目次
はじめに

営業事務の職務経歴書は、「どんな業務をしていたか」を並べるよりも、「営業をどれだけ、どんな形で支えてきたか」が一目で伝わる書き方を選んだほうが、書類の通過率は高くなりやすいです。
単なる業務一覧ではなく、担当していた範囲や日々の処理量、現場を回すために意識してきた工夫が自然と浮かぶ構成にすることが大切です。
営業事務は、売上のように分かりやすい数字が表に出にくい職種ですが、決して評価されない仕事ではありません。
たとえば、1日に何件の受発注を安定して処理していたのか、営業担当とどの距離感で連携していたのか、ミスや遅れを防ぐためにどんな工夫を重ねてきたのか。
こうした積み重ねは、書き方次第で十分に強みとして伝えられます。反対に、業務内容を時系列で淡々と書いてしまうと、「この人は結局、何ができる人なのか」が見えにくくなり、経験があっても書類選考で止まってしまうことが少なくありません。
採用担当者が見ているのは、事務経験の年数そのものではなく、「この人が入ったら、営業の現場がどれくらいスムーズに回るようになるか」という点です。その視点を意識して職務経歴書を整えることが、営業事務としてきちんと評価されるための、いちばん近道になります。
営業事務の職務経歴書はどこを見られている?
営業事務の職務経歴書で、最初に目を通されているのは、細かいスキルの羅列ではありません。冒頭にある職務要約と、職務経歴の書き出し数行を読んだときに、「この人は、営業をどんな立場で支えてきた人なのか」がすぐに思い浮かぶかどうかが見られています。ここで役割がイメージできない場合、その先をじっくり読まれる前に判断されてしまうことも、決して珍しくありません。
採用担当者は、営業事務を「言われた作業をこなす事務担当」ではなく、「営業活動が滞らないよう支える存在」として捉えています。受発注処理や見積作成、スケジュール管理といった業務内容そのものよりも、それらを通じて、営業がどれだけスムーズに動けていたかが重視されます。そのため、「○○を担当していました」という事実だけの書き方では、どうしても評価が弱くなりやすいのです。
実際に評価されやすいのは、担当範囲が自然と浮かぶ具体的な情報です。たとえば、何名の営業担当を日常的にサポートしていたのか、受発注や見積対応をどのくらいの頻度で行っていたのか、忙しい時期やトラブルが起きた場面で、どのように現場を支えてきたのか。こうした要素が見えると、採用担当者は自社の営業体制に当てはめて、働く姿をイメージしやすくなります。
反対に、評価を下げやすいのは、履歴書とほとんど同じ内容を繰り返している職務経歴書です。会社名や在籍期間、簡単な業務名だけでは、実際にどんな経験を積んできたのかが伝わりません。営業事務の場合は特に、「事務経験があります」という前提だけでは差がつかない、と考えて見られていることを意識しておくほうが安心です。
「営業事務の職務経歴書」基本の型はこれでok
営業事務の職務経歴書は、個性的な構成で工夫することよりも、採用担当者が普段から見慣れている「定番の型」に沿って、きちんと整っていることのほうが大切です。書き方の流れや項目の並びが一般的な形から外れているだけで、「少し読みづらいな」「判断しにくいかも」と感じられてしまい、内容をじっくり見てもらう前に印象を下げてしまうこともあります。どれだけ中身が良くても、型が崩れていることで損をしてしまうのは、とてももったいないポイントです。
営業事務の職務経歴書に必ず入れるべき項目は4つだけ
職務要約
これまで、どのような立場で営業事務を担当してきたのかを、ぎゅっと短く伝えるための部分です。ここで、経験年数や主に関わってきた業務の範囲、何名規模の営業を支えてきたのかといった全体像がつかめると、その先の職務経歴も自然な流れで読んでもらいやすくなります。採用担当者にとっても、「どんな経験を持つ人なのか」を最初に整理して理解できるため、以降の内容が頭に入りやすくなります。
職務経歴
在籍していた期間ごとに、その時どんな業務を担当し、どんな役割を担っていたのかを整理していきます。営業事務の場合は、業務名をただ並べるよりも、どこまでを任されていたのか、日々どのくらいの業務量を対応していたのかが伝わる書き方のほうが、経験の中身を具体的に感じてもらいやすく、評価にもつながりやすくなります。
スキル・資格
WordやExcelといったPCスキルや、日常業務で使用していたシステム、これまでに取得している資格をまとめる項目です。「使えます」と書くだけではなく、どんな業務の中で、どのように活用していたのかが自然と想像できる書き方にすると、スキルの実用性が伝わりやすくなります。実際の仕事の場面が思い浮かぶ表現を意識すると、全体として安定感のある内容になります。
自己PR
営業事務として、どんな場面で自分の力を発揮してきたのかを伝えるための項目です。営業担当とどのような関わり方をしていたのか、日々の業務を滞りなく進めるためにどんな点を意識していたのかが、押しつけがましくなく自然に伝わる内容が好まれます。具体的な仕事の空気感が思い浮かぶと、読み手にも「一緒に働く姿」が想像しやすくなります。
A4・1〜2枚に収めるのが無難な理由
営業事務の職務経歴書は、たくさん書けば書くほど評価が高くなるものではありません。A4用紙で1〜2枚程度にまとまっていれば、全体の経験や強みを短い時間で把握してもらいやすく、読む側の負担も増えにくくなります。無理に内容を削り込む必要はありませんが、細かすぎる説明や、意味が重なっている表現は一度整理してあげたほうが、結果として伝えたいことがすっと届きやすくなります。
職務要約は、どこまで書けばいい?
