目次
はじめに
「編年体式の職務経歴書ってどんな書き方?」「自分の経歴でもこの形式で大丈夫?」と迷っていませんか。
職務経歴書にはいくつかの書き方がありますが、編年体式は最初に勤務した会社から順番に経歴を並べていく方法です。たとえば、1社目 → 2社目 → 3社目というように、入社した順番に沿って仕事内容や実績を書いていきます。社会人になってから現在までの流れが、そのまま時系列で伝わるのが特徴です。
ただし、すべての人にこの書き方が合うわけではありません。勤務した会社の数が少なく、職種の変化も大きくない場合は、経歴の流れがそのまま伝わるため編年体式でも読みやすくまとまります。一方で、転職回数が多かったり、直近の仕事を強くアピールしたい場合は、ほかの形式のほうが内容が伝わりやすくなることもあります。
この記事では、編年体式の職務経歴書とはどのような書き方なのかを整理したうえで、どんな人に向いているのか、書くときにどこを意識すればよいのかを順番に説明していきます。自分の経歴に合った書き方かどうかを、読みながら確認してみてください。
編年体式の職務経歴書とは?

編年体式の職務経歴書は、これまで働いてきた会社や職務経験を最初の勤務先から順番に並べて書く形式です。職歴の流れを時系列でそのまま示すため、経験の積み重ねや担当業務の変化が読み取りやすい特徴があります。ここでは、編年体式の基本的な書き方と、逆編年体式やキャリア式との構成の違いを整理します。
最初の勤務先から現在までを古い順に並べて書く形式
編年体式の職務経歴書は、最初に入社した会社から現在の会社までを古い順に並べて書く形式です。たとえば2018年4月にA社へ入社し、2021年3月まで勤務し、その後2021年4月にB社へ転職して現在まで勤務している場合は、A社の職歴を先に書き、その下にB社の職歴を書きます。
各社ごとに「在籍期間」「会社名」「部署名」「担当業務」「担当件数や売上などの数字」を順番に記載し、入社から現在までの職歴が時間の流れどおりに読める形に整理します。採用担当は上から下へ読むだけで、いつどの会社に在籍し、どの業務を担当していたのかを時系列で確認できます。
直近の職歴から書く「逆編年体式」との構成の違い
編年体式は、最初に勤務した会社から現在までを古い順に並べて書きます。たとえば2016年4月にA社へ入社し、2019年3月まで勤務し、その後2019年4月にB社へ転職して現在まで勤務している場合は、A社の職歴を先に書き、その下にB社の職歴を書きます。
一方、逆編年体式は直近の職歴から書く形式で、2021年4月に入社したC社、次に2019年4月に入社したB社、その下に2016年4月に入社したA社という順番で並べます。編年体式は入社順に下へ進む構成になり、逆編年体式は現在の勤務先から過去へさかのぼる構成になります。
職種・スキルごとにまとめる「キャリア式」との書き方の違い
編年体式は、最初に勤務した会社から現在までを古い順に並べて書く形式です。たとえば2017年4月にA社へ入社し、2019年3月まで営業職として勤務し、その後2019年4月にB社へ転職して2023年まで営業職を担当していた場合は、A社の職歴を先に書き、その下にB社の職歴を書きます。
一方、キャリア式は会社ごとではなく、職種やスキルごとに経験をまとめて書く形式です。営業経験を一つの項目にまとめ、A社で担当した月間50件の新規訪問と、B社で担当した既存顧客80社の管理を同じ営業経験として整理して記載します。編年体式は会社の在籍順で並び、キャリア式は職種や業務内容ごとに経験をまとめる構成になります。
編年体式の職務経歴書が向いている人

編年体式の職務経歴書は、最初の勤務先から順番に職歴を書いていくため、経験の流れがそのまま伝わりやすい書き方です。ただし、すべての人に向いているわけではなく、社会人経験の年数や転職回数、職種の一貫性によって適しているケースが変わります。ここでは、編年体式が特に書きやすく評価されやすい人の特徴を整理します。
社会人経験が3〜5年程度で職歴がまだ少ない人
社会人経験が3〜5年程度で、在籍した会社が1〜2社ほどの人は、編年体式の職務経歴書が書きやすくなります。2019年4月に入社して2022年3月まで勤務し、その後2022年4月に転職して現在まで勤務している場合は、最初の会社を先に書き、その下に現在の会社を書く形で2社の職歴を順番に並べます。
