転職の基本情報

▶転職後の手続き一覧|退職後にやることを「時系列」で整理

はじめに

転職が決まったあと、「転職後の手続きって何をすればいいの?」と迷う人は少なくありません。

退職したあとに書類を受け取るのか、役所で何か手続きをするのか、会社に提出する書類はあるのかなど、やることが分かりにくい場面があります。

転職後の手続きは、次の会社にすぐ入社するか、入社までに空白期間があるかで内容が変わります。
この記事では、退職後に受け取る書類や会社への提出書類、空白期間がある場合の手続きを順番に整理します。

退職時に会社から必ず受け取る書類一覧

退職すると、失業手当の手続きや次の会社への提出、健康保険の切り替えなどで必要になる書類を会社から受け取ります。受け取っていないとハローワークの手続きや保険の切り替えが止まるため、退職日までに何を受け取るのかを確認しておきます。ここでは、退職時に会社から必ず受け取る主な書類を順番に確認します。

①離職票

離職票は、失業手当(基本手当)を申請するときにハローワークへ提出する書類です。

正式名称は「雇用保険被保険者離職票-1」「雇用保険被保険者離職票-2」の2枚で、退職後に会社がハローワークへ離職手続きを行ったあと発行されます。会社から郵送で送られることが多く、退職日から10日〜2週間ほどで手元に届きます。

届いた書類は内容を確認し、氏名・離職日・賃金額・離職理由に誤りがないかを確認してから、ハローワークで失業手当の申請手続きに使用します。

②雇用保険被保険者証

雇用保険被保険者証は、雇用保険に加入していることを証明する書類で、次の会社へ入社するときに提出します。会社が雇用保険の加入手続きを行う際に必要になるため、退職時に会社から受け取って保管します。

書類には「被保険者番号」「氏名」「生年月日」が記載されており、この被保険者番号を使って次の会社が雇用保険の資格取得手続きを行います。紛失すると手続きが遅れるため、受け取ったあとに氏名と被保険者番号を確認して保管します。

③源泉徴収票

源泉徴収票は、その年に会社から支払われた給与額と、給与から差し引かれた所得税額を証明する書類です。退職した年に転職する場合は、次の会社へ提出して年末調整の計算に使用します。

書類には「支払金額」「給与所得控除後の金額」「源泉徴収税額」などが記載されており、会社はその金額を合算してその年の所得税を計算します。退職後に転職しない場合は、翌年2月16日から3月15日までの確定申告で使用するため、受け取ったあとに氏名と支払金額を確認して保管します。

④年金番号が分かる書類

年金番号が分かる書類は、基礎年金番号を確認するための書類です。次の会社へ入社するときに厚生年金の加入手続きを行うため、この番号を会社へ提出します。

書類は「基礎年金番号通知書」または「年金手帳」で、基礎年金番号と氏名、生年月日が記載されています。会社はその番号を使って日本年金機構へ厚生年金の資格取得手続きを行うため、退職時に手元にあるかを確認し、基礎年金番号が読み取れる状態で保管します。

⑤健康保険資格喪失証明書

健康保険資格喪失証明書は、退職日に健康保険の資格を失ったことを証明する書類です。退職日の翌日から国民健康保険へ加入する場合や、家族の健康保険の扶養に入る場合に市区町村や会社へ提出します。書類には「資格喪失日」「被保険者氏名」「健康保険の名称」などが記載されており、この資格喪失日を基準に新しい健康保険の加入手続きが行われます。

市区町村で国民健康保険の加入手続きをするときは、資格喪失日から14日以内にこの証明書を提出します。

転職先の会社に提出する書類一覧

転職先の会社では、入社後の給与計算や社会保険の手続きを行うために、いくつかの書類の提出を求められます。提出が遅れると年末調整や社会保険の登録が進まないことがあるため、入社前後に必要な書類をそろえておきます。ここでは、転職先の会社へ提出する主な書類を確認します。