職務要約は、営業事務として「どんな立ち位置で仕事をしてきた人なのか」が、ぱっと見て分かる長さで十分です。目安は3〜4行ほどで、これまでの経験年数や主に関わってきた業務の範囲、何名規模の営業を支えてきたのかが、無理なく一続きで伝われば問題ありません。
文字数を増やせば評価が上がるわけではなく、情報が広がりすぎるほど、かえって判断しにくくなってしまいます。採用担当者は、この部分を読んだ時点で、「この人なら、自社の営業現場を安心して任せられそうか」を感覚的に見ています。そのため、要点が自然に伝わるシンプルさが、とても大切になります。
営業事務で評価されやすい要約の形
営業事務の場合、「○年間、営業事務として勤務していました」という一文だけで終わらせてしまうと、どうしても役割が伝わりにくくなります。たとえば、何名ほどの営業担当を日常的にサポートしていたのか、受発注処理や見積作成、納期調整などの中で、どの業務を主に任されていたのかまで触れてあげると、仕事の立ち位置がぐっと具体的に浮かびます。
実際には、営業サポートの窓口として日々のやり取りを一手に担っていたのか、それとも複数の業務を横断しながら全体を支えていたのかによって、読み手が受け取る印象は大きく変わります。同じ「営業事務」という肩書きでも、関わり方や責任の持ち方によって、現場での存在感はまったく違って見えるからです。
だからこそここは、「どんな規模感で、どんな領域を、どの程度任されていたのか」が自然に伝わるよう、少し踏み込んで具体的に書いてあげることが大切です。数字や業務範囲がさりげなく入るだけで、経験の中身がぐっとリアルに伝わりやすくなります。
書きすぎ・抽象的になりやすいNGパターン
職務要約でよく見られるのが、「幅広い業務を経験しました」「臨機応変に対応してきました」といった言葉を重ねてしまうケースです。事実としては間違っていなくても、たとえば「何を、どのくらいの範囲で任されていたのか」が見えないため、採用担当者の中に具体的な印象が残りにくく、強みとして伝わりません。
また、ここで受発注の流れや細かな業務内容、個別の工夫や成果まで書き込んでしまうと、後に続く職務経歴と情報が重なり、全体が少し読みづらくなってしまいます。職務要約はあくまで入口の役割なので、「何年ほど営業事務として経験を積み、どの業務領域を中心に、何名規模の営業を支えてきたのか」といった全体像が分かる程度で十分です。
詳しい業務内容や、どんな場面で力を発揮してきたのかは、その後の職務経歴で丁寧に伝えたほうが、読み進める流れも自然になります。職務要約では、要点を絞りながらも役割の輪郭が浮かぶ表現を意識することで、全体がすっきりと整いやすくなります。
職務経歴は「業務内容」より「支えた量」で書く
営業事務の職務経歴で差がつきやすいのは、担当していた仕事内容の数そのものではなく、どれくらいの業務量を、日々安定して支えてきたのかが伝わるかどうかです。たとえば同じ受発注業務でも、月に数十件を落ち着いて対応していたのか、繁忙期には数百件を並行して処理していたのかによって、求められる正確さや段取り力、気配りのレベルは大きく変わってきます。
