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退職理由は「給料が安い」でいい?面接での伝え方と言い換え方を解説

はじめに

「給料が安いから辞めたい」と思ったとき、そのまま退職理由として伝えてもいいのか迷う方は多いのではないでしょうか。

「面接で正直に言っても大丈夫?」
「印象が悪くならない伝え方はある?」
「ほかの人はどう説明しているの?」

このような疑問を感じている方も少なくありません。

実際、給与が理由で転職を考える人は多く、決して珍しいことではありません。ただし、面接でそのまま「給料が安いから辞めました」と伝えると、採用担当者にネガティブな印象を与えてしまうことがあります。

そのため、同じ理由でも伝え方を少し工夫するだけで、受け取られ方が大きく変わることがあります。

この記事では、給料の低さを理由に退職する場合に、どのように説明すれば面接でマイナスの印象になりにくいのかを、順番にわかりやすく解説していきます。

給料が安いことを退職理由にしても問題ない?

給料の低さは、退職理由として多くの人が感じている不満の一つです。実際に、基本給や手取り額、昇給の見込みなどを理由に転職や退職を選ぶケースは少なくありません。ただし、給料が安いという理由をそのまま企業に伝えると、仕事への姿勢や価値観を誤解される可能性もあります。ここでは、給料を理由に退職する人がどの程度いるのか、そしてその理由をどのように伝えるべきかを順番に確認していきます。


給料が理由で退職する人は珍しくない

厚生労働省が毎年公表している雇用動向調査では、転職者が退職理由として挙げる項目の中に「賃金が低い」「収入が少ない」という理由が一定の割合で含まれています。実際の調査では、自己都合退職の理由として賃金に関する項目を挙げる人が1割以上を占める年もあり、仕事内容や人間関係と並んでよく見られる理由の一つです。

そのため、月給が周辺企業より数万円低い、数年間昇給がなく手取り額がほとんど変わらないといった状況で退職を決める人は珍しくありません。給料が理由で退職すること自体は特別なケースではなく、多くの労働者が実際に選択している判断の一つです。

そのまま伝えると評価が下がる場合がある

面接で退職理由を聞かれたときに「給料が安かったから辞めました」とそのまま答えると、採用担当者が「給与額が少し低いと感じたらすぐに退職する人ではないか」と判断する可能性があります。企業は採用後に最低でも数年は働くことを想定して人材を選ぶため、給与だけを理由に退職したと受け取られると、同じ理由で再び退職する可能性を疑われることがあります。

その結果、仕事内容やスキルよりも給与条件を優先して転職している印象を与え、選考の評価が下がる場合があります。したがって、給料が理由であっても、そのままの言葉で伝えると評価が下がる可能性があります。

面接で「給料が安い」と言うとどう評価される?

面接で退職理由を聞かれたときに「給料が安かった」とそのまま伝えると、採用担当者は応募者の価値観や働き方を判断する材料として受け取ります。とくに面接では、仕事に対する考え方や職場への向き合い方を見られているため、伝え方によっては評価が下がる可能性があります。ここでは、「給料が安い」と答えた場合に企業側がどのように受け取ることがあるのかを確認していきます。

お金だけで仕事を選ぶ人だと思われる

面接で退職理由を聞かれたときに「月給が低かったため退職しました」「年収が希望より100万円ほど低かったため辞めました」といった形で給料だけを理由として伝えると、採用担当者は「給与条件が合わなければすぐに退職する人ではないか」と判断することがあります。企業は採用後に数年単位で働くことを前提に人材を採用するため、給与額だけを理由に退職したと受け取られると、同じ状況になった場合に再び退職する可能性を考えます。

その結果、仕事内容や業務への関心よりも給与条件を優先して仕事を選ぶ人だと判断され、お金だけで仕事を選ぶ人という評価につながる場合があります。

会社への不満と受け取られる

面接で退職理由を聞かれたときに「給料が低かった」「仕事量に対して月給が少なかった」といった言い方をすると、採用担当者は前職の会社や上司に対する不満をそのまま口にしていると受け取ることがあります。企業は面接の場で前職の評価や待遇に対する発言を確認し、同じように入社後も会社や上司の判断に不満を持った場合に不満を外に出す人かどうかを判断します。

そのため、給与への不満を直接的な言葉で説明すると、前職の会社への不満をそのまま話していると受け取られ、評価に影響する場合があります。

すぐに転職する人と思われる

面接で退職理由を聞かれたときに「給料が安かったので辞めました」と説明すると、採用担当者は「入社後に給与条件が想定より低いと感じた場合、短期間で退職する可能性がある人ではないか」と判断することがあります。企業は採用に広告費や人件費をかけ、数年単位で働くことを前提に採用を行うため、給与を理由に退職した経歴がある場合、同じ理由で再び退職する可能性を確認します。

その結果、給与条件が少しでも合わないと早い段階で転職する人ではないかと受け取られ、すぐに転職する人だと思われることがあります。

給料が安い場合の退職理由の伝え方

給料の低さが退職のきっかけになった場合でも、そのままの言葉で説明すると面接官に誤解を与える可能性があります。そのため、退職理由を整理し、本音の理由と転職先に伝える理由を区別して考えることが大切です。また、給与への不満だけでなく、仕事の内容や将来のキャリアなど前向きな要素として伝えることで、印象を大きく変えることができます。ここでは、給料が安い場合にどのように退職理由を整理し、伝え方を工夫すればよいのかを確認していきます。

