目次
はじめに

職務経歴書に2社以上の職歴がある場合は、すべての会社を同じ分量・同じ熱量で書くよりも、応募先の仕事に直接つながる経験を中心に整理する書き方を選ぶほうが適しています。転職回数が多いこと自体で評価が下がることは少なく、どの経験を残し、どこを簡潔にまとめるか、その整理の仕方が合否を左右します。
職務経歴書では、在籍期間の長さや社数よりも、各職場でどの立場で仕事をしていたのか、どんな成果を出したのか、そしてその経験が次の仕事にどう生かせるのかが、ひと目で伝わることが重視されます。複数社の経歴がある場合は、直近の職歴や応募職種と関連性の高い経験は具体的に書き込み、関係の薄い職歴は要点だけを簡潔にまとめることで、採用担当者がスムーズに読み進められ、評価されやすい構成になります。
職務経歴書が2社以上だと不利になるのか?
職務経歴書に2社以上の職歴があっても、それだけで評価が下がることはほとんどありません。採用担当者が見ているのは会社の数ではなく、実際にどんな業務を担当してきたのか、そこでどのような成果を出してきたのか、そしてその経験が次の仕事にどう生かせるのかという点です。転職回数が増えた背景や流れが自然に読み取れ、経験が段階的に積み重なっていることが伝わる形で整理されていれば、ネガティブに受け取られることはありません。
採用担当者は「社数」ではなく中身を見ている
採用担当者が注目しているのは、「どの会社に何年いたか」という数字そのものよりも、その職場でどんな役割を任され、どんな成果を出してきたのかという中身です。たとえ複数社を経験していても、担当業務に共通点があり、スキルや責任の範囲が少しずつ広がっている様子が伝われば、評価は安定しやすくなります。一方で、在籍した会社の数が少なくても、具体的な仕事内容や実績が見えにくいと、採用側は判断に迷いやすくなってしまいます。
2社以上でも評価が下がらない職務経歴書の特徴
職務経歴概要(記載例)
これまで営業職として3社で勤務し、法人向けの新規開拓および既存顧客対応を中心に経験を積んできました。直近の会社では、ITサービスの法人営業を担当し、中小企業を対象に課題ヒアリングから提案、導入後のフォローまで一貫して対応してきました。
一方、初期の職歴では業界や職種が異なる経験もありますが、顧客対応や調整業務を通じて、対人折衝力や業務調整力を身につけてきました。これらの経験を活かし、相手の状況に合わせた提案や関係構築を強みとしています。
評価されやすい職務経歴書は、これまでの職歴が時系列や内容ごとにきちんと整理されていて、採用担当者が途中で立ち止まらずに読み進められる状態になっています。直近の仕事や応募職種と関係の深い経験については、担当していた業務内容や役割が自然に伝わるよう、具体的に書かれています。一方で、今回の募集と結びつきにくい職歴は、職種や期間、ポイントだけを簡潔にまとめられています。こうした書き分けができていると、職歴の数が多くても散らかった印象にならず、「経験を重ねてきた人」という前向きな受け取られ方につながります。
2社以上ある場合「職歴」はすべて書くべき?
