目次
はじめに
転職したあと、新しい健康保険証はその場ですぐに手元に届くわけではありません。会社の手続きや保険組合の処理が終わるまで、実際には1〜3週間ほどかかることが多いです。そのあいだに体調を崩したとき、「まだ保険証がないけど病院に行って大丈夫?」「前の会社の保険証はもう使えない?」「いったん10割払うって本当?」と不安に感じる方も多いのではないでしょうか。
実際、受付で保険証を出せずに戸惑ってしまう人は少なくありません。何も準備をしていないまま病院へ行くと、その場で説明を求められて慌ててしまうこともあります。
そこでこの記事では、「保険証がまだ届いていないときに病院へ行ってもいいのか」「前の会社の保険証はいつまで使えるのか」「一度全額払った場合はどうなるのか」など、転職直後に多くの人が悩むポイントを順番に整理していきます。今の状況でどう行動すればいいのかが分かるように、ひとつずつ確認していきましょう。
転職したときに新しい健康保険証が届くまで何日かかるの?

転職すると新しい健康保険証は会社を通じて発行されますが、入社したその日に手元へ届くわけではありません。会社が加入手続きを行い、そのあと保険者が保険証を発行して郵送するため、実際には数日から数週間ほどかかります。ここでは、協会けんぽと健康保険組合それぞれの場合にどれくらいで届くのか、そして入社からしばらく経っても届かないときにどうすればいいのかを確認していきます。
『協会けんぽの場合』は1〜2週間で届く
協会けんぽの場合、新しい健康保険証は会社が資格取得届を日本年金機構へ提出してから発行手続きが始まります。会社が入社日から数日以内に手続きを行い、その後、日本年金機構で資格登録と保険証の発行が行われ、会社へ郵送されます。
この処理と郵送を含めて、手続き完了から会社に届くまで通常は約1〜2週間です。会社に保険証が届いたあと、総務や人事から本人へ渡されるため、入社日から数えて1〜2週間程度で手元に届くケースが一般的です。
▶日本年金機構|就職したとき(健康保険・厚生年金保険の資格取得)
https://www.nenkin.go.jp/service/kounen/tekiyo/hihokensha1/20150422.html
『健康保険組合』の場合は数日〜2週間で届く
健康保険組合の場合、新しい健康保険証は会社が資格取得届を健康保険組合へ提出してから発行手続きが行われます。会社が入社後すぐに手続きを行えば、組合で資格登録と保険証の発行が行われ、会社へ郵送されます。組合ごとに処理速度が異なりますが、早い組合では資格登録から数日で発行され、郵送を含めて会社に届くまで数日〜2週間程度かかります。
その後、会社の総務や人事から本人へ渡されるため、入社日から数日〜2週間ほどで手元に届くケースが一般的です。
入社から3週間たっても届かないなら会社に確認する
入社日から3週間たっても健康保険証が渡されない場合は、会社の総務や人事に資格取得届の提出状況を確認します。健康保険証は会社が資格取得届を提出してから発行手続きが始まるため、会社側の提出が遅れていると発行も遅れます。
入社日を基準に3週間以上経過している場合は、資格取得届をいつ提出したのか、保険証が会社に届いているのかを会社へ確認します。
入社から3週間たっても健康保険証が渡されない場合は、会社の総務や人事に資格取得届の提出状況を確認します。
転職後は健康保険だけでなく、年金や住民税などの手続きも発生します。
▶転職後の手続き一覧|退職後にやることを「時系列」で整理
健康保険証がまだ手元にない状態で病院へ行きたい場合はどうすればいい?