職歴の数が少ないため、在籍期間、部署名、担当業務、担当件数や売上などの数字を書くだけで、入社から現在までの経験の流れを1〜2ページで整理できます。採用担当は上から順に読むだけで、入社後どの会社でどの業務を担当してきたのかを時系列で確認できます。
同じ職種・同じ業界でキャリアを積んできた人
同じ職種や同じ業界で勤務してきた人は、編年体式で会社ごとの経験を順番に書くと、業務の積み重なりがそのまま伝わります。たとえば2017年4月に小売業のA社で販売職として勤務し、月間100人前後の来店客の接客と在庫管理を担当し、その後2020年5月に同じ小売業のB社へ転職して店舗売上月500万円規模の売場を担当している場合は、A社の職歴を書いたあとにB社の職歴を続けて記載します。
会社が変わっても担当してきた職種が同じであれば、古い職歴から順に並べるだけで、接客経験や売上管理の経験がどのように増えてきたのかを時系列で確認できます。
転職回数が1〜2回程度で職歴が整理しやすい人
転職回数が1〜2回程度で在籍した会社が2〜3社ほどの場合は、編年体式で会社ごとの職歴を古い順に並べるだけで経歴を整理できます。たとえば2018年4月にA社へ入社して2021年3月まで勤務し、その後2021年4月にB社へ転職し、2023年6月からC社で勤務している場合は、A社、B社、C社の順に在籍期間と担当業務を書きます。
会社の数が少ないため、各社で担当した業務内容、月間担当件数、売上規模などの数字を書くだけで、入社から現在までの職歴の流れを時系列で確認できます。
編年体式の職務経歴書が向いていない人

編年体式は最初の勤務先から順番に職歴を書いていく形式のため、すべての人に適しているわけではありません。職歴の数やキャリアの流れによっては、経験の強みが伝わりにくくなることがあります。ここでは、編年体式よりも別の書き方を選んだ方が整理しやすいケースを確認します。
直近の会社の実績や成果を最初に強く見せたい人
直近の会社で出した実績や成果を最初に見せたい人は、編年体式よりも逆編年体式の方が伝わりやすくなります。たとえば2022年4月に入社したC社で月間売上300万円の新規営業を担当し、担当エリアの売上を前年比120%まで伸ばした場合でも、編年体式では2018年入社のA社、2020年入社のB社の職歴が先に並び、C社の実績は職務経歴書の後半に出てきます。
逆編年体式であれば最初にC社の職歴を書き、売上額や担当件数などの数字を冒頭で示せるため、直近の成果を最初の数行で採用担当に見せることができます。
転職回数が3社以上あり職歴が長くなっている人
転職回数が3社以上あり在籍した会社が4社以上になる場合は、編年体式で最初の会社から順に書くと職歴の説明が長くなります。たとえば2015年4月にA社へ入社し、2017年にB社、2019年にC社、2022年にD社へ転職している場合は、A社から順に4社分の在籍期間と担当業務を書きます。
その結果、直近の会社で担当している業務や売上額、担当件数などの数字は職務経歴書の後半まで読まないと確認できません。転職回数が多い場合は、直近の会社から書く逆編年体式や、職種ごとに経験をまとめるキャリア式で整理すると、現在の業務内容や実績を先に示すことができます。
職種や業界を大きく変えて転職してきた人
職種や業界を大きく変えて転職してきた人は、編年体式で会社ごとの職歴を古い順に並べると業務内容がばらばらに見えます。たとえば2018年4月に飲食店で接客を担当し、2020年6月に物流会社で倉庫管理を担当し、2023年4月からIT企業で営業を担当している場合は、接客業務、在庫管理、法人営業という異なる業務が順番に並びます。
そのため現在の職種と関係のない業務説明が先に続き、直近の営業実績や担当件数などの数字は後半まで読まないと確認できません。職種や業界が大きく変わっている場合は、営業経験、接客経験などの業務ごとにまとめるキャリア式で整理すると、応募職種と関係する経験を先に示すことができます。
編年体式の職務経歴書の上手な書き方

