目次
はじめに
「キャリア式の職務経歴書ってどんな書き方?」「会社ごとに書く方法と何が違うの?」と迷う方も多いと思います。
職務経歴書にはいくつかの形式があり、そのひとつが「キャリア式」です。これは会社ごとではなく、「営業」「事務」などの職種や業務ごとに経験をまとめて伝える書き方です。
同じ仕事を複数の会社で続けてきた場合でも、経験や実績を一つの流れとして整理しやすくなります。
転職回数が多い方や、同じ職種を続けてきた方には特に向いている一方で、経験が浅い場合は別の形式のほうが伝わりやすいこともあります。
この記事では、キャリア式の特徴や向いている人について、やさしく整理していきます。ご自身の職歴と照らし合わせながら、読み進めてみてください。
キャリア式の職務経歴書の書き方とは?

キャリア式の職務経歴書は、これまで働いてきた会社ごとではなく、「どんな仕事をしてきたか」に軸を置いて整理していく書き方です。
転職回数が多い方や、同じ職種の経験を積み重ねてきた方ほど、経験や強みをまとめて伝えやすくなります。
ここでは、職種・業務ごとに分かりやすく整理するための基本的な書き方を見ていきましょう。
職歴は会社ではなく「職種・業務」でまとめる
キャリア式の職務経歴書では、会社ごとではなく「職種・業務ごと」に経験をまとめていきます。たとえば営業職を複数社で経験している場合は、「営業職」として一つに整理し、その中に業務内容や実績を書いていく形です。
会社名は勤務期間とあわせて補足として記載し、「どの業務をどのくらい担当していたか」が分かるようにまとめるのがポイントです。職種ごとに整理することで、経験や強みが自然と伝わりやすくなります。
同じ職種の経験は複数の会社分をまとめる
同じ職種を複数の会社で経験している場合は、会社ごとに分けずに、職種ごとにまとめて書くのがポイントです。たとえば営業職であれば、「法人営業」「新規開拓営業」といった見出しを作り、その中に業務内容や実績を整理していきます。
会社名は勤務期間とあわせて補足として入れておくと、「どのくらいの期間その業務を担当していたのか」が自然に伝わります。職種ごとにまとめることで、経験の積み重ねがより分かりやすくなります。
異なる職種の経験は職種ごとに分けて書く
営業職と事務職など、異なる職種を経験している場合は、職種ごとに分けて書いていきます。「営業職」「一般事務」といった見出しを作り、それぞれの業務内容や在籍期間を整理するイメージです。
会社名は勤務期間とあわせて補足として記載し、どの職種をどのくらい担当していたのかが分かるようにまとめます。職種ごとに分けることで、経験の違いや強みが伝わりやすくなります。
どんな時にキャリア式の職務経歴書を使うべき?

キャリア式の職務経歴書は、すべての人に合う書き方ではなく、これまでの経歴や応募する職種によって向き・不向きがあります。
無理にこの形式を選ぶと伝わりにくくなることもあるため、「どんな場合に使うと整理しやすくなるのか」「逆に使わないほうがいいケースはどれか」をあらかじめ押さえておくことが大切です。
ここでは、キャリア式が向いている具体的なパターンを順番に見ていきましょう。
転職回数が多く会社ごとに書くと説明が長くなる場合
転職回数が多い場合は、会社ごとに書くと内容が長くなりやすいため、職種ごとにまとめる書き方がおすすめです。たとえば営業職で複数社を経験している場合は、「法人営業」として一つに整理し、その中に業務内容や実績をまとめます。
会社名は勤務期間とあわせて補足として並べておくと、経歴の流れも自然に伝わります。内容を重複させずに整理できるため、全体をすっきりと1〜2枚にまとめやすくなります。
複数の職種や業務を経験している場合
営業・事務・店舗運営など複数の職種を経験している場合は、会社ごとではなく職種ごとに分けて書くのがおすすめです。
それぞれ「営業職」「一般事務」「店舗運営」といった見出しを作り、その中に業務内容や在籍期間、会社名をまとめていきます。
職種ごとに整理することで、「どの仕事をどのくらい経験しているのか」が自然と伝わりやすくなります。
応募職種に関係する経験をまとめて見せたい場合
応募職種に関係する経験が複数ある場合は、1つにまとめて見せるのがおすすめです。
たとえば法人営業を複数社で経験している場合は、「法人営業」として一つの見出しを作り、業務内容や実績をまとめます。
会社名は勤務期間とあわせて並べておくと、経歴の流れも自然に伝わります。関連する経験を一か所に集めることで、強みや経験年数が分かりやすくなります。
社会人経験が浅く職歴が少ない場合は使わない
社会人経験が浅く、職歴が少ない場合は、キャリア式はあまり向いていません。
1〜2社程度の経験であれば、会社ごとに「会社名」「在籍期間」「業務内容」「実績」を順番に書いたほうが、経歴の流れが自然に伝わります。
無理にまとめるよりも、シンプルに整理するほうが読みやすくなります。
キャリア式の職務経歴書と他の職務経歴書の書き方の違い