新しい健康保険証がまだ届いていないときに体調を崩すと、「この状態で病院へ行っていいの?」と迷ってしまいますよね。
実は、保険証が手元になくても受診する方法はいくつかあります。会社に証明書を発行してもらう方法や、いったん医療費を全額支払ってあとから払い戻しを受ける方法などです。ここでは、保険証が届く前に病院へ行くときに取れる対応を順番に確認していきます。
会社に『健康保険資格証明書』を出してもらって受診する
健康保険証がまだ発行されていない場合は、会社の総務や人事に依頼して「健康保険資格証明書」を発行してもらい、その書類を病院の受付に提出して受診します。健康保険資格証明書は、入社日から健康保険に加入していることを証明する書類で、受付で提示すれば健康保険証と同じ扱いになり、診察料は通常どおり3割負担で支払います。
会社が資格取得届を提出していれば発行できるため、保険証が届く前でも受診できます。
一度10割負担で受診してあとで払い戻しを受ける
健康保険証がない状態で病院を受診する場合は、受付で保険証がないことを伝え、診察料をいったん10割で支払います。その後、新しい健康保険証が発行されたら、病院の受付に保険証と領収書を持参して手続きを行います。保険適用が確認されると、自己負担の3割を除いた7割分の金額が払い戻されます。
急ぎでなければ保険証が届いてから受診する
症状が急ぎでない場合は、新しい健康保険証が会社から渡されてから病院を受診します。健康保険証があれば受付で提示するだけで健康保険が適用され、診察料は3割負担で支払います。保険証がない状態で受診すると診察料をいったん10割で支払う必要があるため、受診を急がない場合は保険証が届いてから受診したほうが手続きが増えません。
健康保険証が手元にない状態で病院へ行くといくら払わないといけないの?

健康保険証がまだ手元にない状態で病院に行くと、通常の3割負担ではなく、いったん医療費を全額支払う必要があります。ただし、そのまま自己負担が10割になるわけではなく、あとから手続きをすれば本来の自己負担割合に調整されます。
ここでは、保険証がない場合にいくら支払うのかと、あとから返金される仕組みについて整理します。
保険証がない場合は診察料をいったん10割支払う
健康保険証を提示できない状態で病院を受診すると、受付では健康保険が確認できないため、診察料をいったん10割で支払います。通常は健康保険を使うと3割負担ですが、保険証がない場合は保険適用の確認ができないため、診察料・検査料・処方料を含めた医療費の全額をその場で支払います。
あとから申請すれば7割分が返金される
健康保険証がない状態で診察料を10割支払った場合でも、あとから健康保険の加入が確認できれば払い戻しを受けられます。新しい健康保険証が発行されたあと、病院の受付または加入している健康保険へ申請を行うと、自己負担の3割を除いた7割分の医療費が返金されます。領収書と診療明細書が必要になるため、受診時にもらった書類は保管しておきます。
▶療養費の払い戻し制度については健康保険の公式案内でも確認できます。
https://www.kyoukaikenpo.or.jp/g3/sb3030/r150/
退職した会社の健康保険証はいつまで使えるの?

退職した会社の健康保険証は、退職日の当日まで使えます。たとえば退職日が3月31日の場合、その日の診察までは通常どおり3割負担で受診できます。
ただし、退職日の翌日からは使えません。4月1日以降にその保険証を受付に出して受診すると、あとから「資格がない期間の受診」と判断され、いったん医療費の7割分を返す手続きが必要になることがあります。退職日の翌日以降は、その保険証は受付に出さないようにします。
保険証が手元に残っている場合は会社へ返却します。多くは退職日に会社へ渡しますが、持ち帰った場合は退職日から数日以内に郵送で返します。返却しておけば、資格確認の連絡や差し替え手続きで受診が止まることを避けられます。
まとめ
転職後は健康保険証がすぐに届くわけではありません。会社が資格取得の手続きをしてから保険証が発行されるため、手元に届くまで通常は1〜3週間ほどかかります。この期間に病院へ行く可能性がある場合は、事前にどの方法で受診するかを決めておくと手続きで困りません。
保険証がまだ届いていない状態で受診する場合は、会社に「健康保険資格証明書」を発行してもらい、それを受付に出して3割負担で受診する方法があります。資格証明書が間に合わない場合は、いったん医療費を10割負担で支払い、あとから健康保険へ申請して7割分の払い戻しを受ける方法もあります。急ぎの症状でなければ、保険証が届くまで受診を待つという判断もできます。
また、退職した会社の健康保険証は退職日の当日までしか使えません。退職日の翌日以降は資格がなくなるため、その保険証を病院で出すことはできません。手元に残っている場合は、退職日または数日以内に会社へ返却します。
転職の前後は「新しい保険証がまだない期間」が必ず発生します。受診が必要になったときに慌てないよう、「資格証明書を使う」「10割で受診してあとから返金を受ける」「保険証が届くまで待つ」の3つの選択肢を確認し、状況に合わせて行動を決めておくとスムーズに対応できます。