目次
はじめに
「逆編年体式の職務経歴書って、どんな人が使う書き方なんだろう?」「普通の職務経歴書と何が違うの?」と迷う方も多いと思います。
職務経歴書にはいくつかの書き方がありますが、企業の採用担当が最初に目を通すのは、いちばん最近の会社でどんな仕事をしていたのかという部分です。応募する職種に近い経験が直近の会社にある場合、その内容を最初に見せたほうが、担当していた業務や実績が伝わりやすくなります。
そのときによく使われるのが、現在に近い職歴から順番に並べて書く「逆編年体式」という書き方です。いちばん最近の会社の仕事内容や役割、成果を最初に書くため、応募する仕事と近い経験をすぐに伝えられる形になります。
社会人経験が長くなると、最初の会社よりも、直近の会社で任されていた仕事や出してきた成果が選考の材料として見られることが多くなります。そのため、最近の職歴から書く逆編年体式は、経験が積み重なってきた人ほど使われやすい書き方です。
ここでは、逆編年体式の職務経歴書とはどんな構成なのか、どんな人がこの書き方を使うと伝わりやすくなるのかを、順番に分かりやすく見ていきます。
逆編年体式の職務経歴書とは?

逆編年体式の職務経歴書は、現在または直近の勤務先から順番に職歴を並べていく書き方です。最初に直近の会社の業務内容や実績を書くため、採用担当は応募者の最新の経験やスキルを最初に確認できます。ここでは、逆編年体式の基本的な書き方と、古い職歴から書く編年体式との違い、職種やスキルごとに整理するキャリア式との違いを整理します。
直近の勤務先から現在まで新しい順に並べて書く形式
逆編年体式の職務経歴書とは、直近の勤務先から現在までの職歴を、新しい順に並べて書く書式です。たとえば3社勤務している場合は、3社目(直近の会社)→2社目→1社目の順で会社名、在籍期間、担当業務、実績を記載します。
採用担当者は最初の数行で現在の職種・役割・成果を確認できるため、直近の仕事内容や実績を先に伝えることができます。
古い職歴から書く「編年体式」との構成の違い
古い職歴から書く編年体式は、最初に入社した会社から順番に職歴を並べ、1社目→2社目→3社目の順で会社名、在籍期間、担当業務、実績を書いていく構成です。これに対して逆編年体式は、直近の勤務先から書き始め、3社目→2社目→1社目の順で職歴を並べます。
▶編年体式の職務経歴書の書き方とテンプレート|古い職歴から整理して書く方法
編年体式は職歴の始まりから現在までの流れを時系列で確認できる構成になり、逆編年体式は現在の職種や直近の業務内容を最初に確認できる構成になります。
職種・スキルごとにまとめる「キャリア式」との書き方の違い
キャリア式の職務経歴書は、会社ごとではなく職種や業務内容ごとに経験をまとめて書く書式です。営業、事務、管理などの業務単位で担当してきた仕事や実績をまとめ、その中に複数の会社の経験を含めて記載します。これに対して逆編年体式は、会社ごとに職歴を区切り、直近の会社から順に会社名、在籍期間、担当業務、実績を書いていきます。
▶キャリア式の職務経歴書の書き方は?テンプレートと合わせて分かりやすく解説
キャリア式は業務内容ごとに経験を整理する構成になり、逆編年体式は会社ごとの勤務履歴を新しい順に並べる構成になります。
逆編年体式の職務経歴書が向いている人

逆編年体式の職務経歴書は、すべての人に適した書き方ではなく、職歴の内容や経験年数によって向き・不向きがあります。特に、直近の仕事で積んだ経験や成果が応募先の業務と強く結びついている場合は、この形式を選ぶことで評価につながりやすくなります。ここでは、逆編年体式の職務経歴書が向いている人の職歴の特徴を具体的に整理します。
直近の会社の経験や実績を最初に見せたい人