①源泉徴収票

源泉徴収票は、その年に前の会社から支払われた給与額と源泉徴収された所得税額を証明する書類で、転職先の会社へ提出します。転職先の会社はこの金額を現在の給与と合算し、その年の年末調整で所得税を計算します。

書類には「支払金額」「給与所得控除後の金額」「源泉徴収税額」などが記載されており、これを基にその年の所得税額を確定させます。年内に転職した場合は、入社後に会社の総務や人事へ提出します。

②雇用保険被保険者証

雇用保険被保険者証は、雇用保険の被保険者番号を確認するための書類で、転職先の会社へ提出します。会社はこの被保険者番号を使ってハローワークへ雇用保険の資格取得手続きを行います。書類には「被保険者番号」「氏名」「生年月日」が記載されており、この番号によってこれまでの雇用保険の加入履歴が管理されています。

入社後に会社の人事または総務へ提出し、その番号を基に雇用保険の手続きが行われます。

③年金番号が分かる書類

年金番号が分かる書類は、基礎年金番号を確認するために転職先の会社へ提出します。会社はその番号を使って日本年金機構へ厚生年金の資格取得手続きを行います。

書類は「基礎年金番号通知書」または「年金手帳」で、基礎年金番号、氏名、生年月日が記載されています。入社後に会社の人事または総務へ提出し、その基礎年金番号を基に厚生年金の加入手続きが行われます。

④扶養控除等申告書

扶養控除等申告書は、給与から差し引く所得税額を計算するために転職先の会社へ提出する書類です。この書類を提出すると給与は「甲欄」で所得税が計算され、提出しない場合は税率が高い「乙欄」で計算されます。

書類には本人の氏名・住所・マイナンバーと、配偶者や扶養親族の氏名、生年月日、年間所得の見込み額を記入します。入社時に会社から配布されるため、記入して人事または総務へ提出し、その内容を基に毎月の給与から差し引く所得税額が計算されます。

退職日から次の会社の入社日まで空白期間がある場合に自分で行う手続き

退職日から次の会社の入社日までに数日~数か月の空白期間がある場合は、社会保険や税金の手続きを自分で行う必要があります。会社が代行してくれないため、年金・健康保険・住民税などは自分で切り替えや納付の手続きを進めます。ここでは、空白期間があるときに自分で行う主な手続きを確認します。

国民年金の加入手続きを市区町村で行う

退職日の翌日から厚生年金の資格は失われるため、次の会社へ入社するまでの期間は国民年金へ加入する手続きを行います。退職日の翌日から14日以内に、住民票のある市区町村役所の国民年金窓口で手続きを行います。窓口では基礎年金番号が分かる書類と本人確認書類を提出し、退職日の翌日を資格取得日として国民年金の加入手続きが行われます。

手続きが完了すると、その月から国民年金保険料の納付が必要になります。

健康保険を国保・任意継続・扶養のいずれかに切り替える

退職日の翌日から会社の健康保険は使えなくなるため、新しい健康保険へ切り替える手続きを行います。方法は「国民健康保険に加入する」「退職した会社の健康保険を任意継続する」「家族の健康保険の扶養に入る」のいずれかです。国民健康保険に加入する場合は、資格喪失日から14日以内に市区町村役所で手続きを行います。

任意継続を選ぶ場合は、退職日の翌日から20日以内に健康保険組合または協会けんぽへ申請します。扶養に入る場合は、家族が加入している健康保険の会社へ申請書類を提出して手続きを行います。

住民税を普通徴収で自分で納付する

会社を退職すると、給与から天引きされていた住民税の特別徴収が止まるため、残りの住民税は普通徴収で自分で納付します。退職後に市区町村から納付書が送付されるため、その納付書を使って金融機関やコンビニで支払います。

住民税は前年の所得を基準に計算され、通常は6月・8月・10月・翌年1月の年4回に分けて納付します。納付書に記載されている期限までに、それぞれの金額を自分で支払います。