職務経歴書では、勤務先が2社以上ある場合でも、基本的にはこれまでの職歴をすべて記載します。ただし、すべてを同じ熱量で詳しく書く必要はなく、応募先の仕事内容とつながりのある職歴を軸にして整理していくことが大切です。関係性の高い経験を丁寧に書き、そうでない部分を無理に削ったり省略しすぎたりすると、期間の抜けや流れの不自然さが目立ってしまいます。その結果、「何か隠しているのでは」と受け取られてしまうこともあるため、簡潔さと分かりやすさのバランスを意識することが重要です。
省いていい職歴と省かない方がいい職歴の違い
| 観点 | 省いていい(簡潔にまとめてよい)職歴 | 省かない方がいい職歴 |
|---|---|---|
| 応募職種との関係性 | 応募職種と業務内容がほとんど結びつかない | 応募職種と業務内容が直接・間接的につながる |
| 在籍期間 | 短期間で、かつ次のキャリアにも影響していない | 短期間でもキャリアの転換点・学びがある |
| 業務内容 | 定型的・補助的で、役割が限定的 | 担当範囲や責任が明確で、役割が説明できる |
| 成果・経験 | 成果や成長が説明しづらい | 数字・改善・役割変化など事実として示せる |
| 経歴の流れ | 全体の流れを理解するうえで重要ではない | キャリアのつながりを説明するうえで必要 |
| 省略した場合の影響 | 省略しても不自然さが出にくい | 省くと空白期間や不自然さが生じやすい |
| 記載の仕方 | 在籍期間+簡単な業務概要のみ | 業務内容・役割・成果を具体的に記載 |
在籍期間がごく短く、担当していた仕事も応募職種とほとんど関係がない職歴については、具体的な業務内容を細かく書かず、どんな仕事をしていたのかと在籍期間が分かる程度に簡潔にまとめて問題ありません。反対に、応募先の仕事に活かせる経験や、その後のキャリアにつながる意味を持つ職歴であれば、在籍期間が短くても省かずに記載する必要があります。その経験がどのように積み重なって今につながっているのか、流れとして自然に伝わるかどうかが、書き分けを判断するポイントになります。
短期間の職歴を書かないとどう見られるか
職務経歴(記載例|短期間の職歴を簡潔に記載)
2021年4月〜2021年9月 株式会社B
業界:広告代理店/職種:営業
法人顧客を対象に、Web広告の提案営業を担当。既存顧客へのヒアリングを中心に、広告運用の進行管理や社内外の調整業務に関わる。2021年10月〜2024年3月 株式会社C
業界:ITサービス/職種:営業
前職で培った顧客対応経験を活かし、中小企業向けにSaaSサービスの提案を担当。課題整理から提案、導入後のフォローまで一貫して対応している。
短期間で退職した職歴をまったく書かずにしまうと、履歴書に記載している内容と食い違いが出てしまい、「あえて省いているのでは」と受け取られることがあります。一方で、たとえ簡潔な書き方でも職歴としてきちんと載せておけば、どんな流れで転職に至ったのかや、その時の状況を採用担当者が自然に想像しやすくなります。事実関係を整理したうえで分かりやすく示しておくことで、余計な疑念を持たれにくくなります。
2社以上あるときどの書き方を選べばいい?
2社以上あるときは、どの書き方を選ぶかで職務経歴書の読みやすさが大きく変わります。職務経歴書にはいくつか代表的な形式があり、たとえば入社から退職までを古い順に並べる「時系列型」、直近の会社や経験を最初に置く「逆時系列型」、担当業務や職種ごとにまとめる「キャリア別(職能別)型」などがあります。
どれが正解というわけではなく、職歴の社数が多いのか、直近の経験を特にアピールしたいのか、応募職種と重なる業務がはっきりしているのかによって、向いている形式は変わります。経歴の量や応募先との関係性を踏まえて形式を選ぶことで、採用担当者が迷わず全体像を理解できる職務経歴書になります。
時系列で並べるときに向いている人
職務経歴(記載例|時系列型)
2016年4月〜2019年3月 株式会社A
業界:人材サービス/職種:法人営業
新規および既存法人顧客を担当し、求人ニーズのヒアリングから提案、契約後のフォローまで一連の業務を担当。入社2年目以降は後輩1名の業務サポートも任され、チーム内での情報共有や進捗管理にも関わる。2019年4月〜2023年6月 株式会社B
業界:人材サービス/職種:法人営業
前職での経験を活かし、主に中小企業向けの採用支援を担当。担当社数を増やしながら、業務改善提案や採用フローの見直しにも携わる。継続取引先の増加により、既存顧客の比率向上に貢献。2023年7月〜現在 株式会社C
業界:人材サービス/職種:法人営業