直近の会社で担当している業務内容や実績を最初の職歴として書きたい場合は、逆編年体式が向いています。職務経歴書の最初に直近の会社名、在籍期間、担当業務、売上金額や担当件数などの実績を書けるため、採用担当者は最初の数行で現在の職種や役割を確認できます。現在の会社で担当している業務が応募職種と一致している場合は、最初にその内容を示すことで評価の判断材料を早い段階で提示できます。
同じ職種で転職しており現在の経験が応募職種に近い人
同じ職種で転職しており、現在の会社で担当している業務が応募職種とほぼ同じ場合は、逆編年体式が向いています。直近の会社を最初に書くことで、現在担当している業務内容や担当件数、売上金額などの実績を最初の職歴として示せるため、採用担当者は応募職種と一致する経験をすぐに確認できます。現在の業務と応募職種が近いほど、最初の職歴だけで判断材料を示す形になります。
社会人経験が5年以上あり直近の職歴が評価の中心になる人
社会人経験が5年以上あり、直近の会社で担当している業務や実績が評価の中心になる場合は、逆編年体式が向いています。職務経歴書の最初に直近の会社名、在籍期間、担当業務、売上金額や担当件数などの実績を書けるため、採用担当者は現在の役割や成果を最初に確認できます。経験年数が長い場合でも、評価の対象になる直近の職歴を最初に示す形になります。
逆編年体式の職務経歴書が向いていない人

逆編年体式は直近の職歴から書き始めるため、すべての職歴の人に合う書き方とは限りません。経験年数が少ない場合や、応募職種と関係の深い経験が最初の会社にある場合は、この形式だと重要な経験が後ろに回ってしまうことがあります。ここでは、逆編年体式の職務経歴書が向いていない人の職歴の特徴を整理します。
社会人経験が浅く職歴が1社程度しかない人
社会人経験が浅く職歴が1社しかない場合は、逆編年体式の利点がほとんど出ません。書く職歴が1社だけであれば、新しい順に並べても古い順に並べても職歴の順序は変わらないため、構成による違いが生まれないからです。
在籍期間、担当業務、担当件数や成果を書けば内容は同じになるため、逆編年体式を選ぶ必要はありません。
最初の会社の経験が応募職種と最も関係している人
最初の会社で担当していた業務が応募職種と最も関係している場合は、逆編年体式は向いていません。逆編年体式では直近の会社から順に職歴を書くため、応募職種に最も近い経験が職務経歴書の後半に配置されます。採用担当者は最初の職歴から順に業務内容を確認するため、応募職種と一致する経験がすぐに確認できない構成になります。
職種や業界を大きく変えて転職している人
職種や業界を大きく変えて転職している場合は、逆編年体式は向いていません。逆編年体式では直近の会社から職歴を書くため、現在の職種や業界の業務内容が最初に配置されます。応募職種と関係のない業務内容が最初に書かれると、採用担当者は応募職種と一致する経験をすぐに確認できません。
逆編年体式の職務経歴書の上手な書き方

逆編年体式の職務経歴書は、直近の職歴から順番に並べるだけでは読みやすい書類にはなりません。採用担当が短時間で経験の内容と成果を把握できるよう、会社ごとの情報の整理の仕方や実績の書き方に一定の型があります。ここでは、逆編年体式の職務経歴書を読みやすく整理するための基本的な書き方を説明します。
直近の会社から順番にさかのぼって職歴を書く
逆編年体式では、直近の会社から順に職歴を書き、そこから過去の会社へさかのぼって並べます。たとえば3社勤務している場合は、3社目(直近の会社)→2社目→1社目の順で会社名、在籍期間、担当業務、実績を書きます。採用担当者は職務経歴書を上から確認するため、現在の会社で担当している業務内容や実績を最初に示す形になります。
会社ごとに「業務内容」と「実績」を分けて整理する
会社ごとの職歴では、「業務内容」と「実績」を分けて書きます。業務内容には担当していた業務の種類や担当範囲を書き、実績には売上金額、担当件数、改善率などの結果を数値で示します。業務内容と実績を同じ文章に混ぜて書くと、担当していた仕事と成果の関係が読み取りにくくなるため、項目を分けて整理します。