失業手当を受ける場合はハローワークで申請する

退職後に次の会社へすぐ入社しない場合は、ハローワークで失業手当(基本手当)の申請を行います。手続きは住所を管轄するハローワークで行い、離職票、本人確認書類、マイナンバーが分かる書類、通帳またはキャッシュカードを提出します。受付後に求職申込みを行い、受給資格の確認が行われます。

その後、7日間の待期期間が設定され、受給資格が認められると失業手当の支給手続きが進みます。

転職後に忘れやすい手続き

転職すると、新しい会社の手続きや入社準備に意識が向きやすくなります。そのため退職した会社に関する手続きの一部を見落としてしまうことがあります。保険証の返却や会社制度の解約などは、退職後に確認する場面が出てきます。退職時に整理しておくことで、後から手続きが必要になる状況を避けやすくなります。

健康保険証の返却手続き

退職した会社の健康保険証は、退職日の翌日から使えないため会社へ返却します。通常は退職日に会社へ渡しますが、手元に残っている場合は会社の総務または人事へ郵送して返却します。

扶養家族の健康保険証がある場合は、本人分とあわせてすべて返却します。退職後に保険証を返却しないままにしておくと、健康保険の資格喪失手続きが完了しないため、会社へ返却して手続きを完了させます。

企業型確定拠出年金や持株会の移管・解約手続き

企業型確定拠出年金(企業型DC)や持株会に加入していた場合は、退職後に移管または解約の手続きを行います。企業型確定拠出年金は、転職先に企業型DC制度がある場合はその制度へ移管し、制度がない場合は個人型確定拠出年金(iDeCo)へ移管する手続きを行います。

持株会に加入していた場合は、退職時に保有している株式を証券口座へ移すか、売却して解約する手続きを行います。手続きは退職後に会社や運営管理機関から案内される書類に従って申請します。

団体保険や福利厚生サービスの解約手続き

会社を通じて加入していた団体保険や福利厚生サービスは、退職すると利用できなくなるため解約手続きを行います。団体生命保険や医療保険は、退職日に団体契約の資格が失われるため、継続しない場合は解約の手続きを行います。福利厚生サービスも退職日で利用資格が終了するため、会員登録や自動課金の設定が残っている場合は退会または解約の手続きを行います。

退職後に案内される書類や案内メールを確認し、所定の方法で解約申請を行います。

まとめ

転職後の手続きは、「次の会社にすぐ入社するか」「入社までに空白期間があるか」で行う内容がはっきり分かれます。退職日の翌日から社会保険や税金の扱いが変わるため、どの時点で誰が手続きを行うのかを整理しておくことが重要です。

次の会社にすぐ入社する場合は、源泉徴収票や雇用保険被保険者証、年金番号が分かる書類、扶養控除等申告書などを会社へ提出します。会社がその情報を使って、厚生年金・健康保険・雇用保険の加入手続きや年末調整の処理を行います。

一方で、退職日から入社日までに空白期間がある場合は、健康保険や年金の手続きを自分で行います。退職日の翌日から会社の健康保険は使えなくなるため、国民健康保険への加入、任意継続、家族の扶養のいずれかへ切り替えます。同時に、厚生年金の資格も失われるため、市区町村で国民年金の加入手続きを行います。さらに、住民税は給与天引きが止まるため、普通徴収の納付書で自分で納付する形に変わります。

また、転職後は保険証の返却や企業型確定拠出年金の移管、持株会の処理、団体保険や福利厚生サービスの解約など、忘れやすい手続きもあります。これらは退職後に案内される書類や会社からの連絡を確認し、期限内に処理しておく必要があります。

転職の手続きは、退職時に受け取る書類、転職先へ提出する書類、空白期間に自分で行う手続きの3つに分けて整理すると分かりやすくなります。退職日と入社日を基準に必要な手続きを確認し、書類をそろえて順番に進めていきます。

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