チームリーダーとしてメンバー3名の進捗管理を担当。自身も営業活動を行いながら、提案内容の質向上や業務効率化に取り組んでいる。
在籍期間が比較的長く、同じ職種や業界の中で少しずつ役割や業務範囲を広げてきた人には、入社順に職歴を並べる「時系列型」の書き方が向いています。どの会社でどんな仕事を経験し、次の職場で何を任されるようになったのかが、流れとして自然に伝わるためです。
たとえ2社以上の職歴があっても、転職ごとの背景やステップアップの過程が追いやすくなり、「経験を積み重ねてきたキャリア」として採用担当者に理解してもらいやすくなります。
直近の経験を強く出したい人に合う書き方
職務経歴(記載例|逆時系列型)
2022年8月〜現在 株式会社C
業界:ITサービス/職種:カスタマーサクセス
法人顧客向けにシステム導入後の活用支援を担当。導入初期のオンボーディングから運用定着までを一貫して支援し、問い合わせ対応や改善提案を行う。担当顧客の継続利用率向上を目的に、利用状況の分析や課題整理にも関与している。2019年4月〜2022年7月 株式会社B
業界:ITサービス/職種:営業
中小企業向けに業務効率化ツールの提案営業を担当。新規開拓および既存顧客対応を行い、契約後のフォローまで対応。顧客の業務内容をヒアリングし、課題に合わせた提案を行っていた。2016年4月〜2019年3月 株式会社A
業界:小売/職種:販売
店舗スタッフとして接客・在庫管理・売場づくりを担当。
この書き方は、直近の職歴から順に並べる「逆時系列型」にあたります。
今の仕事や直前の職場での経験が応募職種と強く重なっている人には、この形式がとても合います。
最新の勤務先や担当業務を最初に配置することで、今どんな仕事をしていて、どんなスキルを持っているのかが一目で伝わります。採用担当者は冒頭部分を重点的に読むことが多いため、「今すぐ任せられそうか」「募集ポジションに合っているか」を早い段階で判断しやすくなります。
一方で、少し前の職歴については、会社名・在籍期間・主な業務が分かる程度に後半でまとめると、情報が多くなりすぎず、全体の流れも整います。直近の強みをしっかり見せたい人に向いた書き方です。
職歴が多い人ほど整理しやすい書き方
職務経歴(記載例|キャリア別〈職能別〉型)
■ 法人営業・顧客対応業務
複数の会社にて、法人顧客を対象とした提案営業および既存顧客対応を担当。課題のヒアリングから提案、契約後のフォローまで一連の業務に携わる。業界や商材は異なるものの、顧客の状況を整理し、最適な提案を行う役割を一貫して担ってきた。■ 調整・進行管理業務
営業活動と並行して、社内外の関係者との調整や進行管理を担当。スケジュール管理、情報共有、問い合わせ対応などを通じて、業務が滞りなく進むようサポートする役割を果たしてきた。■ 改善提案・業務効率化
日々の業務の中で課題を見つけ、対応フローの見直しや改善提案を実施。作業手順の整理や共有方法の工夫により、業務の進めやすさ向上に貢献した。【在籍企業】
・株式会社A(20XX年〜20XX年)
・株式会社B(20XX年〜20XX年)
・株式会社C(20XX年〜現在)
職歴が多く、会社ごとに仕事内容や役割がばらばらな人には、担当してきた業務や役割ごとに整理する「キャリア別(職能別)型」の書き方が向いています。どの会社に在籍していたかを細かく追うのではなく、「どんな業務を任されてきたか」「どんな役割を担ってきたか」を軸にまとめることで、経験の方向性が見えやすくなります。
複数の会社で似た業務を経験している場合も、それらを一つのまとまりとして整理できるため、職歴の多さに目が向きにくくなります。その結果、経歴が散らかった印象にならず、「この分野の経験を重ねてきた人」という強みが自然に伝わりやすくなります。
2社以上の職歴を1枚・2枚にまとめるコツ
職務経歴書が2社以上になると、書く内容が増えやすく、並べ方や強弱の付け方を間違えると、どこを読めばいいのか分かりにくい書類になってしまいます。評価されやすい職務経歴書は、文字数を減らすことを目的にしているわけではなく、採用担当者が知りたい情報が自然に視界に入るよう整理されています。必要な経験はきちんと残しつつ、重要度の低い部分は簡潔にまとめることで、全体を通して無理なく読み進められる構成になっています。
職務要約は何行までがちょうどいいか
職務要約(記載例|3〜5行)
法人向け営業職として複数社で勤務し、新規顧客開拓および既存顧客対応を中心に経験を積んできました。直近ではITサービスの提案営業を担当し、課題ヒアリングから提案、導入後のフォローまで一貫して対応しています。業界は異なりますが、顧客の状況を整理し、最適な提案につなげる役割を継続して担ってきました。関係者との調整や進行管理にも携わり、円滑な業務推進を強みとしています。
