はじめに
「退職したいと伝えたら、会社と気まずくなりそう…」
「有給休暇を取りたいのに、断られたらどうしよう…」
「退職日や引き継ぎのことで揉めてしまわないかな?」
と不安に感じていませんか。
退職は、退職の意思を伝えたあとも、退職日の調整や引き継ぎ、有給休暇の取得、貸与物の返却など、さまざまな手続きを進める必要があります。
たとえば、退職の申し出が直前になったり、引き継ぎが十分にできていなかったりすると、会社との話し合いが長引いてしまうこともあります。
一方で、事前に流れを把握し、必要な準備を進めておけば、落ち着いて退職手続きを進めやすくなります。
この記事では、退職時に起こりやすいトラブルや会社と揉めやすいケース、できるだけスムーズに退職するためのポイントをわかりやすく解説します。
退職すると会社と揉めることはあるの?

退職すると、「会社から強く引き止められるのでは?」「退職届を出したあとに揉めたらどうしよう…」と不安に感じる方は少なくありません。
ただし、退職の伝え方や連絡のタイミング、引き継ぎ対応の進め方によっては、会社側との認識にズレが生まれ、話し合いが長引くことがあります。
ここでは、通常の退職で大きな問題になりにくい理由と、会社と揉めやすくなる退職時の対応について整理して解説します。
通常の退職だけで大きなトラブルになるケースは少ない
通常の退職手続きに沿って進めている場合は、会社と大きなトラブルになるケースは多くありません。
たとえば、退職の意思を退職希望日の1〜2か月前に直属上司へ伝え、最終出社日まで勤務し、担当業務の引き継ぎメモや進行状況を共有し、パソコン・社員証・入館カードなどの貸与物を返却して退職する流れであれば、退職後まで問題が続くケースは少ないです。
会社側も毎年複数人の退職対応を行っているため、就業規則や社内手続きに沿って進めれば、そのまま退職日を迎える形になることがほとんどです。
会社と揉めやすいのは退職時の対応が原因になりやすい
会社と揉めやすくなるのは、「退職すること自体」よりも、退職時の対応が原因になるケースが多いです。
たとえば、退職日を決めたあとに無断欠勤が続く、担当業務の進行状況を共有しないまま出社しなくなる、取引先への連絡を行わない、会社貸与のパソコンやスマートフォンを返却しない、といった対応があると、会社側は通常業務を止めて対応する必要が出てきます。
その結果、「連絡が取れない」「引き継ぎが進まない」「必要なデータが残っていない」といった状態になり、退職後までやり取りが続く原因になりやすいです。
退職時に会社と揉めやすいケース

退職そのものが問題になるというよりも、退職までの対応や連絡の進め方が原因で会社と揉めるケースは少なくありません。
特に、連絡が取れない状態が続いたり、引き継ぎや返却対応が止まったまま退職日を迎えたりすると、会社側との認識にズレが生まれやすくなります。
ここでは、退職時に会社と揉めやすくなりやすい代表的なケースについて、具体的に確認していきます。
無断欠勤のまま退職しようとする場合
退職の連絡をしないまま出社しなくなり、そのまま退職しようとすると、会社と揉めやすくなります。
たとえば、始業時間を過ぎても連絡がなく、電話やチャットにも返信しない状態が2〜3日続くと、会社側は安否確認や担当業務の状況確認を行う必要が出てきます。
また、進行中案件の対応状況や顧客連絡の有無が分からないままになると、別の社員が内容確認をしながら対応を引き継ぐことになります。
その結果、「退職日が確定できない」「貸与物の返却確認が進まない」「必要な業務情報が残っていない」といった状態になり、退職手続きのやり取りが長引きやすくなります。
引き継ぎを全く行わない場合
担当業務の引き継ぎを全く行わないまま退職すると、会社と揉めやすくなります。
たとえば、進行中案件の対応状況、顧客とのやり取り履歴、提出期限、保存フォルダ、使用していた管理ツールの情報を残さないまま最終出社日を迎えると、後任担当者は業務内容を一から確認しながら対応することになります。
また、「どの案件が完了しているのか」「未対応タスクが何件あるのか」が分からない状態になると、取引先への連絡漏れや対応遅れが発生しやすくなります。
その結果、「必要な情報が共有されていない」「業務が止まった」と会社側が判断し、退職後まで連絡や確認対応が続きやすくなります。
会社の貸与物を返却しない場合
会社から貸与されていた物を返却しないまま退職すると、会社と揉めやすくなります。
たとえば、ノートパソコン、社員証、入館カード、業務用スマートフォン、USBメモリ、鍵などを最終出社日までに返却せず、退職後も連絡が取れない状態になると、会社側は回収対応を進める必要が出てきます。
また、パソコン内に業務データや顧客情報が残ったまま返却されない場合は、業務再開や情報管理の確認も進められなくなります。
その結果、「返却確認が終わらない」「会社データの管理状況が確認できない」といった状態になり、退職後まで連絡や確認対応が続きやすくなります。
退職日を急に変更しようとする場合
一度決めた退職日を直前になって急に変更しようとすると、会社と揉めやすくなります。
たとえば、「月末退職」で調整していたにもかかわらず、退職日の3〜5日前になって「来週から出社できない」「明日で辞めたい」と変更を申し出ると、会社側は後任配置や業務引き継ぎ、有給処理、取引先対応を短期間でやり直す必要が出てきます。
また、最終出社日を前倒しすると、共有予定だった業務内容や返却物確認も予定通り進められなくなります。
その結果、「引き継ぎ日程が崩れた」「社内手続きが間に合わない」といった状態になり、退職日調整をめぐってやり取りが長引きやすくなります。
感情的な連絡や対応をしてしまう場合
退職時の連絡や対応で感情的な言動をしてしまうと、会社と揉めやすくなります。
たとえば、チャットやメールで上司や会社への不満を書き続ける、電話で強い口調のやり取りを繰り返す、社内共有ツールへ批判内容を書き込む、といった対応をすると、退職日や引き継ぎ確認など本来必要な手続きの話し合いが進みにくくなります。
また、感情的なやり取りが記録として残ると、退職後の確認連絡でも対応が慎重になり、通常より多くの確認ややり取りが必要になることがあります。
その結果、「必要な確認が進まない」「連絡内容の認識が合わない」といった状態になり、退職手続きが長引きやすくなります。
会社が問題視しやすいポイント

