の深耕営業に注力し、担当顧客のリピート率を30%向上させました。両社で培った提案力と関係構築力を活かし、さらなる成果を目指します。」

2. 共通点でまとめる例文

「法人営業職として2社で計7年従事し、新規開拓・既存顧客フォローの両面で実績を上げてきました。特に課題解決型の提案営業を強みとし、2社合計で年間売上目標を常に達成。現在はチームリーダーとしてメンバー育成にも携わっています。」

3. 転職回数が多い場合の例文

「IT業界で3社、計10年にわたり、システム開発からプロジェクトマネジメントまで幅広く経験。複数の現場で培った調整力と課題解決力を強みとし、常に納期遵守と品質向上に貢献してきました。」

職務要約をまとめる際の実践アドバイス

職務要約を作成する際は、応募先企業が求める人物像や職種に合わせて内容を調整することが重要です。すべての職歴を細かく書く必要はなく、関連性の高い経験を中心に情報量の強弱をつけることがポイントです。また、職務経歴書全体は2枚程度にまとめ、職務要約は冒頭に配置して「つかみ」として活用するのが理想的です。

私の実体験:2社の経験を「一貫した強み」に変えた職務要約の書き方

私はこれまでに2社で営業職を経験しました。
しかし転職活動を始めた当初、職務経歴書の「職務要約」でつまずきました。
1社目と2社目で仕事内容が違いすぎて、どのようにまとめればいいのか分からなかったのです。
1社目では新規開拓中心の法人営業、2社目では既存顧客の深耕営業とチームリーダー業務
どちらも大切な経験でしたが、要約にすると中途半端になってしまい、「結局この人は何ができるの?」という印象になっていたと思います。

① “経歴の紹介”から“価値の要約”へ

ハローワークの職員さんからもらったアドバイスは、とてもシンプルでした。

「要約は“何をやってきたか”ではなく、“どんな強みを持っているか”を書く場所です。」

この言葉で視点が180度変わりました。
それまで「1社目→2社目」と並べていた要約を、
「2社を通して何を身につけたか」という**キャリアの軸(=強み)**で再構成しました。

たとえば、以下のように書き換えました。

修正前(時系列型)

1社目では法人営業を担当し、年間売上120%達成。2社目では既存顧客の深耕営業を行い、リピート率30%向上。現在はチームリーダーとして部下の育成を担当。

修正後(強み軸型)

法人営業職として7年間、課題解決型の提案営業と顧客関係構築を軸に成果を上げてきました。新規開拓から既存顧客フォローまで一貫して担当し、売上目標達成率は常に100%超を維持。現職ではリーダーとしてメンバー育成にも携わり、チーム全体の成果向上に貢献しています。

修正後の文章は、職種・スキル・実績・役割の流れがあり、どの会社にいたかよりも「どんな価値を提供できるか」が伝わる形になりました。


② 数字と成果で“説得力”を持たせる

要約では「定量的な成果」を盛り込むことが特に重要です。
単なる“頑張りました”では伝わりません。
たとえば、私は以下のような具体的な数字を入れました。

  • 新規営業時代:月平均20社訪問/年間契約率40%
  • 既存顧客営業:リピート率25%→55%に改善
  • チームリーダー就任後:売上前年比115%達成

数字を入れると、採用担当者が一瞬で成果の規模感と再現性をイメージできます。
特に「達成率」「改善率」「増加率」などの指標は、どんな業種にも共通して響きます。


③ “転職理由”も要約ににじませる

もう一つのコツは、「なぜ転職したのか」を要約の中で前向きに匂わせること。
私の場合、1社目→2社目への転職は「営業スキルの幅を広げたかった」ことが理由でした。
そのため、要約の最後を次のように締めました。

新規開拓と深耕営業の両方を経験し、提案力と分析力を磨いてきました。今後は、培った経験を活かして顧客課題の解決により深く携われる環境で成果を上げたいと考えています。

こうすることで、“成長意欲”や“次の職場での方向性”が伝わり、
面接官の質問が「なぜ転職したのか」ではなく「どんな提案営業をしていたのか」に変わりました。


④ 要約は200字前後で“つかみ”をつくる

私が試行錯誤の末にたどり着いたベストボリュームは220字前後
それ以上長くなると読みにくく、短すぎると印象が薄くなります。
Wordで書く場合は、見た目で3~4行程度に収まるよう調整しました。
採用担当者が最初に目にする箇所なので、最初の3行で印象を決める意識が大切です。


✅ まとめ:要約は「過去の説明」ではなく「未来の提案」

2社以上の職歴がある人こそ、要約の書き方一つで見え方が大きく変わります。

  • 職歴を並べるのではなく、共通の軸(スキル・成果・成長)でまとめる
  • 数字を使って成果を具体化する
  • 200字前後で読みやすく、未来につながる一文で締める

私はこの方法で職務経歴書を書き直し、
応募5社中3社から「要約の内容に共感した」と面接で言われました。

職務要約は単なる導入文ではなく、
「あなたという人材の名刺」です。
複数社の経験も、まとめ方次第で強みとして輝かせることができます。

まとめ ~2社以上の職歴も要約次第で強みに変わる!~

2社以上の職歴がある場合、職務要約でキャリアの軸や強みを整理して伝えることで、幅広い経験や成長意欲を効果的にアピールできます。会社ごと・共通点ごと、どちらのパターンでも、数字や成果を盛り込み、応募先に合わせて内容を最適化することが選考突破のカギです。複数社での経験は、まとめ方次第で大きな強みに変わります。職務要約で自分のキャリアを分かりやすく整理し、採用担当者の興味を引きつけましょう。

-履歴書・職務経歴書