職務要約は、全体で3〜5行ほどに収めると、最初に目を通す側の負担が少なくなります。複数の会社を経験している場合でも、在籍した会社名や職歴をすべて並べる必要はなく、共通して担当してきた職種や、自分の強みが伝わるポイントを軸にまとめると要点がつかみやすくなります。要約部分が長くなりすぎると、本文を読む前から「情報が多そう」という印象を与えてしまうため、全体像がすっと入る長さを意識することが大切です。
力を入れる職歴と軽くまとめる職歴の分け方
職務経歴(記載例|書き分けあり)
2021年4月〜現在 株式会社C
業界:ITサービス/職種:法人営業
中小企業向けに業務支援システムの提案営業を担当。課題ヒアリングから提案、契約、導入後のフォローまで一貫して対応している。担当顧客は常時20社前後で、既存顧客の継続利用促進にも注力。提案内容の見直しにより、契約更新率の向上に貢献した。2018年4月〜2021年3月 株式会社B
業界:人材サービス/職種:法人営業
企業の採用課題に対する求人提案を担当。新規開拓および既存顧客対応を行い、求人内容の調整や掲載後のフォローを経験。2016年4月〜2018年3月 株式会社A
業界:小売/職種:販売
店舗スタッフとして接客対応、商品陳列、在庫管理を担当。
応募先の仕事内容と直接つながる職歴や、直近の職歴については、どんな業務を任されていたのか、どのような成果につながったのかがイメージできるよう、少し具体的に書いていきます。反対に、応募先との関係が薄い職歴や、かなり前の職歴については、在籍していた期間と主な業務内容が分かる程度にまとめておけば十分です。こうして書き方に差をつけることで、伝えたい経験はきちんと残しながら、全体を1〜2枚に無理なく収めやすくなります。
情報を削りすぎて起きやすい失敗
NG例(削りすぎて伝わらない)
2020年4月〜2023年3月 株式会社B
法人営業を担当。→ 何をしていたのか、どの程度の役割だったのかが分からず、評価の材料がほとんど残りません。
OK例(簡潔だが評価につながる)
2020年4月〜2023年3月 株式会社B
法人向けに業務支援サービスの提案営業を担当。中小企業を中心に約30社を継続的に担当し、課題ヒアリングから提案、導入後のフォローまで対応。→ 分量は抑えつつも、「業務内容」「担当範囲」「役割」が具体的に伝わります。
分量を抑えようとして、担当していた役割や成果まで削ってしまうと、その職歴がどれほどの価値を持つのかが伝わりにくくなります。たとえば、数字や具体的な担当範囲が抜けてしまうと、「どの程度の規模を任されていたのか」「何ができる人なのか」を判断する材料が不足してしまいます。文章を簡潔にまとめる場合でも、どんな業務を担い、どんな力を発揮してきたのかが分かる最低限の情報は、きちんと残しておくことが大切です。
2社以上でも評価されやすい書き方の共通ルール
職務経歴書に2社以上の職歴があっても、評価されやすい書類には共通した書き方があります。大切なのは情報をたくさん詰め込むことではなく、採用担当者が目を通したときに、「この人はどんな仕事ができて、どんな強みを持っているのか」が立ち止まらずに理解できるかどうかです。採用担当者が迷わずイメージできる形で整理されているかが、評価を分けるポイントになります。
成果はどこまで具体的に書けばいいか
記載例①(数字で示せる場合)
2021年4月〜2024年3月 株式会社C
業界:ITサービス/職種:法人営業
中小企業向けに業務支援システムの提案営業を担当。常時25〜30社を担当し、課題ヒアリングから提案、契約、導入後のフォローまで一貫して対応。既存顧客への提案内容を見直した結果、契約更新率の向上に貢献した。
記載例②(数字が出せない場合)
2019年4月〜2021年3月 株式会社B
業界:広告/職種:進行管理
広告制作の進行管理を担当し、関係者との調整やスケジュール管理を行った。業務フローを整理し、情報共有方法を見直したことで、案件ごとの確認工数を削減し、業務の進めやすさ改善に貢献した。
成果は、数字や事実を交えて客観的に示されているほど、採用担当者に伝わりやすくなります。たとえば売上金額や対応件数、担当していた業務の範囲や規模などは、大小に関係なく具体的に書かれていることで、「どのレベルの仕事を任されていたのか」が自然に伝わります。もし数字として表せない場合でも、業務の進め方をどう改善したのか、任される役割がどう変わったのかを事実ベースで書くことで、その人の働きぶりや成長がイメージしやすくなり、十分な説得力を持たせることができます。