会社側が退職時に確認しているのは、「退職すること自体」ではなく、退職によって業務や管理面に問題が発生していないかという点です。
たとえば、担当業務が途中で止まったままになっていたり、会社貸与のパソコンや入館証が返却されていなかったり、本人と連絡が取れない状態が続いている場合は、社内対応が進まなくなることがあります。
ここでは、会社側が特に問題視しやすいポイントについて具体的に整理していきます。
業務が止まる状態になっているか
会社が特に問題視しやすいのは、退職によって担当業務が止まる状態になっているかどうかです。
たとえば、対応予定だった案件の進行状況が共有されていない、提出期限が近い業務の対応内容が残されていない、顧客連絡の履歴が確認できない状態で退職すると、別の社員が内容確認から対応を始める必要が出てきます。
また、使用していた管理ツールや保存フォルダの場所が分からないままになると、必要なデータ確認にも時間がかかります。
その結果、通常1〜2時間で進む業務確認に半日以上かかることもあり、「業務が止まっている」と会社側が判断しやすくなります。
会社の備品や情報が未返却になっていないか
会社は、貸与していた備品や業務情報がきちんと返却されているかを確認しています。
たとえば、ノートパソコン、社員証、入館カード、業務用スマートフォン、鍵などが未返却のままだと、会社から確認の連絡が入ることがあります。
また、顧客データや契約資料、クラウドサービスのログイン権限などが残っている場合も、情報管理の確認が必要になります。
退職後のやり取りを減らすためにも、最終出社日までに備品の返却やアカウント整理を済ませておくと安心です。
連絡が取れない状態になっていないか
会社は、退職手続き中に連絡が取れない状態になっていないかを特に問題視しています。
たとえば、電話に出ない状態が数日続く、メールやチャットを既読のまま返信しない、退職日や返却日確認の連絡に回答しない状態になると、会社側は必要な手続きを進められなくなります。
また、引き継ぎ内容や返却物確認について追加確認が必要になっても本人確認ができないため、社内担当者が対応を止めたまま待機する状況が発生します。
その結果、「退職処理が完了できない」「必要な確認が進まない」と会社側が判断し、通常より長く連絡や確認対応が続きやすくなります。
退職時のトラブルを避ける進め方