キャリア式の職務経歴書は「職種・業務」で経験をまとめる書き方ですが、一般的には会社ごとや時系列で整理する形式もよく使われています。
それぞれ整理の軸が異なるため、同じ経歴でも伝わり方が大きく変わります。
ここでは、キャリア式と他の代表的な書き方との違いを押さえながら、どのように使い分けるかを確認していきましょう。
キャリア式と編年体式の違い
キャリア式は、会社ごとではなく「職種や業務ごと」に経験をまとめて書く形式です。同じ職種を複数の会社で経験している場合に、1つに整理して見せられるのが特徴です。
一方、編年体式は会社ごとに時系列で並べていく書き方です。それぞれの会社での業務や実績を順番に書いていきます。
職種でまとめるのがキャリア式、会社ごとに並べるのが編年体式と考えると、違いが分かりやすくなります。
▶編年体式の職務経歴書の書き方とテンプレート|古い職歴から整理して書く方法
キャリア式と逆編年体式との違い
キャリア式は、職種や業務ごとに経験をまとめて書く形式です。同じ仕事を複数の会社で担当している場合に、1つに整理して見せられるのが特徴です。
一方、逆編年体式は会社ごとに経歴を書き、直近の会社から順番に並べていく書き方です。
職種でまとめるのがキャリア式、会社ごとに新しい順で並べるのが逆編年体式と考えると、違いが分かりやすくなります。
▶逆編年体式の職務経歴書の書き方とテンプレート|新しい職歴から整理して書く方法
キャリア式の職務経歴書を書くときの流れ

キャリア式の職務経歴書は、書く順番をあらかじめ決めておくと、内容が整理しやすくなり、読み手にも伝わりやすくなります。
いきなり細かい経歴から書き始めるのではなく、全体像→職種ごとの経験→具体的な実績という流れで組み立てていくのが基本です。
ここでは、迷わず書き進めるための具体的な流れを順番に確認していきましょう。
最初に職務要約で経験の全体像を書く
キャリア式の職務経歴書では、最初に職務要約を書いて、これまでの経験の全体像をまとめましょう。
たとえば「法人営業を6年間担当」といった形で、職種と経験年数を先に伝え、あわせて売上や担当顧客数などの数字も入れておくと分かりやすくなります。
最初の数行で全体像が伝わるように意識すると、読み手にすっと理解してもらいやすくなります。
職務経歴は職種・業務ごとにまとめて書く
職務経歴の本文は、会社ごとではなく職種や業務ごとにまとめて書きます。
たとえば法人営業を複数社で経験している場合は、「法人営業」として一つに整理し、その中に業務内容をまとめます。
会社名と在籍期間は補足として並べておくと、経歴の流れも自然に伝わります。同じ業務を繰り返さずに整理することで、全体がすっきり見やすくなります。
担当業務の実績は数字を入れて書く
担当業務の実績は、できるだけ数字を入れて書くのがポイントです。
たとえば営業職であれば、売上や担当顧客数、前年比などを具体的に示します。
「月間売上〇万円」「担当顧客〇社」といった形で数字を入れると、成果や業務の規模が伝わりやすくなります。読み手がイメージしやすいように、分かりやすくまとめていきましょう。
キャリア式の職務経歴書のテンプレートと書き方の例