仕事内容が似ている職歴はどうまとめるか
職務経歴(記載例|類似業務をまとめて記載)
■ 顧客対応・提案業務
複数の会社にて、法人顧客を対象とした対応業務を担当。問い合わせ対応や課題のヒアリングを行い、状況に応じた提案や調整を行ってきた。業界や商材は異なるものの、顧客の要望を整理し、社内外の関係者と連携しながら対応する役割を一貫して担っている。■ 進行管理・調整業務
案件ごとのスケジュール管理や関係部署との調整を担当。納期や優先順位を意識しながら進行を管理し、業務が滞らないようサポートしてきた。■ 会社ごとの補足
・株式会社A:既存顧客対応を中心に、問い合わせ対応や社内連携を担当
・株式会社B:新規顧客対応を含め、提案資料の作成や進行管理に関与
・株式会社C:顧客窓口として継続対応を行い、業務改善提案にも携わる
複数の会社で似たような業務を担当してきた場合は、会社ごとに同じ説明を繰り返すよりも、共通して行っていた業務内容を一つのまとまりとして整理した方が、採用担当者には理解しやすくなります。たとえば「顧客対応」「進捗管理」「数値管理」など、軸となる業務を先に示しておくことで、どんな分野の経験があるのかが一目で伝わります。そのうえで、会社ごとに異なる点や成果だけを補足すると、「同じ業務でも環境に応じて対応してきた」という経験の厚みが、無理なく伝わるようになります。
異なる職種が混ざっている場合の伝え方
職務経歴(記載例|異職種あり・共通スキル軸)
■ 調整・コミュニケーションを軸とした業務経験
営業職・事務職・進行管理など、異なる職種を経験してきましたが、いずれの職場でも関係者の間に立ち、情報を整理しながら業務を円滑に進める役割を担ってきました。顧客や社内メンバーの要望をすり合わせ、優先順位を調整しながら対応することを強みとしています。■ 課題整理・改善提案
日々の業務の中で発生する課題に対し、現状を整理したうえで改善案を考え、提案・実行に関与してきました。職種は異なっても、「どうすれば業務が進めやすくなるか」「無駄を減らせるか」という視点で行動してきた点は共通しています。【職種別の補足】
・営業職:顧客対応、課題ヒアリング、提案業務
・事務職:業務サポート、情報整理、進行補助
・進行管理:スケジュール調整、関係者対応、進捗管理
異なる職種の経験が混ざっている場合でも、共通して身についたスキルや担ってきた役割を軸に整理すると、経歴全体に一貫した流れが生まれます。たとえば、関係者の間に立って調整を行ってきたことや、課題に対して改善案を考え提案してきた経験など、実際の業務の中で繰り返し発揮してきた行動に焦点を当てて書くことで、職種が違っていても強みがぶれにくくなります。その結果、職種の違いそのものが目立たず、「どんな場面でも活かせる力を持っている人」という印象につながりやすくなります。
転職回数が多い人が特に気をつけたい落とし穴
転職回数が多い場合でも、職務経歴書のまとめ方次第で、受け取られ方は大きく変わります。評価が下がってしまうのは「回数が多いから」ではなく、どんな仕事をしてきたのか、なぜ次の職場に移ったのかが見えず、採用担当者が頭の中で整理できなくなるときです。経歴の流れや経験の軸が分かる形で書かれていれば、転職の多さよりも「どんな力を積み上げてきた人なのか」に自然と目が向くようになります。
すべて同じ熱量で書くのはNG
NG例(すべて同じボリュームで書いている)
2016年4月〜2018年3月 株式会社A
店舗スタッフとして接客、レジ対応、商品陳列、在庫管理を担当。売場づくりや発注業務にも携わり、日々の業務を幅広く経験。2018年4月〜2021年3月 株式会社B
法人営業として新規開拓および既存顧客対応を担当。顧客へのヒアリング、提案資料の作成、契約対応、アフターフォローまで幅広く対応。2021年4月〜現在 株式会社C
法人向けITサービスの提案営業を担当。課題ヒアリングから提案、契約、導入後のフォローまで一貫して対応し、顧客対応を行っている。
すべての職歴を同じボリュームで並べてしまうと、本来いちばん伝えたい経験まで他の情報に埋もれてしまいます。採用担当者は限られた時間で目を通しているため、「どの経験を評価すればいいのか」がすぐに分からないと、読み進めながら迷ってしまいます。その結果、強みとなる部分に十分に目が向かないまま読み終わってしまい、印象に残らない書類になってしまうことがあります。
経歴がバラバラに見えてしまうNG例
NG例(軸がなく、経歴がちぐはぐに見える)
2016年4月〜2018年3月 株式会社A