退職時のトラブルは、特別な問題が起きた場合だけではなく、「連絡不足」「引き継ぎ不足」「返却漏れ」など、小さな行き違いが積み重なって発生することがあります。
そのため、退職を進めるときは、会社側が確認しやすい状態を作りながら、必要な対応を順番に進めていくことが大切です。
ここでは、退職時に会社と揉めにくくするために、事前に進めておきたい対応を整理して解説します。
退職の意思は早めに伝える
退職時のトラブルを避けるためには、退職の意思をできるだけ早い段階で直属上司へ伝えることが重要です。
たとえば、退職希望日の1〜2か月前に面談時間を取り、「○月○日で退職したい」と具体的な日付まで伝えておくと、会社側は後任調整や引き継ぎ日程を進めやすくなります。
また、退職日が早い段階で共有されていると、業務整理や有給消化日数の確認も計画的に進められます。
引き継ぎ内容を最低限整理して残す
退職時のトラブルを避けるためには、引き継ぎ内容を最低限整理して残しておくことが重要です。
たとえば、担当案件ごとの進行状況、未対応タスク、提出期限、顧客連絡の有無、保存フォルダの場所、使用している管理ツールの情報を文書や共有データへまとめて残しておくと、後任担当者が状況確認を進めやすくなります。
また、「対応済み」「確認待ち」「未着手」など状態を分けて記載しておくと、退職後に追加確認が必要になる場面も減らしやすくなります。
その結果、「必要な情報が残っていない」「業務内容が分からない」といった状態を防ぎやすくなり、退職後まで連絡や確認対応が続く可能性を減らしやすくなります。
貸与物や会社データを返却する
退職時のトラブルを避けるためには、会社から貸与されていた物や業務データを最終出社日までに返却することが重要です。
たとえば、ノートパソコン、社員証、入館カード、業務用スマートフォン、鍵、USBメモリなどを返却し、会社指定の保存先へ必要な業務データを移動した状態で退職すると、会社側は返却確認や業務確認を進めやすくなります。
また、私物データを削除したあとに、顧客情報や契約資料など会社データが残っているか確認しておくと、退職後の追加確認も発生しにくくなります。
その結果、「返却物が不足している」「必要なデータが見つからない」といった状態を防ぎやすくなり、退職後まで連絡や確認対応が続く可能性を減らしやすくなります。
やり取りは記録が残る形で行う
退職時のトラブルを避けるためには、退職日や引き継ぎ内容、返却物の確認などのやり取りを記録が残る形で行うことが重要です。
たとえば、退職日の確認、貸与物返却日、引き継ぎ完了内容などをメールや社内チャットで送信しておくと、「聞いていない」「共有されていない」といった認識違いを防ぎやすくなります。
また、電話で話した内容についても、通話後に「本日確認した内容です」と文章で共有しておくと、退職後に追加確認が必要になる場面を減らしやすくなります。
退職時に最低限整理しておきたいこと

退職時は、「とりあえず退職日だけ決めれば終わり」と考えてしまうと、最終出社日直前になって確認漏れや対応不足が見つかることがあります。
特に、引き継ぎ内容が口頭だけになっていたり、会社データや貸与物の整理が終わっていなかったりすると、退職後も会社から連絡が来やすくなります。
ここでは、退職時に最低限整理しておきたい内容について、順番に確認していきます。
引き継ぎ内容をメモで残す
退職前には、担当業務の引き継ぎ内容をメモで整理して残しておくことが重要です。
たとえば、進行中案件の状況、未対応タスク、提出期限、顧客連絡の有無、使用している管理ツール、保存フォルダの場所などを文書へまとめておくと、後任担当者が内容確認を進めやすくなります。
また、「対応済み」「確認待ち」「未着手」など状態を分けて記載しておくと、退職後に「どこまで進んでいたのか」を追加確認する必要も減らしやすくなります。
返却物と会社データを確認する
退職前には、返却が必要な物と会社データの状態を事前に確認しておくことが重要です。
たとえば、ノートパソコン、社員証、入館カード、業務用スマートフォン、鍵、USBメモリなどを一覧で確認し、最終出社日までに返却できる状態へ整理しておくと、返却漏れを防ぎやすくなります。
また、パソコン内の業務データについても、会社指定の保存先へ移動されているか、顧客情報や契約資料が削除されず残っているかを確認しておくと、退職後の追加確認が発生しにくくなります。
退職連絡は記録が残る形で行う
退職連絡は、メールや社内チャットなど記録が残る形で行うことが重要です。
たとえば、退職希望日、最終出社日、引き継ぎ予定、貸与物返却日などを文章で送信しておくと、「退職日を聞いていない」「返却予定を確認していない」といった認識違いを防ぎやすくなります。
また、口頭で話した内容についても、その日のうちに「本日確認した内容です」と文章で共有しておくと、後から確認が必要になった場合でも内容を見返しやすくなります。
まとめ
退職時のトラブルは、退職そのものではなく、退職までの進め方によって起こることが少なくありません。
無断欠勤や引き継ぎ不足、貸与物の未返却などがあると、会社側も確認対応が必要になり、退職後まで連絡が続くことがあります。
そのため、退職の意思は早めに伝え、引き継ぎや返却物の準備を進めながら、やり取りを記録に残しておくことが大切です。
また、担当業務の状況や未対応の作業を整理して共有しておくと、認識違いや確認漏れを防ぎやすくなります。
退職は新しいスタートへ向けた大切な節目です。会社とのやり取りを丁寧に進めながら、落ち着いて準備を進めていきましょう。