「受発注対応」「見積作成」といった業務名を並べるだけでは、その違いまでは見えてきません。何件程度を、どのくらいの頻度で、どこまで任されていたのかが自然と想像できる書き方にすることで、実際の実務レベルや現場での対応力が、採用担当者にも無理なく伝わりやすくなります。
同じ営業事務でも評価が分かれる書き方
営業事務の職務経歴で評価されやすいのは、「誰を」「どれくらいの規模で」支えてきたのかが、読み取れる書き方です。たとえば、何名の営業担当者を日常的にサポートしていたのか、どのエリアを担当していたのか、受発注や見積、問い合わせ対応などを同時にいくつ抱えて動いていたのか。こうした情報が少し入るだけで、仕事の負荷や責任の大きさが自然と伝わり、印象は大きく変わります。
反対に、「受発注業務を担当していました」「見積書を作成していました」といった表現だけでは、実際の業務量や忙しさが見えません。その結果、本来はしっかり経験を積んでいても、業務の幅や深さが伝わらず、実務経験が浅いように受け取られてしまうことがあります。支えていた人数や規模感が想像できる形にすることが、営業事務としての経験を正しく評価してもらうためのポイントになります。
数字が書ける場合と書けない場合の違い
件数や規模が出せる場合
受発注の件数や見積作成の本数、対応していた取引先の数など、数字で表せる情報があれば、できるだけ盛り込んだほうが有利になります。きっちりした正確な数値でなくても、「月に○件程度」「平均してこれくらい」といった目安で十分です。
業務量が数字として見えるだけで、採用担当者は「どれくらいの負荷の中で仕事を回していたのか」「実務にすぐ対応できそうか」を具体的に判断しやすくなります。日々当たり前のようにこなしていた作業でも、量が伝わる形にすることで、即戦力としてのイメージが自然に伝わりやすくなります。
数字が出せない場合
数字をはっきり出せない場合でも、業務の重なり方や対応していた頻度で十分に補うことができます。たとえば、複数名の営業担当を同時にサポートしていたことや、問い合わせや受発注が集中する時期でも業務を滞らせずに回していたことなどは、それだけで実務力が伝わる要素になります。
無理に正確な数字を作る必要はありませんが、「どれくらい忙しい状況だったのか」「どの程度の負荷を日常的に支えていたのか」が想像できる表現は意識しておいたほうが安心です。数字がなくても、現場の動きや忙しさが自然に浮かぶ書き方ができれば、採用担当者には十分に経験の重みが伝わります。
箇条書きで書くときの安全ライン
職務経歴は、1社あたり4〜6行ほどにまとめておくと、全体がとても読みやすくなります。あれもこれもと細かく書きすぎると、何がポイントなのかが埋もれてしまいますし、逆に情報が少なすぎると、実際よりも経験が浅い印象を与えてしまうことがあります。
その会社で、どんな立ち位置で、どのくらいの業務を支えてきたのかといった全体像がつかめる情報に絞って書くことで、採用担当者も短時間で判断しやすくなります。必要な情報が過不足なく整理されていると、それだけで「分かりやすい職務経歴書」という安心感につながります。
営業事務のスキル欄、どこまで細かく書く?