編年体式の職務経歴書は、職歴を古い順に並べるだけでは評価される内容にはなりません。採用担当が読みやすく、経験や成果が一目で分かる形に整理して書くことが重要です。ここでは、編年体式で職歴を整理するときの具体的な書き方のポイントを確認します。
最初に入社した会社から現在まで古い順に職歴を書く
最初に入社した会社から現在まで、古い順に職歴を書きます。たとえば2018年4月にA社へ入社して2021年3月まで勤務し、その後2021年4月にB社へ転職して現在まで勤務している場合は、A社の職歴を先に書き、その下にB社の職歴を書きます。
各社ごとに在籍期間、会社名、部署名、担当業務、担当件数や売上などの数字を記載し、入社から現在までの勤務先が上から下へ時系列で読める形に整理します。採用担当は上から順に読むだけで、どの会社でどの業務を担当してきたのかを確認できます。
会社ごとに「業務内容」と「実績」の見出しを分けて整理する
会社ごとに「業務内容」と「実績」の見出しを分けて書くと、担当していた仕事と成果を区別して伝えられます。たとえば2019年4月に入社したA社の職歴を書く場合は、まず「業務内容」として法人営業を担当し月間30社の既存顧客を訪問していたことや、新規顧客へ月20件の提案を行っていたことを書きます。
その下に「実績」として、担当エリアの売上を年間3,600万円から4,200万円に伸ばしたことや、新規契約を年間12件獲得したことなどの数字を書きます。業務内容と実績を分けて書くことで、どんな仕事を担当し、その結果どの程度の成果を出したのかを採用担当が読み分けて確認できます。
担当件数・売上額・改善率などの数字を入れて実績を書く
実績を書くときは、担当していた業務の件数や金額などの数字を入れて示します。たとえば営業職であれば、月間何社を担当していたのか、新規契約を年間何件獲得したのか、担当エリアの売上をいくらからいくらまで伸ばしたのかを書きます。
事務職であれば、月間何件の書類処理を担当していたのか、入力ミス率を何%から何%まで下げたのかなどの数字を書きます。担当件数、売上額、改善率などの具体的な数値を入れることで、採用担当はどの規模の業務を担当し、どの程度の成果を出していたのかを判断できます。
編年体式の職務経歴書のテンプレート
編年体式の職務経歴書は、構成の型が決まっているため、テンプレートを使うと職歴を整理しやすくなります。基本の項目をそのまま当てはめることで、最初の勤務先から現在までの経験を順番にまとめることができます。ここでは、編年体式の職務経歴書のテンプレートと、使用するときの書き方の注意点を確認します。
体式の職務経歴書テンプレート(ポイント付き)
職務経歴書
氏名:〇〇 〇〇
作成日:20XX年X月X日職務要約
営業職として〇年間、法人顧客への新規開拓と既存顧客管理を担当。月間〇社の顧客を訪問し、年間〇〇万円規模の売上エリアを担当してきました。新規契約〇件の獲得や担当エリア売上〇%改善などの実績があります。
※冒頭3〜4行で「職種・経験年数・主な実績」をまとめて書くと、最初の数行で経験の内容が伝わります。職務経歴
2018年4月~2021年3月
株式会社〇〇(事業内容:〇〇/従業員数:〇〇名)所属部署:営業部
業務内容
法人顧客への営業を担当。既存顧客のフォローと新規顧客の開拓を行い、商品提案から契約手続きまで担当。
・既存顧客〇〇社を担当
・月間訪問件数〇〇件
・見積作成、契約手続き実績
・新規契約年間〇〇件獲得
・担当エリア売上
〇〇万円 → 〇〇万円(前年比〇%)※業務内容と実績を分けて書くと「どんな仕事をしていたか」と「どんな成果を出したか」が読み分けやすくなります。数字を書くことで仕事の規模と成果が具体的に伝わります。
2021年4月~現在
株式会社〇〇(事業内容:〇〇/従業員数:〇〇名)所属部署:営業部
業務内容
法人向け新規営業を担当。問い合わせ対応から提案、契約締結まで一貫して担当。
・新規訪問月〇〇件
・顧客管理〇〇社実績
・新規契約年間〇〇件
・担当エリア売上〇〇万円達成(前年比〇%)※編年体式は、最初に入社した会社から現在の会社まで古い順に並べて書きます。上から順に読むだけで職歴の流れが分かる構成になります。
活かせる経験・スキル
・法人営業(新規開拓・既存顧客管理)
・提案資料作成
・売上管理※応募する職種と直接関係する経験だけを書くと、経験の一致が伝わりやすくなります。