担当件数・売上額・改善率などの数字を入れて実績を書く
実績を書くときは、担当件数、売上額、改善率などの数字を入れて結果を示します。たとえば月間の担当顧客数、年間売上金額、業務改善によって処理時間を何分短縮したかなど、行動の結果を数値で書きます。数字が入ることで、採用担当者は担当していた仕事の規模や成果の大きさを確認できます。
逆編年体式の職務経歴書のテンプレート
逆編年体式で職務経歴書を書くときは、職歴を並べる順番だけでなく、会社ごとの情報のまとめ方や実績の書き方を一定の型に沿って整理すると読みやすくなります。ここでは、逆編年体式の職務経歴書の基本構成が分かるテンプレートと、実際に使うときに注意したい書き方のポイントを紹介します。
逆編年体式の職務経歴書テンプレート(ポイント付き)
モデル人物(設定)
名前:山田 太郎
年齢:35歳
職種:法人営業
営業経験:12年
社会人経験:12年
営業経験:12年
職歴
1社目:食品メーカー営業(3年)
2社目:広告会社営業(3年)
3社目:IT企業営業(4年)
4社目:IT企業営業事務(1年)
5社目:SaaS企業法人営業(現在・1年)
※直近の会社の営業実績が最も高く、応募職種と一致
特徴
・法人営業を中心に12年間勤務
・転職をしているが職種はほぼ営業で一貫
・直近の会社で売上実績が最も高い
・営業事務の経験があり、営業管理や業務改善も経験
逆編年体式
職務経歴書テンプレート(記入例付き)職務要約
営業職として〇年間、法人顧客への新規開拓と既存顧客管理を担当。月間〇社の顧客を訪問し、年間〇〇万円規模の売上エリアを担当してきました。新規契約〇件の獲得や担当エリア売上〇%改善などの実績があります。
※冒頭3〜4行で「職種・経験年数・主な実績」をまとめて書くと、最初の数行で経験の内容が伝わります。
職務経歴
株式会社〇〇(2023年4月〜現在)
事業内容:〇〇
従業員数:〇〇名
業務内容
・法人顧客への営業活動
・月間〇社の新規顧客へ訪問またはオンライン商談
・既存顧客〇社のフォロー営業
・提案資料作成、見積書作成、契約手続き対応
実績
・年間売上〇〇万円達成
・新規契約〇件獲得
・担当エリア売上を前年比〇%改善
※直近の会社から書き始め、現在の業務内容と実績を最初に示します。業務内容と実績を分けて書くと、担当していた仕事と成果が読み取りやすくなります。
株式会社〇〇(2020年4月〜2023年3月)
事業内容:〇〇
従業員数:〇〇名
業務内容
・法人顧客への提案営業
・既存顧客〇社を担当
・新規顧客開拓営業
・営業資料作成、見積書作成
実績
・年間売上〇〇万円達成
・新規顧客〇社獲得
・担当顧客売上を前年比〇%改善
※会社ごとに「業務内容」と「実績」を分けて書きます。売上額、担当件数、改善率などの数字を入れると成果の規模が判断できます。
株式会社〇〇(2017年4月〜2020年3月)
事業内容:〇〇
従業員数:〇〇名
業務内容
・法人顧客への営業活動
・新規顧客開拓
・既存顧客フォロー
・営業資料作成
実績
・年間売上〇〇万円達成
・新規契約〇件獲得
・担当顧客数〇社
※過去の職歴も、会社名と在籍期間だけで終わらせず、担当業務と実績まで書きます。同じ構成で並べると職歴を比較しやすくなります
活かせる経験・スキル
・法人営業(新規開拓・既存顧客対応)
・提案資料作成
・顧客管理
・売上管理
※応募職種に関係する経験だけを書き、職種と関係のない業務は書かないように整理します。自己PR
法人営業として新規顧客開拓と既存顧客営業の両方を経験し、顧客の課題を整理したうえで提案する営業スタイルを強みとしています。直近のSaaS営業ではオンライン商談を中心に年間4,800万円の売上を担当し、平均受注単価120万円の契約を継続的に獲得しています。通信機器営業、ITサービス営業の経験もあり、業界ごとの営業手法や顧客課題の違いを理解しています。これまでの営業経験を活かし、顧客課題を整理した提案営業で成果を上げていきたいと考えています。