店舗スタッフとして接客業務を担当。笑顔での対応を心がけ、レジ業務や品出しを行った。2018年4月〜2020年6月 株式会社B
営業事務として資料作成やデータ入力を担当。正確さを意識し、事務作業を行った。2020年7月〜2023年3月 株式会社C
法人営業として新規顧客へのアプローチを担当。売上向上を目指して営業活動を行った。
職歴ごとに書き方や伝え方が大きく変わってしまうと、「この人はどんな軸で仕事をしてきたのだろう」と、経歴全体がちぐはぐに見えてしまいます。会社名や業務内容をただ並べているだけでは、それぞれの経験がどうつながっているのかが採用担当者に伝わりません。共通して担ってきた役割や、どんな成果を重ねてきたのかという視点で整理されていないことが、まとまりを感じにくくしてしまう原因になります。
「一貫性がない」と思われやすいNG例
NG例(理由説明が前に出てしまっている)
2021年4月〜2021年8月 株式会社B
入社後に業務内容が想定と異なることが分かり、十分に力を発揮できないと感じたため退職。人間関係や評価制度にも悩みがあり、将来を考えて転職を決意。2021年9月〜2023年3月 株式会社C
前職での反省を踏まえ、自分に合った環境を求めて入社。業務量が多く、体調面の不安もあったため、長期的な就業が難しいと判断し退職。
短期間での転職理由を細かく書き込みすぎたり、事情説明が長くなって言い訳のように見えてしまうと、どうしても前向きな印象は弱くなってしまいます。どんな背景があったのかを伝えたい気持ちがあっても、事実関係を簡潔に示す程度で十分です。そのうえで、実際に担当していた業務内容や、そこで出した成果に目を向けて書くことで、採用担当者の意識が仕事そのものに向きやすくなり、余計な評価リスクを避けやすくなります。
2社以上の職務経歴書でよくある質問
職務経歴書に2社以上の職歴があると、「どこまで書くべきか」「何を削っていいのか」など、細かな部分で迷いやすくなります。その場その場で悩みながら書き直していると、全体のバランスが崩れたり、何度も修正することになりがちです。あらかじめ判断に迷いやすいポイントを整理しておくことで、書き方の軸がぶれにくくなり、無駄な手直しや書き直しをせずに進めやすくなります。
アルバイト・契約社員も書いた方がいい?
応募職種とつながる業務を実際に担当していたのであれば、正社員か契約社員か、アルバイトかといった雇用形態に関わらず、職歴としてきちんと記載した方が評価につながりやすくなります。採用担当者が知りたいのは肩書きよりも、「どんな仕事を任されていたのか」「どんな力を使っていたのか」だからです。反対に、応募先の仕事と関係が薄い業務については、在籍していた期間と簡単な業務内容が分かる程度にまとめておけば十分です。その経験が今回の応募にどう関係するのか、意味として伝わるかどうかを基準に考えると、書き分けがしやすくなります。
在籍期間が短い会社はどう書くのが無難?
在籍期間が短い職歴であっても、どんな業務を担当し、どの立場で関わっていたのかを簡潔に書いておけば、経歴として不自然に見えることはありません。なぜ短期間だったのかを強調するよりも、実際に何を任され、どこまで関与していたのかを事実として示す方が、採用担当者は状況を落ち着いて受け取れます。仕事の中身が分かる形で整理されていれば、余計な疑念を持たれにくくなります。
履歴書との職歴のズレは問題になる?
履歴書と職務経歴書で職歴の内容にずれがあると、採用担当者が確認し直す必要が出てきてしまい、その分だけ印象が下がりやすくなります。とくに会社名や在籍期間が一致していないと、「どちらが正しいのか」と余計な手間をかけさせてしまいます。会社名や期間は必ず同じ表記にそろえたうえで、職務経歴書では「どんな業務を担当していたのか」「どんな成果につながったのか」を補足する形にすると、書類全体に無理のない流れが生まれ、自然に読み進めてもらいやすくなります。
まとめ
職務経歴書が2社以上ある場合でも、評価を分けるのは社数そのものではなく、これまでの経験がどのように整理され、どう伝えられているかです。すべての職歴を同じ分量で並べるのではなく、応募先の仕事内容と直接つながる経験を中心に据えてまとめることで、複数の会社を経験していること自体が強みとして受け取られやすくなります。
職歴は原則としてすべて記載しつつ、関連性の高いものは担当業務や成果が具体的に伝わるように書き、関係の薄いものは要点だけを簡潔に整理することが大切です。書き方の形式を適切に選び、分量にメリハリをつけ、成果の示し方を押さえておけば、転職回数や社数が理由で不利に見られることはほとんどありません。