本音の理由と転職理由を分けて整理する

退職理由を整理するときは、まず自分の本音の理由と面接で伝える転職理由を分けて考えます。たとえば「月給が手取り18万円で生活費を引くと毎月ほとんど残らない」といった本音の理由は、自分の判断基準として整理します。そのうえで面接では「現在の業務では担当できる範囲が限られているため、より責任のある業務に携わりたいと考えました」といった形で転職理由を整理して説明します。

本音の理由を先に整理しておくと、転職を決めた判断の軸がはっきりするため、面接では給与への不満をそのまま伝えるのではなく、転職の目的として説明できる形に整理できます。


キャリアや成長の理由に言い換える

給料が安いことを退職理由として伝える場合は、「給料が低い」という表現をそのまま使うのではなく、仕事内容や担当業務の範囲と結びつけて説明します。たとえば、同じ業務を数年間続けても担当できる仕事の内容が変わらず、昇格や役割の拡大がない状況で転職を考えた場合は、「より幅広い業務を担当できる環境で経験を積みたいと考え、転職を決めました」といった形で説明します。

このように、給与への不満を直接の理由として話すのではなく、担当業務の範囲や経験を広げたいという理由に言い換えることで、退職の理由をキャリアや成長を目的とした判断として説明できます。

給料が安いと感じるよくあるケース

給料が安いと感じる理由は、人によって状況や働き方によって異なります。単純に月給の金額だけではなく、昇給の有無や担当している仕事の内容、生活費とのバランスなど、複数の要素を比較して判断されることが多いです。ここでは、実際に多くの人が「給料が安い」と感じる代表的なケースについて確認していきます。

昇給がほとんどない

入社してから数年間働いても基本給がほとんど上がらない場合、給料が安いと感じる人は多くなります。たとえば、入社時の月給が20万円で、3年から5年働いても基本給が数千円しか上がらない、または昇給が年1回あっても1回あたり1,000円から2,000円程度しか増えない状況では、年収の差がほとんど変わりません。

このように、勤務年数が増えても給与額がほとんど変わらない状態が続くと、働き続けても収入が増えないと判断され、給料が安いと感じるケースにつながります。

仕事内容に対して給与が低い

担当している仕事の量や責任の大きさに対して給与額が低い場合、給料が安いと感じる人は多くなります。たとえば、複数の業務を同時に担当し、1日8時間以上の作業で月20日以上働いているにもかかわらず、月給が20万円前後のまま変わらない状況では、仕事量に対して給与が見合っていないと判断されます。

このように、担当する業務の数や責任が増えているのに給与額がほとんど変わらない状態になると、仕事内容に対して給与が低いと感じるケースにつながります。


生活とのバランスが取れない

月給や手取り額が生活費に対して不足している場合、生活とのバランスが取れないと感じる人は多くなります。たとえば、月給が20万円で手取りが16万円前後の場合、家賃6万円、食費3万円、通信費1万円、光熱費1万円などの支出を差し引くと、毎月の残りは数万円程度になります。

このように、毎月の収入から固定費や生活費を支払ったあとにほとんど余裕が残らない状態が続くと、生活とのバランスが取れていないと判断され、給料が安いと感じるケースにつながります。

給料が理由で退職するときに考えておきたいこと

給料の低さを理由に退職を考える場合でも、次の職場で本当に状況が改善するのかを事前に確認しておくことが大切です。給与額だけに注目して転職を決めると、入社後に条件の違いに気付くケースもあります。ここでは、給料を理由に退職する前に整理しておきたいポイントについて確認していきます。


転職後の給与条件を確認する

給料を理由に退職する場合は、転職先の給与条件を事前に具体的な金額まで確認します。求人票に「月給25万円以上」と書かれている場合でも、基本給がいくらなのか、固定残業代が何時間分含まれているのか、賞与が年何回で何か月分なのかを面接や内定通知書で確認します。

これらの金額や条件を確認しないまま転職すると、基本給が低く固定残業代の割合が高い、賞与が支給されないなどの理由で、年収が前職とほとんど変わらない場合があります。そのため、転職後の給与条件は具体的な金額と内訳まで確認しておく必要があります。

給料以外の条件も整理しておく

給料を理由に退職する場合でも、給与額だけで転職先を決めないように、勤務条件を具体的に整理しておきます。たとえば、1日の労働時間が8時間なのか9時間なのか、残業時間が月10時間程度なのか30時間以上なのか、年間休日が110日なのか120日以上なのかといった条件を確認します。

これらの条件を整理しないまま転職すると、月給が2万円から3万円上がっても、残業時間が月20時間以上増える、休日が年間10日以上減るといった状況になり、働き方の負担が大きくなる場合があります。そのため、給料以外の勤務条件も具体的な数値で整理しておく必要があります。

まとめ

給料が安いことを理由に退職する人は一定数おり、珍しいことではありません。ただし、面接で「給料が安かった」とそのまま伝えると、お金だけで仕事を選ぶ人、会社への不満が強い人、条件が合わないとすぐ転職する人という印象を持たれる可能性があります。

そのため、退職理由を説明するときは、本音の理由と面接で伝える転職理由を整理し、仕事内容や担当業務の広がりなどキャリアの視点から説明することが重要です。また、給料が安いと感じる背景には、昇給がほとんどない、仕事内容に対して給与が低い、生活費とのバランスが取れないといった状況があります。

転職を考える場合は、転職先の給与条件を基本給や賞与の内訳まで確認し、さらに労働時間や残業時間、年間休日などの勤務条件も具体的な数値で整理しておくことが大切です。給料だけで判断せず、働き方全体を確認することで、転職後のミスマッチを防ぐことにつながります。

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