※逆編年体式では、職務経歴の部分に実績や数字が多く書かれているため、自己PRでは同じ数字を繰り返す必要はありません。職務経歴の内容を整理し、「どんな強みがあり応募先でどう活かせるか」を200〜300字程度でまとめると読みやすくなります。
逆編年体式の職務経歴書のよくある失敗

逆編年体式では、直近の会社から順番に職歴を確認できます。最初の職歴で現在の仕事の内容と役割が判断されます。そのため、最初に書く会社の説明が不足すると評価が止まります。会社ごとの情報量や実績の書き方によって読みやすさが変わります。
直近の職歴だけ詳しく書き過去の職歴を省略している
逆編年体式では直近の会社から書き始めるため、最新の職歴だけを長く説明し、過去の職歴を会社名と在籍期間だけで終わらせてしまう書き方がよく見られます。
たとえば直近の会社は「営業として新規開拓を担当。月間20社訪問し、年間売上1,200万円を担当。新規契約15件を獲得」など具体的に書いているのに、1社前や2社前の職歴が「営業職として勤務」「事務職として勤務」など一行で終わっている状態です。
この書き方では、直近の会社に入るまでにどんな経験を積み重ねてきたのかが読み取れません。採用担当は職歴を見たとき、直近の実績だけでなく、前職でどの業務を担当し、何年経験し、どんな役割を担ってきたのかを確認しています。過去の職歴でも「担当業務」「担当件数」「売上規模」など最低限の業務内容と数字を書かなければ、経験の流れが判断できない職務経歴書になります。
会社名と在籍期間だけを書き業務内容を書いていない
会社名と在籍期間だけを書き、「2019年4月〜2022年3月 株式会社〇〇」「2022年4月〜2024年3月 株式会社△△」のように職歴を並べるだけでは、どの仕事を担当していたのかが判断できません。採用担当は社名ではなく、その会社でどの業務を何年担当し、どの規模の仕事を任されていたのかを確認しています。
たとえば営業職なら、法人営業なのか個人営業なのか、月に何社を担当し、年間いくらの売上を担当していたのかを書きます。事務職なら、月間何件の書類処理を担当していたのか、どのシステムで入力や管理を行っていたのかを書きます。会社名と在籍期間だけでは業務内容が読み取れないため、経験の内容を判断できない職務経歴書になります。
実績に具体的な数字がなく評価が判断できない
「売上に貢献した」「業務を改善した」「顧客対応を担当した」などの表現だけで実績を書いていると、仕事の成果を判断できません。採用担当は成果の大きさを数字で確認しています。
たとえば営業職なら、担当社数、月間訪問件数、年間売上額、新規契約件数などを書きます。事務職なら、月間処理件数、入力データ件数、処理時間の短縮率などを書きます。数字が入っていない実績は成果の規模が分からないため、どの程度の役割を担っていたのかを評価できない職務経歴書になります。
まとめ
逆編年体式の職務経歴書は、直近の会社から過去へさかのぼる順で職歴を書き、現在の仕事内容や実績を最初に示す書き方です。最初の職歴に会社名、在籍期間、担当業務、売上額や担当件数などの実績を書くことで、採用担当者は現在の職種や役割を最初の数行で確認できます。
社会人経験が5年以上あり、現在の会社で担当している業務が応募職種と近い場合は、この形式が使われることが多くなります。現在の業務内容や成果がそのまま評価の判断材料になるため、直近の職歴を最初に示す構成が合います。
職歴を書くときは、会社ごとに在籍期間、担当業務、実績を整理して書きます。業務内容と実績を分け、担当件数、売上金額、改善率などの数字を入れて結果を示すと、担当していた仕事の内容と成果を確認できる職務経歴書になります。