自己PR
法人顧客への営業活動で月間〇社の訪問を行い、新規契約年間〇件を獲得しました。顧客の課題をヒアリングし、導入コストや運用方法まで具体的に提案することで契約率の向上につなげてきました。これまでの営業経験を活かし、貴社でも新規顧客の開拓と売上拡大に貢献します。※自己PRは「行動」「数字」「応募先でも再現できる経験」が伝わる形に整理すると評価されやすくなります。
Word形式のテンプレートには、勤務期間、会社名、部署名、業務内容を書く欄が用意されています。最初に勤務期間と会社名を書き、その下に担当していた業務を文章で記載します。さらに担当していた業務の結果や売上などを数字で書きます。同じ構成を次の会社でも繰り返すことで、編年体式の職歴の並びが完成します。
テンプレートを使うときの書き方の注意点
テンプレートにある項目をそのまま埋めるだけでは、仕事内容が伝わらない場合があります。業務名だけを書いて終わると、実際にどの作業を担当していたのかが分かりません。担当していた作業内容と、その結果としての数字を同じ職歴の中に書きます。会社ごとに業務内容と成果を対応させる形で書くと、仕事内容が確認できます。
編年体式の職務経歴書のよくある失敗

編年体式の職務経歴書は、時系列に職歴を並べるだけでは内容が伝わりません。会社名や在籍期間を並べただけの書き方になってしまうと、どんな業務を担当し、どのような成果を出したのかが読み取れなくなります。ここでは、編年体式の職務経歴書でよく見られる失敗例を確認します。
職種名や担当業務名だけを書き具体的な仕事内容を書いていない
営業、事務、接客などの業務名だけを書くと、実際に担当していた作業内容が分かりません。営業なら新規営業なのか既存顧客の担当なのか、訪問営業なのか電話営業なのかを具体的に書きます。事務なら入力作業なのか書類管理なのか、担当していた業務の種類を書きます。業務名のあとに具体的な作業内容を書くことで、担当していた仕事内容が確認できます。
担当件数・売上額・改善率などの数字を一切書いていない
仕事内容を書いていても、売上や件数などの数字がないと仕事の規模が分かりません。営業職なら契約件数や売上額、事務職なら処理件数や対応件数を書きます。数字があると業務の量や成果が読み手に伝わります。業務内容と一緒に数字を書くことで、その仕事の結果が確認できます。
会社名と在籍期間だけ並べて担当した役割を書いていない
会社名と勤務期間だけを書いて終わると、その会社で何を担当していたのかが分かりません。部署名や担当業務を書き、どの仕事を任されていたのかを示します。役職や担当範囲があれば、それも同じ職歴の中で書きます。会社ごとの役割を書くことで、職歴の流れと仕事内容が対応して確認できます。
まとめ
編年体式の職務経歴書は、最初に入社した会社から現在までを古い順に並べて書く形式です。2018年にA社へ入社し、2021年にB社へ転職し、現在C社に勤務している場合は、A社→B社→C社の順に職歴を書きます。上から順に読むだけで入社から現在までの職歴の流れが確認できるため、採用担当は勤務先の変化や担当業務の移り変わりを時系列で把握できます。
この形式は、社会人経験が3〜5年程度で在籍した会社が1〜2社ほどの人や、同じ職種・同じ業界で経験を積んできた人に向いています。会社ごとに業務内容と実績を整理し、担当件数や売上額などの数字を書けば、どの規模の仕事を担当していたのかをそのまま時系列で伝えることができます。職歴が長くならないため、1〜2ページの中で経験の流れを整理しやすくなります。
一方で、直近の会社の実績を最初に見せたい場合や、転職回数が3社以上あり職歴の説明が長くなる場合は、編年体式では重要な実績が後半に回ることがあります。職種や業界を大きく変えて転職している場合も、業務内容がばらばらに並び、経験の共通点が見えにくくなることがあります。
編年体式を使うかどうかは、入社から現在までの職歴を古い順に並べたときに、仕事の内容や経験の積み重なりがそのまま読み取れるかで判断します。職歴の流れが自然に伝わる場合は編年体式が整理しやすく、直近の実績や特定の経験を強く見せたい場合は、逆編年体式やキャリア式など別の書き方を選ぶと職務経歴書が読みやすくなります。