営業事務のスキル欄は、「どれだけ多くの知識を知っているか」をアピールする場所ではありません。実際の業務の中で、きちんと使いこなせているかどうかが伝わるかが、評価の分かれ目になります。
たとえば、ツール名やシステム名をずらっと並べてしまうと、一見すると経験豊富に見えそうですが、「どの業務で、どの程度使っていたのか」が分からず、即戦力かどうかの判断材料にはなりにくくなります。日々の実務でどう活用してきたのかが想像できる形にしてあげることで、スキルの実用性が自然に伝わりやすくなります。
Word・Excelは「できる」だけでは弱い
WordやExcelは、多くの応募者が職務経歴書に記載している項目です。そのため、「使用可能」「基本操作ができます」といった表現だけでは、どうしても他の方との差がつきにくくなってしまいます。そこに、どんな業務の中で使っていたのかを一言添えてあげるだけで、実務レベルがぐっと想像しやすくなります。
たとえば、Wordで社外向けの見積書や請求書を作成する際に書式を整えていたのか、Excelで受注内容を管理するために関数を使って集計していたのか。こうした場面が見えるだけで、同じExcelスキルでも、採用担当者が受け取る印象は大きく変わります。日々の業務でどのように活用していたのかが自然に浮かぶ表現を意識すると、スキルの説得力が高まりやすくなります。
よく見られる取り組み方の書き方
営業事務で特に評価されやすいのは、日々の業務にそのままつながる操作がきちんとできているかどうかです。たとえば、表計算で数字をまとめたり、データを並び替えて見やすくしたり、簡単な関数を使って集計したり、提出用の資料の体裁を整えたりといった、業務の流れの中で自然に使っていた内容が伝われば十分です。
特別に高度なスキルがなくても問題ありません。日常業務の中で安定して使えていたことが分かれば、それだけで実務対応力はきちんと評価されます。無理に背伸びをするよりも、「普段どんな作業を当たり前にこなしていたのか」が想像できる書き方のほうが、安心感を持って受け取ってもらいやすくなります。
営業事務で評価されやすい資格・経験
資格は必須条件ではありませんが、業務への理解度を補足する材料として役立ちます。たとえば、簿記の資格や営業事務に関連する資格、業界特有のシステムを使った経験などがあれば、スキル欄にまとめておくと、採用担当者が判断しやすくなります。
ただし、取得したものの実務でほとんど使っていない資格まで、無理に強調する必要はありません。実際の業務と結びついているものを中心に、「仕事の中でどう活かしてきたか」が想像できる範囲で整理しておくほうが、自然で伝わりやすい内容になります。
自己PRで「営業職ではないこと」をわざわざ断る必要がない理由
営業事務の自己PRで評価されやすいのは、営業成績の代わりになる話がきちんとできているかどうかです。「営業職ではないので数字がありません」と前置きする必要はありません。営業を支える立場として、現場が滞りなく回る状態をつくってきた、その事実そのものが評価の対象になります。
営業事務に求められているのは、指示された作業を正確にこなす力だけではありません。業務が止まらないように一歩先を考えて動けていたか、営業担当者が本来注力すべき仕事に集中できる環境を整えていたか、といった点も見られています。だからこそ自己PRでは、「どんなことを意識しながら仕事を進めていたのか」「どうすれば現場がスムーズに回るかを考えて行動していたか」が自然に伝わる内容が、そのまま強みとして受け取られやすくなります。
通過しやすい自己PRの流れ
営業事務の自己PRでは、特別な成果を大きく見せる必要はありません。日々の業務の中で、どんな点を意識しながら仕事をしていたのかが分かれば、それだけで十分伝わります。たとえば、納期の遅れや入力ミスが起きないように、どのタイミングで確認を入れていたのか、営業とのやり取りで情報が行き違わないよう、こまめに共有を心がけていたのか。こうした日常の積み重ねは、現場を安定して支える力としてきちんと評価されます。
反対に、「コミュニケーション能力があります」「気配りが得意です」といった言葉だけで終わってしまうと、実際の仕事の様子が浮かばず、印象に残りにくくなります。どんな行動を取り、その結果として業務がどう回っていたのかが自然につながる表現のほうが、営業事務としての実務力が伝わりやすくなります。
気配り・サポートをアピールするときの注意点
気配りやサポート力は、営業事務ならではの大切な強みですが、書き方によっては受け身な印象になってしまう点には注意が必要です。「頼まれたことを丁寧に対応していました」だけだと、指示があって初めて動く人、という受け取られ方になりやすくなります。たとえば、業務が滞らないように事前に状況を確認していたことや、営業が動きやすくなるよう自分から声をかけて調整していたことなど、主体的に関わっていた様子が伝わると、評価は安定しやすくなります。