キャリア式の職務経歴書は、あらかじめ型を決めておくことで、内容の抜け漏れを防ぎながらスムーズに書き進めることができます。
特に「どの順番で何を書くか」が決まっていると、職種ごとの経験や実績も整理しやすくなります。
ここでは、すぐに使えるテンプレートをもとに、基本の書き方を確認していきましょう。
キャリア式の職務経歴書テンプレート
モデル人物(設定)
名前:山田 太郎
年齢:35歳
職種経験
営業 → 営業 → 営業 → 営業事務 → 営業
営業経験:12年
職歴
2012年〜2015年
株式会社A(通信機器営業)
2015年〜2018年
株式会社B(ITサービス営業)
2018年〜2021年
株式会社C(人材サービス営業)
2021年〜2023年
株式会社D(営業事務)
2023年〜現在
株式会社E(SaaS営業)
特徴
・営業職を中心に5社で勤務(転職回数が多い)
・法人営業を複数業界で経験(通信・IT・人材・SaaS)
・営業事務の経験もあり職種が一部変わっている
・新規開拓営業と既存顧客営業の両方を経験
・年間売上5,000万円規模の営業実績あり
キャリア式 職務経歴書テンプレート(記入例)
職務経歴書
氏名:山田 太郎職務要約
法人営業として12年間、通信機器、ITサービス、人材サービス、SaaSなど複数の業界で営業を担当。新規開拓営業と既存顧客営業の両方を経験し、企業向けの提案営業を行う。2021年〜2023年は営業事務として受発注管理や請求業務を担当し、営業部門の業務支援を経験。営業職では年間売上5,000万円規模の案件を担当し、顧客課題のヒアリングから提案、契約、導入後フォローまで一貫して対応。
※キャリア式では、会社ごとではなく「職種・業務のまとまり」で経験を整理します。最初に職務要約で経験年数・担当してきた業務・主な実績をまとめておくと、その後の職種ごとの説明が理解しやすくなります。
営業職の職務経歴
新規開拓営業
企業向けの新規顧客開拓営業を担当。電話営業、問い合わせ対応、展示会での名刺交換などから商談を獲得し、法人顧客への提案営業を実施。
【実績】
・年間新規契約数:40件
・月平均商談数:20件
・新規売上:年間約2,500万円【経験企業】
株式会社A(2012年〜2015年)
株式会社B(2015年〜2018年)※キャリア式では、同じ業務内容の経験が複数の会社にまたがる場合、会社ごとに分けずにまとめて書きます。業務内容の下に実績を書き、最後に経験した企業を並べると、経験の共通点が分かりやすくなります。
既存顧客営業
既存顧客への定期訪問、追加提案、契約更新を担当。顧客企業の課題をヒアリングし、サービス導入や契約更新の提案を実施。
【実績】
・担当顧客数:約100社
・契約更新率:94%
・追加契約売上:年間約3,000万円【経験企業】
株式会社C(2018年〜2021年)
株式会社E(2023年〜現在)※既存顧客営業では「担当社数」「契約更新率」「追加売上」など、業務量や成果が分かる数字を入れると評価が判断しやすくなります。
SaaS営業
クラウド型業務システムの法人営業を担当。オンライン商談を中心に、企業の業務課題に合わせたシステム導入提案を実施。
【実績】
・年間売上:4,800万円
・平均受注単価:120万円
・月平均契約数:3件【経験企業】
株式会社E(2023年〜現在)※IT・SaaS営業の場合は、売上額だけでなく「受注単価」や「月平均契約数」などの数字を入れると、営業規模や成果のレベルが具体的に伝わります。
営業事務の職務経歴
受発注管理・営業サポート業務
営業部門のサポートとして受発注処理、請求書作成、顧客データ管理などの業務を担当。営業担当が商談に集中できるよう、契約書作成や案件管理を行う。
【担当業務】
・受発注処理(月80件程度)
・請求書作成(月100件程度)
・顧客管理システムへのデータ入力
・営業資料作成サポート【経験企業】
株式会社D(2021年〜2023年)※事務職の場合は、担当業務だけでなく「月何件処理しているか」など業務量を数字で示すと、仕事の範囲や経験の量が伝わります。
保有スキル
・法人営業
・新規開拓営業
・既存顧客営業
・提案書作成
・顧客課題ヒアリング
・受発注管理
・CRMツール(Salesforce)※スキル欄は、職務経歴で書いた経験と一致する内容だけを整理して書きます。実務で使ったスキルを並べると、採用担当が業務適性を確認しやすくなります。
資格
普通自動車免許
ITパスポート※資格は応募職種と関係するものを優先して書きます。取得年月を付ける場合は「2020年3月 ITパスポート取得」のように記載します。
自己PR
法人営業として新規開拓営業と既存顧客営業の両方を経験し、顧客の課題を整理したうえで提案を行う営業スタイルを強みとしています。通信機器営業では年間約2,800万円、ITサービス営業では追加契約売上年間約3,500万円の成果を上げてきました。現在はSaaS営業としてオンライン商談を中心に年間4,800万円の売上を担当しています。営業事務として受発注や請求処理を担当した経験もあり、契約管理や案件管理の流れを理解しています。営業と事務の両方の経験を活かし、顧客対応から契約後フォローまで一貫して対応できる営業として貢献していきたいと考えています。
※キャリア式では、職務経歴の部分で業務内容と実績がすでに具体的に書かれているため、自己PRでは同じ内容を繰り返す必要はありません。職務経歴で書いた経験を整理し、「どんな強みがあり応募先でどう活かせるか」を200〜300字程度でまとめると読みやすくなります。
まとめ
キャリア式の職務経歴書は、会社ごとではなく「どんな仕事をしてきたか」で経験をまとめる書き方です。
同じ職種を複数の会社で続けている場合に、経験や実績をすっきり整理して伝えやすくなります。一方で、職歴が少ない場合は、会社ごとに時系列で書くほうが流れが自然に伝わることもあります。
どちらが良いかは、「仕事の内容を見せたいか」「経歴の流れを見せたいか」で選ぶのがポイントです。
自分の職歴に合わせて形式を選ぶことで、読み手に伝わりやすい職務経歴書に仕上がります。