営業事務の自己PRでは、目立つ成果や派手な実績を強調する必要はありません。それよりも、日々の業務の中で現場を支え続けてきた感覚や、当たり前の状態を保つために考えて動いていたことが伝わる内容のほうが、採用担当者の判断につながりやすくなります。
業界が違っても評価される?営業事務経験の考え方
営業事務の経験は、業界が変わっても評価されやすい職種です。その理由は、業界特有の知識そのものよりも、営業活動を支えるための基本的な動き方が身についているかどうかを見られているからです。メーカーでもITでも不動産でも、受発注を滞らせないことや、情報を正確に共有すること、営業が動きやすい状態を保つことといった役割の土台は、大きく変わりません。
採用担当者が確認しているのは、「この人は、新しい業界に移っても同じように現場を回してくれそうか」という点です。専門用語や商材の違いは、入社後に覚えられるものとして捉えられていることが多いため、職務経歴書では、どの業界でも共通して活かせる経験や動き方が自然に伝わる書き方のほうが、有利になりやすくなります。
メーカー・IT・不動産で共通して見られる点
どの業界でも評価されやすいのは、受発注や契約に関わる業務を正確に進める力や、納期・進捗を把握して管理する力、そして営業との情報共有を欠かさない姿勢です。取引先とのやり取りや、社内での調整をどの程度まで任されていたのかが見えると、たとえ業界が違っていても、実際の働き方が具体的にイメージしやすくなります。
「業界未経験であること」を強調するよりも、「どの業界でも共通して必要とされる業務を、安定して回してきた」という事実が伝わるほうが、採用担当者の判断は前向きになりやすくなります。これまでの経験の中で培ってきた基本動作が自然に伝わる書き方を意識することが大切です。
業界が違っても評価されやすい言い換え方
業界特有の言葉に寄せすぎてしまうと、採用担当者が仕事内容を具体的に思い描きにくくなることがあります。専門用語は必要最低限にとどめ、「受注管理」「スケジュール調整」「営業サポート」といった汎用的な表現に置き換えるだけでも、他の業界でも活かせる経験として伝わりやすくなります。
業界の違いを不安材料として強調する必要はありません。それよりも、営業事務として日々積み上げてきた基本的な動きや考え方を丁寧に示していくほうが、実務力のイメージがしやすく、評価にもつながりやすくなります。
営業事務の職務経歴書で落ちやすい失敗例
営業事務の職務経歴書で評価を下げてしまう原因は、実際の経験が足りないことよりも、書き方が噛み合っていないことにあります。日々の業務をしっかりこなしてきたとしても、その中身が採用担当者の判断材料として伝わらなければ、書類選考は通過しにくくなってしまいます。経験そのものではなく、「どう伝わっているか」が結果を分けているケースは、決して少なくありません。
業務を並べただけで終わっている
「受発注対応」「見積書作成」「電話応対」といった業務名を並べただけの職務経歴では、実際の仕事の様子が浮かばず、どれくらいの実務量を担っていたのかも判断できません。何を、どの程度の範囲や量で担当していたのかが見えないため、本来は経験があっても、実務経験が浅い印象を持たれてしまうことがあります。
営業の補助に見えてしまう書き方
営業事務は営業を支える補助的な立場ではありますが、「指示された業務を対応していました」といった表現が続くと、どうしても受け身な印象が残ってしまいます。実際には、業務が滞らないように段取りを考えていたり、営業とこまめに連携しながら調整していたりしても、その様子が伝わらなければ評価にはつながりにくくなります。
仕事を止めないためにどんな工夫をしていたのか、営業とどのように関わりながら現場を回していたのかが見えることで、初めて実務力として受け取ってもらえます。補助的な役割であっても、主体的に現場を支えていた姿勢が伝わらないと、評価が伸びにくくなってしまいます。
自己PRが履歴書と同じ内容になっている
自己PRの内容が、履歴書に書いた志望動機や長所とほとんど同じだと、職務経歴書としての役割が弱くなってしまいます。「まじめです」「コミュニケーションを大切にしています」といった言葉が並んでいても、実際の仕事の中で、その強みをどう発揮してきたのかが見えなければ、実務力を判断するのは難しくなります。
こうしたつまずきは、能力が足りないから起きているわけではありません。多くの場合、問題は中身ではなく表現の仕方にあります。仕事の場面に結びつく形で伝え方を整えるだけで、同じ経験でも受け取られ方が大きく変わるケースは、決して少なくありません。
提出前に必ず確認したいチェックリスト
営業事務の職務経歴書は、内容そのものが良くても、最後の仕上げが甘いと評価を下げてしまうことがあります。提出前に最低限確認しておきたいのは、採用担当者が読み進める中で迷わず判断できる状態になっているかどうかです。
せっかく経験や強みがきちんと書かれていても、表現の揺れや分かりにくい書き方が残っていると、伝わるはずの良さが途中で止まってしまいます。読み手が引っかからず、自然な流れで全体像をつかめるかどうかを意識して整えることが、最後の評価を左右するポイントになります。
「この人に任せたら現場が回りそう」と感じるか
職務要約から職務経歴までを通して、「この人なら営業が安心して仕事を任せられそうだ」という人物像が浮かぶかどうかが、とても重要です。担当してきた業務量や役割の範囲が具体的に書かれていれば、採用担当者は自社の営業体制に当てはめながら、実際に活躍している姿を思い描きやすくなります。
どんな規模の業務を、どこまで任されていたのかが自然に伝わることで、単なる経歴の確認ではなく、「一緒に現場を回せそうか」という判断につながっていきます。全体を通して、その安心感が感じ取れる内容になっているかが、評価を分けるポイントになります。
1分で全体像がつかめるか
採用担当者が、1枚の職務経歴書をじっくり時間をかけて読み込むことは、実際にはほとんどありません。多くの場合、目を通すのは最初の1分ほどで、その中で全体像がすっと把握できるかどうかが見られています。ここで仕事内容や役割のイメージがつかめれば、通過率は安定しやすくなります。
そのため、情報があちこちに散らばっていないか、同じ意味の表現を何度も繰り返していないかを一度見直してみると効果的です。要点が整理されていて、短時間でも全体が理解できる構成になっているかどうかが、評価を左右するポイントになります。
ファイル形式・ファイル名で損していないか
提出形式はPDFにしておくのが無難です。レイアウトの崩れを防げるだけでなく、意図しない修正や表示のズレを避けることができます。ファイル名も「職務経歴書_氏名」といったシンプルで分かりやすい形に整っているだけで、事務処理のしやすさが伝わり、全体の印象もきちんとしたものになります。
ここまで整っていれば、内容とは関係のない部分で評価を下げられてしまう可能性は、ぐっと低くなります。安心して中身を見てもらうための土台として、提出形式まで含めて丁寧に仕上げておくことが大切です。
営業事務の職務経歴書サンプル(見本例)
職務要約
営業事務として約5年間、複数名の営業担当をサポートしてきました。受発注管理、見積書作成、納期調整を中心に、日々の業務が滞りなく回るよう全体を支える役割を担当してきました。営業が本来の提案活動に集中できるよう、正確さとスピードを意識した業務対応を行ってきた経験があります。
職務経歴
株式会社〇〇
在籍期間:2019年4月〜2024年3月
【担当業務・役割】
・営業担当5名のサポート業務を担当
・受発注業務(月間200件前後)、見積書・請求書の作成
・納期調整および進捗管理、取引先からの問い合わせ対応
・営業・倉庫・関連部署との情報共有、社内調整
【業務上の工夫・意識していた点】
・受注内容の入力ミスや納期遅延を防ぐため、確認工程を必ず設けて対応
・営業からの依頼を待つだけでなく、進捗を先回りして共有することで、トラブルを未然に防止
・繁忙期でも業務が滞らないよう、優先順位を整理しながら複数業務を並行して対応
スキル・使用ツール
【PCスキル】
・Word:見積書・請求書・社外提出資料の作成、書式調整
・Excel:受注管理表の作成、並び替え、簡単な関数を用いた集計
【業務システム】
・販売管理システム(受注・売上管理に使用)
【資格】
・日商簿記3級
自己PR
営業事務として、指示された業務を正確にこなすだけでなく、「どうすれば営業がスムーズに動けるか」を常に考えて仕事をしてきました。受発注や納期管理では、トラブルが起きないよう事前確認を徹底し、営業との情報共有を欠かさないことで、現場が止まらない状態を支えてきました。
日々の業務を安定して回し続けることを大切にしてきた経験を活かし、貴社でも営業活動を支える一員として貢献していきたいと考えています。
まとめ
営業事務の職務経歴書は、業務内容を一つひとつ丁寧に書くことよりも、「営業をどれくらい安定して支えてきたのか」が伝わる構成になっているかどうかで、結果が大きく変わります。職務要約を読んだ時点で役割がすっと分かり、職務経歴では業務量や任されていた範囲が自然に思い浮かび、自己PRからは現場を回し続けてきた姿勢が感じ取れる。そこまでつながっていれば、評価は安定しやすくなります。
反対に、業務名を並べただけだったり、「幅広く対応」「柔軟にサポート」といった抽象的な表現が多かったりすると、実務経験があっても判断材料としては弱くなってしまいます。営業事務は成果が数字で見えにくい職種だからこそ、採用担当者の立場に立って、「この人が入ったら営業の負担が軽くなりそうか」を意識して整えることが大切です。
型を大きく外さず、業務の量と役割がきちんと分かる書き方を選ぶこと。それが、営業事務の職務経歴書で失敗しないための、いちばん近道になります。